欧米と日本のシステムに関する考え方の違いについて
Salesforceのシステム導入を見ていると日本と欧米のシステムの考え方の違いがよくわかります。
私は過去のプロジェクトでドイツでシステム開発をしていた人が知り合いにいるので、彼からの話は、「なるほどな」と思うところがありました。
以下に箇条書きで整理します。
1.ドイツの開発現場では仕様書がない。
基本的にコードが読めないと仕事にならないのが基本となっており、コードが書ける人がシステムを理解し、業務も理解している。だから給料が高い。
日本のITの現場は、開発と業務が分かれていることが多く、開発する人、業務を行う人が分業しています。
2.業務がシステムに合わせている。
上記1の理由により、業務とシステムが一人の人間で管理できているからです。
日本ではシステムが業務に合わせて要求定義、要件定義、設計、開発、テスト、リリースなどフェーズを分けて、お金と時間をかけて開発することが多いです。
さて、上記2点を踏まえると日本のITが世界的に遅れていると言われてしまう理由が見えてきてしまいます。
経営サイドから見ると業務の変化に流動的にかつ、安価で短納期で対応できないシステム開発部はコストでしかない、ということです。
欧米では、システムに合わせて業務を変える文化ができているので、
例えばSalesForceの仕様が変われば、業務もシステムも分かる技術者が
一人で対応できてしまいます。
日本は・・・・想像できるかと思います。
従って
Salesforceはアメリカ企業のクラウドサービスですので、
この文化的風土の違いを理解する、しないでは、
導入の成功の可能性が高まります。
Salesforceを導入をする以前に業務にシステムが合わせる文化を改め、
両方分かる人を確保することが肝要です。
まあそんな人材どこの企業でも希少ですが・・・・・
そうゆう意味では、Salesforceを試験導入してとにかく先にSalesforceに慣れることも大事です。
Salesforceの営業さんたちも基本スモールスタートを推奨しています。
ここでいうスモールスタートの実例としては、
営業部門など一部門のみに試験的に導入して、
導入した結果を導入前と比較して効果の有無(営業成績に結び付いたかとか、業務時間がどれくらい短縮できたか、とかですね)を検証して、
効果があったなら全社的に広げる、というやり方です。
こうやって考えると欧米の技術者のレベルが高いのも給料が高いのも理由がよくわかります。営業(業務の一部分ですよね)ができて、コードも書けるわけですから、優秀でない理由がないですよね。
以上、欧米と日本のシステムに関する考え方をSalesforce導入視点で考察してみました。
拝読賜りありがとうございました。