『人体、なんでそうなった?』の読書メモ
『人体、なんでそうなった?』(2019、ネイサン・レンツ=著、久保美代子=訳)を読みながらとったメモ。
進撃の巨人最終盤のネタバレがあるので注意。
人体のもついろんな欠陥をカタログ的に紹介する本。まず大雑把な感想として、面白かった。
1番みんなが読むであろう1章で、1番キャッチーな形質的な欠陥を紹介していて上手いなと思った。
1,2,3,4章とエピローグが好き。中でも3章の、鎌状赤血球症とハンチントン病についての箇所が特に印象的だった。
数々紹介される可笑しな人体の欠陥そのものも面白いんだけど、それらの後に書かれる、そういった欠陥が生み出された原因を進化論の観点から説明する部分こそがこの本の本当に面白い部分だと思った。
語り口が優しいし話が上手いから、それが既知の情報であっても単純に読んでて楽しかった。
1章以降、読んでる間の個人的な感想はこうやって書きます。メモを読み返して得た感想は追記として書き込んであります。
1章 余分な骨と、その他もろもろ
脊椎動物の網膜の光需要細胞は後ろ向きについてる。タコなんかの頭足類はちゃんと前向きについてる。
なんかこれは聞いたことある。
人は廃液を集めるパイプの一つが副鼻腔の上に位置しているので、排出が難しくて鼻炎が起こりやすい。
反回神経遠回りしすぎだろ。声帯を司る神経。脳と喉頭を繋ぐのに、なぜか大動脈をくぐってる。我々が魚だった頃にはこの神経がエラと脳を繋いでいたのが原因。つまり全ての脊椎動物がこの欠陥を引き継いでいる。
めっちゃ面白いんですけど。
確かに「人体、なんでそうなった?」だわ。
首とかいう部位、重要性の割に脆すぎわろす。
あと、吸気と呼吸が同じ管を行き来してるのも効率悪すぎ。鳥は気道が2レーンに分かれていて、呼気と吸気が一方通行で流れていく。
てか空気と食事を同じ管で運んでるのヤバすぎ。窒息のリスク馬鹿たか。
二足歩行にも全然適応してない。
前十字靭帯は直立歩行の負荷に耐えきれてない。二足歩行を始めてから、人間は衝撃を筋肉じゃなくて骨で吸収するようになった。(足の骨がまっすぐなのはこれ)でも膝に急に負荷がかかると、骨を繋ぎ止める靭帯が切れる。
スポーツマンがよく前十字靭帯を切るのはこれ。靭帯は鍛えられないので対処法は減量以外にない。
アキレス腱も唯一無二性に対して無防備すぎ。これが切れたら足首は全く動かなくなる。
長時間立ち読みしてる時なんかに腰が疲れるのは背骨のS字カーブのせい。
人間の椎間板はゴリラのようなナックル歩行者に最適な状態に調整されてる。
即死だけを避けて弱攻撃は無視って感じだよな。進化。
人間の骨多すぎ。骨を増やすのは得意でも、減らすのは苦手らしい。
手首足首に意味のない骨多すぎ。
(図を見て)確かに。レゴブロックみたいになっとるやん。こんなん絶対一つにまとめた方がいい。
尾骨は完全に無意味。
前腕、下腿の骨が対になってるのも意味ない。
前腕の二本の骨はひねる動作を可能にするけど、下腿は別にひねれない。上腕だって、別に骨だけのおかげでひねれるわけじゃない。肩や股関節は骨が一本だけど肘以上にひねる動作が得意。
人間以外にも無駄な骨はある。
一部のヘビには骨盤の痕跡がある。益はないけど、害もないので何となく残ってる。
かつて日本で後ろビレのあるイルカが見つかった。進化はときに急激に進むし、ときにその進化が元に戻る個体も出てくる。
2章 豊かな食生活?
