岩井さんっていうんだー
じゃないほう。
フジロックに行って踊りまくる澤部さんが好き。
ビール飲んで「ぷはー!」と笑顔になる澤部さんが好き。
「岩井さんイイわぁ。」
なんの番組かは忘れてしまったが、テレビでハライチさんの生い立ちのVTRを見ながら、きいちゃん家の長女が言った。
「岩井さんっていうんだぁ。完全に、『じゃないほう』じゃん!」
失礼だが、初めて名前を知った。なんかインテリっぽかったし、上から目線な気がして好きではなかった。
「うん、石をどかしたら、出てきそうな、あの じめーっとした感じが好き」
たしかに…出てきそうだけど…。それって嫌いを言う流れなんだけどなぁ…と、頭の中でツッコミを入れていた。
「ネタ書いているし、ラジオも人気あるみたいだよ」
!!!!
ネタを書いている!?…の?
『じゃないほう』のスゴさを知ったとき、ググっと興味をそそられた。
岩井さん。
それからぼくは、長女が本を読み終わるのを待っていられず、Kindle Unlimitedで一気読みした。
まさしく、石の下の世界を覗き見たような本だった。
『事件が起こらない』と、岩井さんは頻繁に言っている。芸人といえども、パラダイスな日常が待っているわけではないし、ネタにならないか血眼になって探しているわけでもないという。
ただただ、何もない日常を面白がる。
良いことも、悪いことも、どーでもいいことも、しょっぱい味は抱えこまないで吐き出してみる。
まもなくそれは、世の中という空気に触れ、化学反応が起こってまろやかに変わる。
右に曲がるところを左に行ってみるように、違った角度から見て、どこかおもしろい角度を見つけることが人生を楽しむ要素じゃないか。
なーんて、『おわりに』を読んで、共感して、ふと頭をよぎったことを書いてみました。
『じゃないほう』じゃなくなりました。
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