C3.AI 2021年度第3四半期earnings call(1)CEOのprepared remarks
2021年3月1日に行われたC3.AIのカンファレンスコールを一部翻訳してみました。CEOのprepared remarksまでです。CFOのprepared remarksは次回訳します。
オペレーター
皆様、お待たせいたしました。C3.aiの2021年度第3四半期のアーニングコールにようこそお越しくださいました。それでは、本日のスピーカーであるC3.aiのIR担当副社長プレジデント、ポール・フィリップス(Paul Phillips)に会議をお渡ししたいと思います。ありがとうございます。どうぞよろしくお願いします。
ポール・フィリップス IR担当副社長
皆さん、こんにちは。C3.aiの2021年度第3四半期(2021年1月31日に終了)のアーニングコールにようこそ。C3.aiの投資家向け広報担当副社長のポール・フィリップスです。本日の電話会議には、会長兼CEOのトム・シーベルと、CFOのデビッド・バーター(David Barter)が同席しています。本日の市場終了後、当社は第3四半期の業績に関する詳細を記載したプレスリリースおよび業績に関する補足資料を発表しました。これらのプレスリリースおよび補足資料は、当社ウェブサイト ir.c3.ai の投資家情報セクションからご覧いただけます。
この電話会議はウェブキャストで行われており、終了後にIRサイトで再生することができます。本日の電話会議では、連邦証券法上、将来の見通しとみなされるかもしれない当社のビジネスに関する記述を行います。これらの記述は、本日現在の当社の見解を示したものであり、後日の当社の見解を代表するものと考えられるべきではありません。当社は、将来見通しに関する記述または見通しを更新する義務への免責事項があります。
これらの記述は、実際の結果が期待と大きく異なる可能性があるさまざまなリスクや不確実性を内包しています。これらのリスクは、本日発表したリリースにまとめられています。重要なリスクおよび当社の業績に影響を与えうるその他の重要な要因については、当社の目論見書を含む米国証券取引委員会(SEC)への提出書類をご参照ください。また、本日の電話会議の中で、特定の非GAAP財務指標について言及します。
GAAP基準と非GAAP基準の調整表は、当社のプレスリリースに掲載されています。最後に、準備されたコメントや皆様からのご質問への回答の中で、当社のビジネスのダイナミクスや四半期業績に関するより深い洞察を得るために、通常のプレゼンテーションとは異なる指標について説明する場合があります。今後もこのような追加情報を提供するかどうかはわかりませんが、ご了承ください。それでは、トムからのプレゼンテーション(prepared remarks)をお聞きください。
トム?
トム・シーベル -- 会長兼最高経営責任者
ありがとう、ポール。今日の午後、皆さんと一緒に時間を過ごす機会を得られたことを大変嬉しく思います。それでは、会社と市場についてお話ししましょう。全般的には、グローバル市場での当社の躍進に非常に満足しています。
私たちは、唯一の企業向けAIソフトウェアのピュア・プレイとしての地位を確立し続けています。この市場は規模が大きく、急速に成長しています。私たちは、革新を続けています。私たちは、市場パートナーのエコシステムを拡大し続け、それに伴う販売能力の向上を図っています。
私たちは、技術的なリーダーシップを発揮し続けています。私たちは、企業向けAIソフトウェアの分野で世界市場のリーダーとしての地位を確立するために、ますます有利な立場にあると、私は信じています。それでは、財務ハイライトについてお話しましょう。全体としては、好調な第3四半期でした。
第3四半期の収益は$49.1 million(4,910万ドル)でした。そのうち$42.7 million(4,270万ドル)はサブスクリプション収入で、前年同期比で23%の増加となりました。サブスクリプションは、当社の収益構成比の87%まで増加しました。当四半期のサービス収入は$6.4 million(640万ドル)(総収入の13%)で、前年同期比4%の減少となりました。
当四半期の非GAAPベースの営業費用は、前年同期比27%増の$49.2 million(4,920万ドル)となりました。非GAAPベースの営業損失は、前年同期が$8.4 million(840万ドル)であったのに対し、当四半期は$11.9 million(1,190万ドル)となりました。市場の全体的な状況についてお話しましょう。エンタープライズAIとデジタルトランスフォーメーションについて考えるとき、私たちが注目しているのは、アナリストによると2020年の$174 billion(1,740億ドル)から2024年には$271 billion(2,710億ドル)に増加するという、非常に大きな獲得可能な市場規模です。
