思い出の味は名古屋とイタリアがちょっとする。
くまさんの初企画。
くまさんは、すもものレシピ企画でもお世話になりました。あんなに美味しそうなレアチーズケーキ、来年こそはと意気込んでいます。
文章もイラストもトークも料理もデキル。男気あふれて、女性の気品も兼ね備えているパーフェクトヒューマン。この人の企画は、先頭打者でいこう!そう思っていました。たごぴはそういう義理と人情を大切にします。
そうしたら、そう思っている人たちばかりで、ベンチを温めるくらいになってしまった(笑)
くまさん、ごめんなさい…
「さいごに何食べたい?」
今とさいごでは、きっと答えが違うだろう。いつまで考えても、これといった答えはきっと出てこない。『 いつか食べたいあの味 』になてしまう…
ばあちゃんだったら?
やっぱり『 ばあちゃん 』のことを考えてしまう。
ばあちゃんは、3年間くらい施設に入ったままで、一年に何回かは、肺に水が溜まり、入退院を繰り返している。もう僕の名前を呼ぶこともないし、僕を見て笑うこともない。体に悪そうな( きっと野菜をすりつぶしたもの)色の流動食を毎日食べている。
たぶん、ばあちゃんは『 なんでもいい 』って言うだろう。自己犠牲の塊のような人だから。何食べたい? どこ行きたい? 何したい? いつ聞いても答えは、同じだった。
「トマト系はすごくよく食べます。何か思い出の料理があるんですか?」
介護士さんから言われたとき、ハッと思い出した。
ミネストローネをばあちゃんに作ったことがある。
大学のころ、名古屋にあるイタリアンBARでバイトしていた。松坂屋から少し入ったところのビルの屋上がBARだった。
そこの裏メニューにある野菜をふんだんに詰め込んで煮込んだ、飲んだあとのシメにもってこいの人気メニュー。
和を好むばあちゃんの口に珍しく合ったのか、孫が作ったという感謝の気持ちがそうさせたのか、毎回おかわりして食べてくれた。
認知症になってからでも、『 あの味 』はどこか脳の隅っこに引っかかていたのかもしれない。
ばあちゃんが大きな口を開けて、ぱくぱく食べている姿を忘れない。
「 なんでもいい は、無し。何食べたい?」
「ミネストローネ」
そう言ってくれるはず。
僕はというと、最後の最後まできっと「何でもいいよ」と答える。そして当たり前のように、嫁さんをイラつかせると思う。
「やっぱり答えは出ないな」と半分諦めて風呂から上がると、嫁さんが髪を乾かしていたので、聞いてみた。
「もちろん肉!しかも上質をよこせ!」
「あはは!どうやって食うんだよ? たぶん歯がないよ」
「噛まなくていいほどの上質をよこせ!溶けてなくなるやつ」
僕にはこういう人が合っている。
くまさんありがとうございました。
何にしろ、これが最後だと思って食べられたら幸せなんじゃないかなって思いました。
気づきもあり、大切なことを思い出すきっかけになった素晴らしい企画でした。
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