バランスの良い食生活をって言うけど、犬は肉と米だけでも平気。
必要な食物の種類が多いのは我々の体ができそこないだから。
・ビタミン
ビタミンCがないとコラーゲンが作れない。コラーゲンがないとECMが作れず体が崩れていく。ビタミンCを作れないのは霊長類とモルモット、オオコウモリくらい。
なぜ作れない?ビタミンCを作るための遺伝子の1つだけがかつてのどっかのタイミングで壊れた。GULOって遺伝子。
普通は生死に直結するような変異は、子孫に受け継がれない。(だって子を成す前に死ぬから)でもその時、我々は熱帯雨林に住んで柑橘類を多く摂っていた。
マジかよ。その理由面白すぎだろ。
ちなみにオオコウモリ、彼らは英語ではフルーツコウモリって呼ばれてる。
カルシウムを吸収して骨を作るのに必要なビタミンDも作るのは難しい。ビタミンDは皮膚に日光が当たると作られるけど、我々は室内で暮らし、服を着ている。
ヴィーガンはビタミンB12を欠乏しがち。
人の細胞よりも、人の大腸内の細菌の数の方が多い。ビタミンB12は大腸菌が作ってる。それは草食動物も同様。でも人間が栄養を吸収するのはその手前の小腸。
なんだその可愛いおマヌケな欠陥。
・アミノ酸
全ての生命体は20種のアミノ酸を使ってタンパク質を組み立てている。
アミノ酸はビタミン以上に作るのが簡単なのに、我々はその内の9種類を作り出す能力を失った。
飢饉の最大の死亡要因はカロリー不足ではなくタンパク質とアミノ酸の不足。
・ミネラル
カルシウム
乳児はカルシウムを60%吸収できる。でも成人が吸収できるのは20%程度、歳を取ると10%以下まで落ちる。そのとき、我々は必要なカルシウムを食事からではなく骨から引き出す。→骨粗鬆症
鉄
人は植物から鉄を吸収するのが苦手。鉄欠乏による貧血は致命的。
そして、なぜ人間がこんなに鉄を取り込むのが苦手なのかという理由はまだ解明されていない。
3章 ゲノムの中のガラクタ
これはなんか聞いたことあるぞ。ジャンクDNAとかだよな。確かミーム論の本で読んだはず。
意味を持つ遺伝子の数は約23000個、文字数にして2億字。
哺乳類は大体2〜2.5万個。線虫もそれくらい。
97%は意味をもたない。
当然97%のジャンクDNAを複製するのにも時間、エネルギー、材料を使っている。
PCやらスマホやらのストレージが気になる人間からすると、この事実はちょっと気持ち悪いな。一旦リフレッシュしたい。この欲求って優生学に繋がる?
ジャンクDNAがあっても即時的な問題はない、だからジャンクDNAが排除されることはない。
進化は近視眼的に進む。
偽遺伝子
ぱっと見遺伝子に見えるけど、その実機能してないコード配列のこと。かつては機能していた遺伝子が変異した成れの果て。
変異はランダムだから、偽遺伝子が元に戻ることはまずあり得ない。ヒトゲノムには2万近くの偽遺伝子があるんじゃないかって推定されてる。
鎌状赤血球症
即座に生存を脅かすような遺伝子疾患は基本的に後の世代に受け継がれることはない。(子を作るまで生き残れないから)なんだけど、例外もある。というか、ほとんどの遺伝子疾患はある理由で生き残っている。
例えば鎌状赤血球症。赤血球の形がなんか消しかすみたいな形になってる。
この遺伝病が何で淘汰されてないかっていうと、これが潜性遺伝だから。
物理選択だったけどメンデルの法則は覚えてるぞ。ハリーポッターと合理主義の方法でも出てきてたよな。あの二次創作では魔法使いとしての才能は潜性遺伝で伝わるって理屈になってて、それによってスクイブや、マグル生まれの魔法使いの存在を説明していた。
しかも、この遺伝子疾患のキャリアはマラリアに強い抵抗力を持っている。
キャリアの赤血球の形は正常な赤血球の形とは微妙に異なる。マラリアを引き起こす寄生虫は、この微妙に変形した赤血球には寄生できない。