これは、どのような基準で見ても大きな機会であり、私がプロフェッショナルキャリアの中で見てきたソフトウェア市場の中でも最大の機会です。企業のAIによるデジタルトランスフォーメーションは、世界中のほぼすべてのCEOや取締役会の議題の最上位に位置しています。エンタープライズAIソリューションに対する関心と需要がますます高まっており、当社のパイプラインはすべての業界、すべての地域で大幅に成長し続けています。第3四半期に獲得した重要な顧客事例をいくつか紹介します。
まず、インフォア(Infor)です。私たちは、数$billion(数十億ドル)規模のERPソフトウェアプロバイダーであるインフォアと戦略的な幅広い関係を結びました。この契約に基づき、インフォアは、多くの既存のインフォアのアプリケーションをC3 AI SuiteおよびC3.aiのアプリケーションと統合し、インフォアのブランドで、AIベースのソリューションを顧客にマーケティング、販売、展開していきます。これは、C3.ai Reliability、C3 AI CRM、そして誰もがコードを書くことなくAIベースの知見を開発・生成できる次世代予測分析アプリケーション「C3 AI Ex Machina」など、C3.aiソリューションをインフォアの顧客に販売するための、インフォアとのより広範なパートナーシップへと発展していきます。
次に、ミルウォーキーのジョンソンコントロールズ(Johnson Controls)についてです。ジョンソンコントロールズは最近、在庫とサプライチェーンの最適化のためにC3.aiを採用しました。ジョンソン・コントロールズは$23.5 billion(235億ドル)規模の企業で、ビル用の火災・HVAC・セキュリティ機器やエネルギーサービスを提供する大手メーカーです。最後に、米国陸軍での機会についてお話したいと思います。私たちは、合衆国との仕事を拡大しました。
それは陸軍航空部で、航空機の即応性を向上させるためです。さらに、パートナーであるレイセオン社と共同で、米国陸軍の次世代戦術地上局の開発に着手しました。(この地上局は)膨大な量のセンサーデータの自動処理と分析を可能にし、状況的な戦闘認識を向上させるものです。これは、とても、とても、ハイテクなもので、スターウォーズレベルの技術です。このAIベースのシステムは、C3.ai Suite内の多数のセンサーやソースから送られてくる情報を基に、これを1つの統一されたデータイメージに合成して、指揮官の意思決定支援を行います。
産業の多様化についてお話したいと思います。私たちは、産業の多様化を続けています。ライフサイエンス、金融サービス、ハイテク分野の貢献度が高まっているほか、国際的な売上もますます健全に成長しています。
ハイテク分野の売上高は、前年同期比1%未満であったのに対し、当年度累計では8%となりました。ライフサイエンス分野の売上高は、前年同期の1%未満に対し、当年度累計では7%となりました。製造分野は、前年同期の約1%に対し、当年度累計では11%となりました。一方、石油・ガス分野は、前年同期の約59%に対し、21会計年度の累計では38%となりました。
戦略的パートナーシップについて言及する際に、市場成長戦略の中核をなすものとして、1つ目は、主要顧客、企業向け販売、中間市場向け販売、マス・マーケット向け販売チャネルを含むグローバルな直販組織、地域別販売組織、垂直的市場販売組織を進化させること、2つ目は、水平的市場と垂直的市場の両方で市場パートナーのエコシステムを拡大することが挙げられます。第3四半期には、これらの取り組みから大きな成果が得られました。地理的な拡大、水平的な業種の多様化、ソフトウェアサブスクリプションの大幅な増加、そして重要なこととして、販売パイプラインの平均契約数の増加と多様化が挙げられます。例えば、当社のサブスクリプション契約の平均総額は、20会計年度の$12.1 million(1,210万ドル)から21会計年度第3四半期には$5.2 million(520万ドル)に減少しました。これは大きな進歩です。
当社は、主要な成長戦略として、パートナーとのエコシステムの構築と拡大を継続しており、これにより市場範囲を大幅に拡大し、世界中のさまざまな業界のお客様にサービスを提供することができます。第3四半期には、Microsoft、Baker Hughes、ENGIE、Shell、Infor、FIS、Raytheonとパートナーシップを締結または拡大しました。今後もこの分野での活動は継続し、加速していくものと思われます。金融サービス分野では、当社の業界パートナーであるFISが、C3.aiを採用した「FIS AML Compliance Hub」を発表しました。
