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「ロボコップ」感想
終わり過ぎてる町を、サイボーグ警官がもっさり駆ける。
近未来のデトロイト。警察の運営を任された巨大企業は、乱発する凶悪犯罪に対抗するロボットの研究を進めていた。そんな中、地元の警官が殉職。彼はサイボーグ警官「ロボコップ」に改造されてよみがえる。
(Googleのあらすじより)
ヒーローが、事故や、何者かの悪意によってではなく、巨大企業内のパワーゲームの中で生み出されたってのが面白い。
ロボコップの創造主は神的な存在ではなく、良い人間というわけでもなく、邪悪ですらなく、虚栄心の強いクズ。
前半部分ではロボコップに感情がないから、ドラマが生まれる余地がないのも面白かった。暴漢から救い出した女性に抱きつかれても、事務的に「センターに電話してください」とか言っちゃう。
結局最後まで規則4(オムニ社の重役には逆らわない)に縛られたままなロボコップ。ルールに違反してでも自分の正義を貫く!とかじゃないんだ。
人格を取り戻したとはいえ、あくまで彼は人間ではなく、ロボコップだと言うことなのか。それとも彼は人間として復活したが、人間もルールの中でしか生きられないってことなのか。
これに関しては前者なのだろうと思う。
この映画において、人間がルールに反抗できる存在として定義されているのは、警官達がストを起こす描写などから明らかだ。
今回は1番の権力者である会長が善人だったから良かったものの、ルールに逆らえず、しかし人格を持っているロボコップはいずれ、自らの正義に反する行為を強制され、悲劇に襲われるんだろうなって感じもする。
続編が気になるけれど、評判が悪いみたいなので見るかどうかは微妙。
・時おり挟み込まれるニュースやCMでも表現されるこの世の終わりっぷり。ロボコップ化手術のシーンといい、悪趣味な世界観が良い。
・規則4のせいでオムニ社の重役に手も足も出ないシーンがなんかエッチだった。
・アクションは激烈にショボいんだけど、ヒーローものを批判するパロディ映画みたいな感覚で見ていたのでそんなに気にならなかった。むしろ可愛いとすら思う。