【work】 フリルとドレープのTシャツ
僕は服飾専門学校に通っていたんだけど、それよりずっと前の小学生の頃から布と針を使って縫い物をするのが好きでした。 今回は、過去作品から布をモチーフにしたデザインを3点紹介。
『フリリング』では、シーチング(元々シーツ用につくられた少しざっくりとした質感の平織り生地)を用いてピンタックとフリルをランダムにレイアウトしたパネル状の作品を元に、写真を加工してデザインを作りました。 こんなふうに服のディテールを服の機能や装飾とは関係なく作品上に配置するのは面白いです。 今後の創作活動の中でも服のディテールをモチーフにしたパネル作品などは作っていきたい。
このデザインは白地にモノクロのプリントがシックな印象なので、性別問わずカジュアルにもモードにも対応できるアイテムになりました。 僕自身も気に入っていてよく着てましたねー。
同じモチーフを流用して、同時にもうひとつのデザインを作りました。
こちらは先の『フリリング』と同じパネル作品をモチーフとしていますが、デザインを作る工程の中で画像加工中にイエローを強めるとピンタックの部分が歩道の点字ブロック(視覚障害者誘導用ブロック)に見えてきました。 そこでカメラを手に街へ出てみたら、劣化の具合が布のピンタックの撚れ具合とよく似た風合いになりそうな点字ブロックの列を見つけたんです。 両者を切り抜いて組み合わせてみたら、コラージュ具合がちょっと不思議な質感を醸し出して凄くイイ感じだったのでそのままデザインとして採用することにしました。
フリルをモチーフにした2点の他に、もうひとつ布をモチーフにしたデザインがあったので併せて紹介。
これは、窓に掛かったカーテンのドレープを見ていたときに、透ける光と折り重なる布地のグラデーションがとても綺麗で、その様子をどう言語化したらいいかと考えていたら2進数の単純ながらも非合理的な表現がなんとなく、揺れる薄い布地と透ける光によって隔たれた外の世界と部屋の中との関係性を表すのに向いているように思えてきました。 結果、導き出したメッセージは「I love you」を2進数で表現したもどかしいものに。
僕は布地を扱うことが好きで色々やってきた割に、デザインのモチーフにはあまり布を扱っていなかったんですね! 今後の創作では積極的に布と糸と針を使っていきたいなぁ。
次回はあやつり人形を紹介したいけど、できるかな?(素材が集まれば紹介します)
サポートしてくれる人が増えると、新しい作品を作る余裕も出てきます。余裕は新たな可能性を見出す機会をもたらしてくれますね。新たな可能性からは今までと違った視点も生まれるかもしれません。