ぬいぐるみの手はとても大事
そう、子供たちはぬいぐるみと手を繋ぐから。
1歳児が発した謎の言葉『あぱとぅん』から発想したキャラクターをぬいぐるみ化するチャレンジ中。 試作第2トライアルの最中です!
僕の知っている範囲では、大抵の子供はぬいぐるみを抱きしめるのと同じくらいの頻度で手を繫ぎたがります。 そのぬいぐるみの手が丸ければそれを包み込むように。 そのぬいぐるみの手に人間と同じように指が作られていれば指と指を交互に絡ませるようにしてみたり、握手のようにしてみたりと色々試す様子も見て取れるんですよね。
僕は、ぬいぐるみを作るうえで顔の表情を刺繍やプリントではなく造形で表現したいとひとつ前の記事で書いたんだけど、手に関してもきちんと造形したい。
参照: ぬいぐるみも顔が命
とはいっても大きさには制限があるだろうから今回の試作では第1トライアルのときよりひと回り小さく作ってみました。 第1トライアルは身長18cmほど、今回は15cmほどで、手の大きさは第1トライアルの手のひらが幅4cmほど、今回は3cmほどになりました。
もう少し小さくても縫えないことはないけれど、縫い代を考えるとかなり難しくなるので楽しくはないだろうなと思ってこのくらいのサイズでテストしています。
さて、縫い上げたところを見てみましょうか。
まだ中綿を入れていない状態ですが、ほぼ手の表情が見て取れますね。 こういうところがちゃんと出来ていると3Dモデルからの型紙起こしを頑張って独学してよかったなぁと嬉しくなります!
ちなみに、本来はフェルトの場合シーム部全て伸び止めテープで補強したほうが良いと思うんだけど、今回は最低限の部分のみとしました。(素早く縫い上げたくて省略しちゃいました)
続いて、中綿を入れた状態も見てみましょうか。
いいですね!手のひら側を分割して立体を作っているので甲側にはシームが出ないようになっています。
実は第1トライアルで手の造形にはかなり手こずりました。 何度も試作を繰り返している理由のひとつが “手” です。 3Dモデルから起こした型紙は、実はこのキャラクターの手に関してそのままでは使い物になりません。 いくつか分割方法を試したんだけど、最適解と思われる現在の分割でもそのまま出力された型紙は到底使えない。 それは布地の特性を無視しているからです。 つまり、縦横の糸を考慮していないから縫い上げたら捩れたりしてまともな形にならないというわけ。
前回のトライアルでも一度フェルトで試作しましたが、その時も満足行く仕上がりではありませんでした。 今回は最初にフェルトで試作しているのですが、現時点で過去最高の出来栄えです!
手と口元という2つの重大要素をなんとかクリアした試作第2トライアル最初の1体。 次回、仕上がりをご覧ください。