『あぱとぅん』3Dオブジェクト上に線を描いた
いまデザイン作業を進めているキャラクター『あぱとぅん』の制作進捗。
『あぱとぅん』の企画では、僕がデザインしたキャラクターをぬいぐるみやパペットにしていきます。 今までそういうものを作るときには発泡スチロールなどから削り出した原型に立体裁断の手法で布を沿わせていって型紙を作っていました。
それを踏襲してもいいんだけど、それだとものすごい量の削りカスが出てしまうし、形を大きく修正したければまた新たに原型を作ることになってしまう。 なんかそういうのってもう違うよなって思うんですよね。
そこで、いい機会だし興味もあるから3Dモデリングを勉強しながら型紙作ってみよう!ということにしたんです。
初めて触るいくつかのアプリに苦戦しながら進めているんだけど、まずはデジタルペイントでキャラクターのデザインを描いて、次にスカルプトという粘土細工の要領でモデリングする手法までは多少慣れてきた。
これが以前も載せた、スカルプトで造った3Dモデル。
まぁなんとか形にはなってますね!
さて、このあと別のアプリにこのデータを持って行って次の工程に入るわけです。
次の工程は……型紙として展開するためにはこの立体モデルを分割しなきゃいけません。 発泡スチロールの原型のときも、立体裁断をする前にペンなどで大体のアタリをつけるんです。 3Dでもほぼ同じことができるんですねー!
これがアタリをつけた状態。 赤い線がパターンの分割線になるところ。 (裏側になるところも透けて見えているのでちょっとわかりにくい)
よし、じゃあ早速この3Dモデルから型紙を作って布での作業に移るぞ!……とはいかないんです。
なにしろNomadSculptからエクスポートしたデータをBlenderで読み込んでからここまでにいろいろ躓いて、調べながら試行錯誤してたから2時間以上かかっちゃった。
じゃあ次は立体裁断? そうなんですけど、その前にまた大きな壁というか、すごく面倒な作業が待っているようなんですよ。 それは "リトポロジー" と呼ばれる工程です。
ちょっとこの画像を見てもらいましょう。
"リトポロジー (Retopology)" というのは、デジタルスカルプトで作成されるような複雑で密度の高いポリゴンモデルを単純な構造のモデルに作り変えることを言います。
上の画像を見てください。 これはスカルプトで作成した3Dモデルを拡大したものですが、非常に細かいメッシュになっているのが分かりますね。(これでもリメッシュという作業である程度は整えてあります) しかも、その網目は複雑に向きを変えながら曲面を覆っているので、これを切り開いても綺麗な型紙にはならないんです。
というわけで、リトポロジーという工程が必要なんだけど、これがなんとも面倒な作業らしい。 自動でパパッとやってくれるわけじゃないんですよ。 そういうの嫌いじゃないから割と楽しみなんですけどね!
ここまでが進捗です。 なかなか険しい道のりのような気配をビンビン感じますが、なんとか完成まで漕ぎ着けたい!
次回の進捗をお楽しみに。