鎌状赤血球症を引き起こす遺伝子の世界分布とマラリア原虫の分布をマッピングすると、両者は著しく重複している。
しかしマラリアよりも疾患の方が危険なはずなのに疾患が残っているというのは不合理だ。
このことは、多くの農耕以前文化の社会が一夫多妻制であったということから説明できる。
ある雄が他の雄を蹴落として集団のリーダーになる上では、マラリアを受け付けないキャリアである方が有利だ。
そして仮に子供に遺伝子疾患が起きたとしても、リーダーの雄は他にも多くの子供を作っているので、その雄の遺伝子は残る。
おもしれー。何なんだろうなこの面白さ。一見不合理にみえる事象を引き起こす理屈を知る面白さって感じか。
ハンチントン病
顕性変異によって引き起こされる疾患もある。この場合、どちらかの親から一つ該当遺伝子を受け継ぐだけで病気が引き起こされる。
例えばハンチントン病。これは40代前半から50代後半で発症する。すると中枢神経が悪化し、5年から10年かけて記憶障害から麻痺、植物状態と症状が進み、最終的には昏睡状態になって死ぬ。
現時点で回復させる方法はないし、進行を遅らせる手段もない。
なぜこの病気が今もなお淘汰されていないのか。
「答えは、ハンチントン病それ自体と同じくらい残酷なものだ。ハンチントン病が発症するころには、生殖に適した年齢を過ぎているため、多くの人がその疾患の遺伝子をすでに子に受け渡してしまっているのだ。」
うわー、これだわ、これ、この残酷さ。子を成した後の個体に対する遺伝子の無関心さ。
認知症だったり、老衰で泳げず沈んでいく鯨だったり、そういうことを考えると気が滅入る。
何の気なしに棚からとってパラパラめくってたら丁度この文章が目に入って、これは読まなきゃって思わされた。
追記1
進撃の巨人が最後に叩きつけた回答は、この利己的な遺伝子の無関心をはじめとした、適者生存というシステムの無情なまでの明快さ、生命という存在の報われなさに対しての答えなんだと僕は理解している。
ミカサの「世界は残酷だ」というセリフは形を変え意味を変え、最終的にジークとアルミンが辿り着いた答えに繋がっていく。
(念のため、増える性質を持った物が増えていくのは唯の現象に過ぎず、それは我々個人の人生の意味だとかとは全くの無関係だ、ということはリチャードドーキンス自身も言っている)
追記1.1
進撃の巨人で1番好きなのが「道」でアルミンとジークが対話するあのシーンなんだけど、あそこで大事なのは、アルミン達の要請に対してベルトルトをはじめとした先代の継承者達が言葉を返さないことだ。
彼らによってアルミン達の決心が正しいと承認されることはない。アルミン達が死者に勝手に語りかけているだけだ。
ジークが最後に辿り着いた人生の意味だって別に世界の真理というわけではない。生まれて死ぬしかない命が、せめてもの慰めにその一生に意味を見出そうとしているだけだとも言える。
増えるのだけが生命の目的だという論も、生命はそれだけのものじゃないという反論も、同じレベルに存在している。(と僕は思っている)
彼の答えは彼自身のものでしかなく、だからこそこちらの胸を打つ。それが正解ってことじゃなくて、それを信じた、それを信じたがったってことだから。
ウイルス
中には精子、卵子に寄生するウイルスもいて、その場合、生まれてきた子供は全身の細胞にウイルスのゲノムを抱えている。
転移因子
細胞分裂のときにゲノム上の位置を変えて動き回るDNA
バーバラ・マクリントックが、この存在を仮定すればとうもろこしの葉に遺伝する縞模様の説明ができると理論立てた。
何じゃそりゃ!!そんな勝手が許されるんですか!?
Alu因子なんかは、すげーいっぱい転移しまくっていて、ヒトのゲノムにはこれのコピーが100万もある。
リチャードドーキンスの『利己的な遺伝子』について言及してる!
