経営理念とビジョンの違い
経営理念とビジョンの違い、わかりますか?
経営コンサルタントの方でも
しっかりとわかりやすく、体系的に答えられる人は
少ないのではないでしょうか。
経営理念関係の本は大抵読んできましたので
よくわかります。
かなりの方でも
わかっていらっしゃらないようです。
全然知らない人、わからない人、
少しわかっている程度では
とても答えられない、厄介な代物なのです。
その理由は、
経営理念のスタンダードが
世界にはないからなのです。
ですから、みんな自分や自分たちが
いいと思って、いいと考えて
発表しているだけです。
私も、そういう一人なので
読者のあなたにご判断を委ねるだけです。
有名な人、権威のある人、
それなりの地位にある人などの言うことが
支持されることは当然のことなのですが、
それでも、間違いや勘違いや
ボタンのかけ違いのようなことが
無いとは限りません。
よくよく注意しないと、
それらに巻かれてしまったり、
流されてしまいます。
本題に戻りましょう。
経営理念とビジョンの違いは何でしょう?
私の「◯△□の経営理念」の定義から言えば、
まず、次元調整しなければなりません。
経営理念の定義を思い出してください。
経営理念とは、
基本理念と人事理念、
企業理念、行動理念の4つの理念から
構成されるものである。
これでおわかりになると思いますが、
経営理念とは体系をなすものを指しており、
ビジョンとは体系を成す構成要素の一つを
指しているもので、同一のものでも
似たようなものでもありません。
ネットで検索してみてください。
以下のようなコンテンツは出てきます。
ここでは、経営理念ではなく、
企業理念との違い、ということで答えています。
これでわかりますか?
普通は、これで
さらにわからなくなってしまいます。
背景に体系や哲学がないからです。
でも、そういうことさえわかりませんから、
「わかったような」わからないが、
出回ってしまっています。
かなりひどいですよ、これは。
その理由は、一連の私のnoteを
お読みいただければ、わかります。
次に、これです。
このコンテンツはよくできています。
それでも立ち入った内容になってくると
微妙に違ってきています。
それは仕方ないですね。
スタンダードがないから、
みんな自分が良かれ、と思って
一生懸命やっているのですから。
「ビジョン」という言葉が出てきたら、
「ミッション」「バリュー」と
3つをセットで扱っていただくのがいいです。
このコンテンツではそういう扱いをしています。
そして、この3つを「理念体系」と言っています。
この横文字表現があるといいのですが、
「マネジメントフィロソフィー」、
「カンパニーフィロソフィー」
と言ったところでしょうか。
私も同じニュアンスで「経営理念」と言い、
その定義を行いました。
私の定義の英語版、カタカナ版を作るとすると、
マネジメントフィロソフィーは
ミッション、
ビジョン、
バリュー(イン・アクション)
から構成される。
ミッション→基本理念
ビジョン→企業理念
バリュー→行動理念
というように置き換えて考えることができます。
◯△□に置き換えれば、いずれも
「□して、◯して、△する」で済んでしまいます。
図形のすごいところです。
最後に、まとめてみます。
経営理念とビジョンの違いは何ですか?
山本英夫の論によれば
「経営理念」は、体系を成す概念であり、
その体系の構成要素の一つである企業理念に
相当する英語表現が「ビジョン」である。
全体を指す言葉と、
全体を構成する部分の言葉であることを
理解した上で、その違いを明らかにしておくことが
重要である。