これは、FISとC3.aiの広範な提携に基づく最初の共同製品リリースです。このソリューションは、C3.aiの高度な機械学習技術とFISの深い金融業界のドメイン専門知識を活用して、金融犯罪検知の効果を劇的に向上させます。C3.aiとマイクロソフトは、フォーチュン500社のお客様と初のAI CRM契約を締結しました。私たちは、世界で$60 billion(600億ドル)を超えるCRM市場において、AIが重要な役割を果たし、成長していくと考えています。
防衛分野では、防衛産業界のパートナーであるレイセオン(Raytheon)と協力して、米国陸軍のインテリジェント地上局構想に技術を提供しました。先に述べたように、私たちはインフォア(Infor)と包括的な提携を結び、C3.ai SuiteとC3.aiアプリケーションを使って多くの既存のインフォアのアプリケーションを統合し、インフォアがあらゆるチャネルを通じてこれらのアプリケーションを顧客に販売できるようにしました。今後の四半期では、水平的市場と垂直的市場の両方において、市場パートナーのエコシステムを拡大するためにさらに努力をしていきたいと考えています、というのもこれが市場での成長をてこ入れするための鍵になると考えているからです。
私たちは、会社のリーダーシップの強化に大いに力を注ぎました。C3.aiの取締役会には、SAPの共同CEO、ジーメンスの会長、マースクの会長を歴任したジム・スネイブ(Jim Snabe)が加わり、会社のリーダーシップが強化されました。ジムは、C3.aiを世界的なエンタープライズ・ソフトウェアのリーディングカンパニーとして確立するために、しばらくの間、当社のアドバイザーを、ええ、しばらくの間、私のアドバイザーを務めてくれているので、信頼できるアドバイザーとして頼りにしてきました。彼は、当社に独自のリーダーシップスキルと専門知識をもたらし、当社の世界クラスの取締役会に大きく貢献してくれています。
さらに、お客様との関係を築き、国内や業界での存在感を高める上で非常に重要な役割を果たしてきたグローバルアドバイザリーボードの拡大も続けています。諮問委員会には、欧州復興開発銀行の創設者で初代総裁、元フランス大統領特別顧問のジャック・アタリ( Jacques Attali)氏、英国議会議員で元内務大臣(Sajid Javid)、元財務大臣のサジッド・ジャビット氏、オバマ政権の元米海軍次官補デニス・マッギン(Dennis McGinn)提督、オバマ政権の元NSA副長官リック・レジェット(Rick Ledgett)氏、欧州SAPの元社長フランク・コーエン(Franck Cohen)氏、Alteryxの元社長兼COOジョージ・マシュー(George Matthew)氏などです。さて、金融チャンネルをご覧になっている方、Wall Street Journalをご覧になっている方、Financial TimesやBloombergをお読みになっている方は、私たちがグローバルなブランディングのための投資を行っていることにお気づきだと思います。
また、企業向けAIブランディングキャンペーンを拡大し、ケーブルテレビやラジオでも、米国および欧州の主要なビジネス・金融ネットワークのほぼすべてでスポット放送を行い、プレゼンスを高めました。また、米国だけでなく、英国、EMEA、APACでも広告を展開しました。当社は、エンタープライズAI市場のリーダーとしての認知度を高めています。ブランドエクイティとブランド認知度の先行指標として、PR量、広報量、ニュースのセンチメント、ソーシャルメディアのセンチメント、インターネット検索頻度などが大幅に増加しています。
エネルギー・サステナビリティについてお話しましょう。エネルギーとサステナビリティの市場が戻ってきており、言っておきましょう、火を噴いています。そのため、エネルギーとサステナビリティの市場では、AIを活用したソリューションへの関心が高まっています。この市場は強力に復活しています。
昨年だけでも、ネット・ゼロ・エミッションの達成を約束した企業や政府の数は倍増しています。ENGIE、シェル、ベーカーヒューズ、マイクロソフト、アマゾン、フォード、BP、ジェットブルー、アメリカン航空などの企業がゼロカーボンコミットメントを発表したのを、間違いなく皆さんも目にしていることでしょう。また、米国の新政権にとってサステナビリティは明らかに最重要課題であり、気候安全保障へ$2 trillion(2兆ドル)の投資を目標としています。
C3.aiは、この分野のリーダーです。エネルギーと気候の持続可能性は中核市場であり、皆さんの多くがご存じの通り当社は2010年に最初の製品であるC3 Energy Managementの提供を開始しました。この製品は、ENGIEやNew York Power Authorityなど、世界中の多くの大企業に導入されています。フォーチュン100社を代表する企業は、2012年から顧客になっています。彼らは意欲的なサステイナビリティー目標を設定しており、当社のエネルギー管理アプリケーションを使用して、世界中でエネルギー効率と炭素削減のための投資を特定し、優先順位をつけることで、気候変動に対する目標を達成しようとしています。