Alu因子はいろんな遺伝子の間に挿入され、ときに遺伝子をズタズタに引き裂く。
それでもたまにヒトに恩恵をもたらしたりもする。例えば三色型の色覚はAluの恩恵。Aluが複製されて飛び出ていくときに、一緒に色覚を司るコード部分も複製されて、二つだった色覚遺伝子が三つになった。
4章 子作りがヘタなホモ・サピエンス
人間の繁殖の効率は他の哺乳類と比べて著しく低い。
女性の不妊に対する治療として、生殖周期を正常にするためにホルモン注射を使うことがあるんだけど、効果が高く、一度に2個以上の卵子が放出されることになる。その結果、欧州や欧米では二卵性双生児の率が著しく増加してる。
他の多くの動物と違って、排卵のタイミングが見た目からは分からないのも繁殖力の低さに繋がっている。
あー、確かに。何でだろ。
筆者は適応の結果なのかもって考えてる。もしいつ排卵しているかが明白だったなら、古代の一夫多妻制の社会において、雄は排卵している雌だけと性交できて、子孫のために投資する必要がなくなる。排卵しているかどうかを隠すことで男女の絆を長期化できて、子孫に向けて父系の投資が促される。
子孫を残そうとする群れのリーダーの雄からすれば、排卵している雌だけを選んで遺伝子をばら撒くのが有利なんだけど、実際に子孫を作り出す能力を持っている雌の立場からすれば、排卵しているしていないに関わらずサポートしてもらった方が生存に有利。みたいなことかな。
面白いね。雄側と雌側で利益相反が発生してるんだけど、繁殖力により大きな影響力をもっているのは雌なので、雌側に有利になるような形態へと進化していった。
ん?でもライオンとかも一夫多妻制だよな。ライオンはどうなんだ?この理屈だとライオンの雌も排卵のタイミングを隠した方がいいってことになるよな?
例外の一国を除いた主要先進国の乳児死亡率が0.5%をわっている中、その例外の一国である米国の乳児死亡率は0.58%。これはキューバとかよりも高い。(日本は0.2%)
その原因は2つ、頻繁な分娩誘発剤の使用と帝王切開の過剰な実施。帝王切開が多く行われる理由は、必要な帝王切開が行われなかった場合に弁護士に訴えられるから。
卵巣は物理的に卵管と繋がってない。
これはマジでなぜ?小学校のときだったか、保健の教科書で図を見てすげー謎に思ったのを思い出したわ。
ときどき、卵子が卵管ではなく腹腔に落ちることがある。しかし数日たてば卵子は死に、腹膜に吸収される。
しかしほんとうにレアな状況ではあるものの、その数日の間に精子が現れて、卵子が受精することがある。
その結果、胚は成長のプロセスを開始し、その辺の組織──腹膜だったり、漿膜だったり──にトンネルを掘り出す。
これが腹腔妊娠。
超音波検査で見つけられて取り除かれたりするけど、極たまに腹腔の胚が20週まで達し、手術によって出生することもある。
石児
死んだ胚が母体を傷付けず、また再吸収もされず、流産や死産として排出もされなかった場合、母体は羊膜の外側と胎児を硬い殻で覆って石灰化する。
これはこれまでの歴史で300例ほどしか記録されていない。
すげ〜。
最近、シャチとゴンドウクジラにも閉経期があることが分かった。
単純に繁殖の機会を減らす閉経期というシステムは自然選択が作用する方向に沿ってない。
この謎への解答として考えられてるのが祖母仮説。
閉経によって孫の面倒を見るように目標を切り替える。
これは聞いたことあるぞ。女性の方が平均寿命が長い理由を説明する仮説として語られてた。
それに対して呈される疑問が2つ。
まずは、閉経期の来た祖母が孫の世話をすることで残る子孫と、閉経期のない祖母が子を産み続けることで残る子孫を比べたときに、本当に前者の方が有利なの?
もう一つの疑問はもっとクリティカル。祖母による世話がそんなに優秀であるのなら、なぜ人以外の社会的動物には閉経が見られないのか。
ふたつ目の疑問への答えとして考えられるのは、人間の社会が特殊であるということ。人間の社会には細かい役割分担が存在する。みんなは共同体を支えるために役割を果たす。そして、協力すると同時に互いに競争もしている。
共同体での子育ては、つまり子育ての負荷をみんなで請け負うということで、このときある母親にとっては、他の母親より多くの子供を作ることが有利な選択になる。
しかし、我が子の数が増えるに従って、我が子同士が競争することになる。子を増やすことが繁殖にもたらす利は減っていく。その場合既にいる子にもっと手をかける方が効率的である。
最近閉経期が確認されたシャチに関して。
シャチは小さなグループで狩りを行うんだけど、そのグループのリーダーは閉経期の雌が担うことが多いらしい。狩のメソッドを若い個体に伝えてて、祖母仮説に則っている?
