即興芝居WS 20220707
【本日の内容】
◆演者2名で1時間の即興芝居を行なう為のワークショップ初級編season2
◆回数(全15回):13/15回目
◆参加者:♂1 ♀4 計5名
◆宿題:売れたがらない芸人がいる。なぜその芸人が売れたがらないのかの理由を5つ考えてくる
●即興芝居をやるうえで正当化の作業は必ず発生する。正当化は観客が納得できるところ・腑に落ちるところまでするのがミソ。さらりと処理をしてしまうとオリジナルにはならないし、何よりやっている側が楽しくない。
●1つ1つのやりとりがしっかりされていれば、登場人物の目的は必ずしもすぐ出す必要はない。しかしセットアップのタイミングでは必ず出す必要がある。目的(願望)が無いと観客は何を見ていいのか、何を応援すればいいのかが判らない。
●場所には「ホーム」「アウェー」の概念がある。
・ホーム→その場所にいても違和感が無い人と場所の組み合わせ。例えば「楽屋」に俳優やマネージャーがいても観客はすんなり受け入れられる。
・アウェー→その場所にいる事に理由が必要な人と場所の組み合わせ。例えば「楽屋」に警察や政治家がいる場合、そこにいる理由を正当化する必要がある。この正当化は早ければ早い方が、観客が安心して見られるようになる。
※ホームにいる人物の場合でも、なぜその場所にいるのか掘り下げる事でストーリーは興味深くなる。
●始まって最初の5分は日常(オーディナリーワールド)を描く。何気なく前向きなシーンを創るのが意外とできない。すぐに問題を起こしがち。インスタントトラブル。
●役の気持ちや行動が変わるには、必ず理由・きっかけが必要。しかしすぐに観客に説明する必要もない。
●1つ1つをしっかり掴む能力、掴んだものを掘り下げる能力は別物。
これを両立させるとどうしたってオリジナルな物語になる。
●中級編で扱う予定の「説明台詞」。例えば女性Aが女性Bに向けて発する台詞で、自分たちが姉妹である情報を出したい場合。
パターン1「私たち姉妹だよね」
パターン2「そろそろ実家に帰ってあげてよ」
上記の2つの台詞では情報量が異なる。
・パターン1(いわゆる説明台詞)の場合
2人の女性が姉妹であるという事以外、観客が受け取れる情報は無い。
その上「本当の姉妹ってそんな確認しねぇだろ…」という観客の違和感を誘発。
・パターン2の場合
2人が姉妹らしい事(まだ確定ではない)以外にも、
女性Bが最近実家に帰っていない事
実家で女性Bの帰りを待っている人物がいる事
が読み取れる。つまり説明台詞を使わない事はそのまま物語を豊かにする事に繋がっている。
●「売れたがらない芸人がいる。なぜその芸人が売れたがらないのかの理由を5つ考えてくる」という宿題を科し、ぼく自身も行なった。内心ドヤ顔で渾身の案を皆の前で披露したところ、皆が無の顔をしていた。全員を一列に並ばせて等しく往復ビンタをした。