多くの電力会社がC3.aiテクノロジーとC3 Energy Managementを利用して、自社のエネルギー使用量の最適化やグリッドインフラの最適化だけでなく、顧客のエネルギー効率や温室効果ガスの目標達成を支援しています。その好例がNew York Power Authorityで、C3.ai Energy Managementをサービスとして展開し、大規模な商業顧客、産業顧客がエネルギー効率と温室効果ガスの目標を達成できるようにしています。また、当社のエネルギーパートナーであるENGIEとともに、C3 Energy Managementを活用した革新的なソリューションを提供しています。例えば、オハイオ州立大学は、C3.aiの技術をベースにしたENGIE Smart Institutionsを導入し、コロンバスにある485棟のキャンパス全体のエネルギー使用量と二酸化炭素排出量を削減・管理しています。
また、ENGIEと共同で、スコープ3排出量を管理するという非常に難しい課題に対応する斬新な最先端のソリューションを開発しています。この問題は全く新しい技術的なアプローチが必要です。第3四半期には、C3.ai Digital Transformation Instituteへの投資を大幅に拡大し、AIとデジタルトランスフォーメーションをエネルギーと気候安全保障に適用する革新的な研究に資金を提供するため、新たな論文募集を行いました。私たちは、より安全でクリーン、低コストでより信頼性の高いエネルギーを実現することで、低炭素の未来への道を切り開くことに貢献する、この次の研究の波をサポートできることを大変うれしく思います。私たちは、この新しい機会に対して非常に有利な立場にあります。
皆さんの多くは、C3.aiがグラスドア(Glassdoor)からパンデミックの間で「最も働きやすい職場」として評価されたことをご存知でしょう。C3.aiは、COVID危機の際に、従業員満足度の高いクラウドコンピューティング企業トップ25社の中にランクインしました。このランキングは、パンデミックの最初の6ヶ月間にグラスドアを通じて提供された従業員のフィードバックに基づいています。興味のある方は、ぜひグラスドアをご覧になって、C3.aiの従業員のエンゲージメントと熱意の高さを感じ取っていただきたいと思います。
ご存知の通り、C3.aiでは人的資源を非常に重視しており、積極的に会社を拡大しています。12月に株式を公開してからわずか数ヶ月で、従業員数は約10%増加し、現在は約560名となっています。C3.aiは、世界のデータサイエンスおよびデータエンジニアリングのソフトウェアプールから大きな関心を集め続けています。第3四半期には、17,000人を超える応募者がありました。
1,700人以上の候補者と3,966回の面接を行い、約700の評価を実施しました。その結果、60名の正社員を採用し、さらに57名の内定者の承諾を得ています。C3.aiのユニークな点の一つは、当社の明確な技術と製品の差別化です。当社は、営業秘密、著作権、商標、さらには米国および外国の特許を組み合わせて、当社の知的財産を保護し続けています。
米国および国外で13件の特許を取得し、米国および国外で40件の特許を申請中です。先日、米国特許庁より、Systems, Methods, and Devices for an Enterprise AI Application Development Platform(エンタープライズAIアプリケーションディベロップメント プラットフォームのためのシステム、方法、デバイス)と題した広範かつ重要な特許を取得しました。この特許は、当社がこれまでに取得した特許の中で最も重要かつ実質的なものです。この特許は、エンタープライズAIアプリケーションにモデル駆動型アーキテクチャを適用するための基本的な概念を、C3.aiの知的財産として確保したものです。私たちは現在、C3に技術ライセンスオフィスを設立し、この知的財産の一部を、エンタープライズAIアプリケーションを社内で開発することを選択した企業にライセンス供与しようとしています。大局的に見て、私たちが提供するソリューションであるエンタープライズAIソフトウェアへの関心は強固で高まっていると考えています。
当社は、エンタープライズAIにおけるグローバルリーダーとしての地位を確立・維持するという目的において、あらゆる面で大きな進展を続けています。当社は、積極的に会社を成長させ、業界や地域にまたがって事業を多様化し、パートナーエコシステムを拡大し続けています。私たちは、$200 billion(2,000億ドル)を超えるこの獲得可能な市場機会に対応するために非常に有利な立場にあると考えており、私たちはまだ始めたばかりです。それでは、CFOのデビッド・バルター(David Barter)に第3四半期の財務状況の詳細を報告してもらいます。
デビッド?