うーん、いまいち腑に落ちない。集団内で協力と競争が同時に行われていることが重要だというのは分かるけど、それって細かい役割分担がある社会特有のものなのか?細かい役割分担ってなんだ?シャチの閉経も同様の祖母仮説で説明できるのだとして、じゃあライオンも閉経して然るべきじゃないの?
5章 なぜ神は医者を創造したのか?
自己免疫疾患とアレルギー、癌について書いてあった。
あんま面白くなかった。
筆者が、飛行機で隣合わせた神父さんと癌について会話したエピソードがかっこいい。ファイトクラブみたい。出入国カードの書き方を教えてもらったことならある。
6章 騙されやすいカモ
ほぼ『ヒトの目、驚異の進化』と『影響力の正体』の範囲内の内容だった。
それ以外で面白かったのは
ハンディキャップ原理
若い成人男性がバカバカしい危険な振る舞い(喫煙)をする理由は、その振る舞い以上にバカバカしい。
彼らは「私は強いから、こんな危ないことをしてもぜんぜん平気だ」と周囲に示すために愚かな行動をとる。
この目的は、生物のコストリーシグナルと合致してる。
鹿の大きな角や、孔雀の大きな尾がそれ。
人が二面性を持つ理由。
このトピックは表現が詩的で、読んでいて心が動かされた。
追記2
人間、というか生命が普遍的特性として持つ利己主義と利他主義の二面性は、『三体』のメインテーマにもなってる。
なのでヒグチアイの「悪魔の子」(進撃の巨人のED)は実質的に三体IIIの主題歌でもある。(改めて聴いてるけど、この曲素晴らしすぎる)
「全ての終わりに愛があるなら」と歌う宇多田ヒカルの「桜流し」(エヴァQの主題歌)も三体IIIの主題歌になる。
三体IIIを読み終わった後、なんとなく聴いた『桜流し』でラストを思い出して号泣した思い出がある。
我々の祖先が協調のために使っていた共感能力は、あるとき、競争の為の武器としても使われるようになった。
同じ回路が善と悪どちらの目的でも使われうるってのはハリーポッターと合理主義の方法でもあったよな。
エピローグ 人類の未来
自然選択がなくなったとしても、人類は未だ進化していると言える訳。
繁殖がランダムでなければその種は進化しうる。
そして偏りは存在する。
それは例えば、先進国の出生率の少なさだったりする。
他にも、より裕福でより教育を受けている社会的地位の高い人は繁殖を控える傾向にあり、低い人は多くの子孫を残す傾向にある。
26世期青年じゃん。
また、宗教だったり政治的な信条も繁殖率に影響を及ぼす。
フェルミのパラドックス
この不気味さ好き。
考えられる1つ目の回答
宇宙人はその存在を我々から隠している。
三体Ⅱでもフェルミのパラドックスへの地獄のような回答が示されてたけど、それはここに該当するな。
その中でも極端なのがプラネタリウム仮説。我々の活動領域の周りに保護領域のようなものが作られ、地球外の文明の発する痕跡がフィルターで取り除かれている。
宇宙消失のギミックはプラネタリウム仮説を発展させたものとも言えるか。
2つ目の回答
生命は宇宙の中で比較的ありきたりな存在だけど、すぐに現れては消えてしまうので、それらが存在している時期が重ならない。
他の惑星にもし生命がいたとして、彼らも自然選択によって多かれ少なかれ我々の進んだ道と似たような道を進み、似た危険(自身の野心に起因する危険)に直面するのだろう。
複雑系生命科学の序章を思い出す。この学問が考察する対象には、他の星の見たこともない生命も含まれてるとかなんかそんな感じのやつ。
進化は近視眼的。このことは全宇宙に共通する大原則。
訳者あとがき
中国のゲノム編集ベビーについて言及してる。
おれも読んでる最中に思い浮かべたわ。