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即興2人芝居WS 中級コース 木曜クラス 20230805

◆内容◆
60分間の即興2人芝居を行なうためのワークショップ
中級コース

◆参加者◆
男性2
女性3
合計5名

◆内容◆
 ●映画『ドライビングミスデイジー』の確認(宿題)
 ●10分間の即興芝居


◆WS受講者にはあらかじめプチ宿題(=強制ではないレベルの宿題)として映画『ドライビングミスデイジー』を鑑賞後、下記3点を考えてもらった。
 ●主人公は誰か(もしくは誰と誰か)
 ●どこからどこまでがセットアップか。そしてそう考えた根拠
 ●主要人物2人のキャラクター
WS冒頭はその答え合わせから始まった。
少しずつ物語の構造を共通理解していく。

◆受講者からの「何をすれば良いかわからずアワアワしていただけで終わってしまう」というお悩み
→頭の中で「どうしよう」「何をすればいいんだろう」と考えると慌ててしまう。焦ってしまう。それを防ぐ為には「何をすればいいんだろう、と考えないようにしよう」という思考法は効果的では無い。「◯◯しない」というアクションは実行不可である為、「◯◯する」という具体的なアクションが必要である。ストーリーを先に進めようとするから何かをしなければならないという強迫観念を持ってしまい、結果的にアワアワしてしまうのかもしれない。
大切なのは、ひとつひとつのあらゆる事象に対してPOV をしっかり持つ事。(POV = Point Of View。ざっくり言うと、相手の一挙手一投足の言動に対して自分がどう感じるのかという事)
POVが生まれるとキャラクターが生まれる。
キャラクターが生まれると関係性が生まれる。
関係性が生まれる事で目的が生まれる。
目的が生まれると障害が、そしてここでようやく初めてストーリーが生まれる。つまりストーリーを考える必要は全くない。

「何をすればいいんだろう」という問いの答えは頭の中には無い。
役としてその場に存在する事で答えが見つかる。


◆POVが一番大事
これを疎かにするとドラマは成立し得ない。

相手役からセリフが投げられる。
「バカ」「好き」「ご飯奢って」
例えはなんでもいいが、とにかく相手から何かしらのセリフが投げられた時にどう反応するのか。
上の3つの例の場合でそれぞれ異なるはずである。
どう反応してもいい。「バカ」と言われて喜んでもよければ怒ってもいい。
どのように反応するかは役者のチョイスであり遊び心だ。
一番良くないのは「バカ」という相手から投げられた言葉をしっかり受け止められない事である。言われた役者がしっかり受け止めてくれる事で観客も一緒に進んでいける。


◆長澤の気づき◆
 ●オープニング1分間で興味深い物語かどうかが決まる。
→1分以内に興味深い設定をつくれというわけではない。POVの有無や具体的なアクションなども効果的。無言で1分間過ごす事も可能。

 ●POVの重要性
→これが無ければ、観客は生理的な納得を得られない。「芝居」の基礎であり根幹。相手からの台詞を「受け止めたつもり」と「受け止めた」では天と地ほどの違いがある。

 ●半歩ずつ / 掘り下げLv2
→基礎的な要素ではありながらも実践するとなると簡単では無い。が、中級という事もあり、やや定着してきたように思う。

以上。
つい忘れがちだが我々は、即興で、2人で、60分間の、物語を創ろうとしている。これは簡単な事じゃない。非常に難しい事にチャレンジしている。にも関わらず、ぼくが「面白いなぁ」と思うシーンが増えてきた。
「即興芝居を新しいエンターテイメントとして日本に定着させたい」というぼくの念願に光明が射し始めているのかもしれない。

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