言霊って信じますか?
言霊って信じますか?
言霊とは「声に出した言葉が、現実の事象に対して何らかの影響を与える」という考え方を示す言葉です。
この「言霊」という言葉に表れている通り、元来、日本人は言葉に敏感でした。
例えば、大学受験の真っ最中の学生に対して、「すべる」「こける」「おちる」と言うのはNGですが、「うかる」「とおる」「かつ」と言うのはOK、っていう意識がありますよね?
日本では言霊が信じられていたから、このようなゲン担ぎの風習が生まれたと言われています。
とある記事で、民俗学者の畑中さんも次のように仰っています。
「日本人は昔から、言葉にも霊魂が宿っていると思っていました。口にした言葉が現実に何かしらの影響を与えていて、ある言葉を発すると夢(目標)が実現でき、一方で、ある言葉を発すると悪いことが起こると考えられていたのです。ゲン担ぎと言霊は、ともに二面性の意味を持っている。つまり、ゲン担ぎという風習の根底には、この言霊という考え方があるのです」
この「言葉には力が宿っている」という考え方は、日本的で美しいし、素晴らしいと感じます。
ですが、悲しきかな、最近ではこれと真逆のことが起きているような気がします。みなさんも取り上げてますが、木村花さんの件なんか、まさにそれだと思うわけです。
インターネット、SNSは、どんどん使いやすくなっています。いまや、誰でも気楽に、スマホから文章、写真、動画をアップできるようになりました。これによって、人々の生活が豊かに、楽しいものになっているのは間違いない。
でも、この「気楽さ」によって、言葉が蔑ろにされていると思えてならないのです。
自分が発する言葉が、現実世界にどのような影響を与えるのだろうか…「気楽にアップ」する前に、今一度考えてみてほしい。
古くから、言霊を信じてきた日本人として、私たちは言葉をもっと大切に使うべきだと思っています。
そんな想いを込めて、最後は万葉集の和歌で締めたいと思います。
しきしまの
やまとのくには
ことだまの
さきはふくにぞ
まさきくありこそ
[訳]
日本の国は言霊が幸いをもたらす国です。
どうか私が言葉で「ご無事でいて下さい」
と申し上げることによって、
どうぞ無事でいて下さい。
柿本人麻呂
(引用元)
今日は以上です。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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