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映画の感想

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#映画

映画アワード2023!

映画アワード2023!

今年見た新作映画は40本。
その中から際立った映画を表彰して行きます。
これをあーでもないこーでもないと考えるのが年末の何よりの楽しみです。

まずは部門賞を、次いでベスト10を発表します。

部門賞最高のはじまり部門

『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』より、若い頃の活躍から一転、落ちぶれまくった老人インディ。

『3時10分、決断のとき』や『ローガン』で、落ちぶれて誇りも失った男と、その

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『聖なるGOAL!』の感想。修道士×フットボール!

『聖なるGOAL!』の感想。修道士×フットボール!

修道院の存続のため、サッカー未経験の修練士達が聖職者のサッカー大会「チャンピオン・クレルム」での優勝を目指す話だ。

最近サッカーにもキリスト教にも興味を持っている。
そしてこれは興味のある2つを合体させた、嘘みたいにおあつらえ向きの映画。見るっきゃない。

感想さて見た感想を言うと、スポーツ映画としてはかなり微妙だった。
それは彼らが勝つ理屈が描かれないからだ。
メンバーの特訓や上達の過程が言い

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映画アワード2022番外編(旧作映画)

やっぱり旧作も表彰したいので、簡単にまとめておきます。

1位 ミッドナイト・ラン
2位 グッバイ、レーニン!
3位 ライフ・アクアティック
4位 26世紀青年
5位 あの夏のルカ
6位 劇場版 少女⭐︎歌劇 レヴュースタァライト
7位 君の名前で僕を呼んで
8位 はじまりのうた
9位 ブロークバック・マウンテン
10位 ノンストップ・バディ 俺たちには今日もない

どれも本当に面白かったんだけど

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映画アワード2022!

映画アワード2022!

その年みた映画を勝手に表彰していくというのを毎年やっています。
かな~り機を逸してしまった感があるけど、去年に引き続き今年もここで発表します。
いつもはその年に見た映画ならなんでもOKという無差別級方式でやっているんですが、ここでは今年公開された新作映画に絞らせてもらいました。
それでは早速表彰していきましょう。
まずランキングを発表してから、続いて部門賞を発表していきます。

2022映画ベスト

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「グッバイ、レーニン!」の感想。嘘についての最高の映画。

「グッバイ、レーニン!」の感想。嘘についての最高の映画。

親戚のおじさんは、壁の崩壊直後にベルリンに行ったことがあるらしい。まだ僕が生まれていない頃の話だ。僕にとっては教科書の中の出来事が、ある人にとっては個人史として記憶されているというのは不思議な感じがする。
ベルリンには僕も行ったことがある。おじさんが訪れてから30年近くが経ってのことだ。残った壁は平和を(風刺的に)訴えるグラフィティのキャンバスとして使われていた。

さて、「グッバイ、レーニン!」

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「素晴らしき哉、人生!」の感想

「素晴らしき哉、人生!」の感想

タイトルが良すぎる。映画のタイトルで1番好き。

見る前は、苦しい生活を強いられる市井の人々が、「それでも人生は素晴らしい!」と叫ぶ。
みたいな話だと思ってたけど、実際見てみたら、素晴らしい人生の持ち主が、「俺の人生って素晴らしい!」って叫ぶ話だった。

アメコミヒーロー映画。大学に行きたかったのに、社長にされちゃった主人公。可哀想に。(可哀想か?)
学問を志したかったのに、有能すぎて社長、ひいて

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「アラジン」実写版とオリジナル版の感想。

「アラジン」実写版とオリジナル版の感想。

アラジンを、実写版→オリジナル版の順で見たので、その感想を書きます。
どちらも見るのは初めてだったのでワクワクしながら見ていました。

実写版アラジンの感想オリジナルは、昔歯医者の待合室で部分的に見たことがあったかな?くらい。

面白かった。

何よりもまず
「『願い事を増やす』という願い事はNG」と、ちゃんと明言されていることに驚いた。
これまでの人生で、3つの願い事をどう使うかという議論には何

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「聖なる鹿殺し」は視線にまつわるコメディだ。

「聖なる鹿殺し」は視線にまつわるコメディだ。

嫌いな映画だ。しかし面白い部分もあった。
この感想は
①どこが嫌いなのか
②コメディとして面白かった部分
③どうしてコメディとして見ることができるのか
という順で書いていく。③だけ読んでもタイトルの意味は伝わると思う。

クソみたいな映画。コリンファレルが「は?知らねーよ、俺のせいじゃねーよ」って思えなかったのを、もしくは速攻で1番どうでもいい家族を殺せなかったのを弱さとしてずーっと描いてるだけで

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「最凶女装計画」の感想/"A Thousand Miles"とかいう神曲

「最凶女装計画」の感想/"A Thousand Miles"とかいう神曲

映画と曲の二本立てです。

「最凶女装計画」の感想45点

「黒人男性のFBI捜査官2人が、特殊メイクで白人女性になりきる」という話なんだけど、あんまり面白くなかった。

ハリウッドで行われてきた黒人のステレオタイプ表現の1つに、黒塗りをした白人が黒人を演じるというものがある。ブラックフェイスというやつだ。黒人の2人が特殊メイクで白人を演じる今作には、そんなステレオタイプ表現への意趣返しの意味が込

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「スクール・フォー・グッド・アンド・イービル」の感想。メタおとぎ話。

「スクール・フォー・グッド・アンド・イービル」の感想。メタおとぎ話。

おとぎ話をパロったような、程よくしょうもなさそうな映画だったので見てみた。(シャーリーズセロンが出てたから見たってのもある)
いざ見てみると、メタおとぎ話、もしくは思弁的おとぎ話論映画とでも言うべき映画だった。

ハリポタっぽい?いいえ、思弁的です。①魔法の学校で②生徒達が複数のチームに分かれている。という点で、ハリーポッターを連想するのはもう仕方がないことだと思う。
その上で、ホグワーツでは4つ

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「バッドキャット」の感想。

「バッドキャット」の感想。

以前どこかで予告を見たことがあって、その時に面白そうと思って、それっきり完全に忘れていたことを、アマプラで見つけたときに思い出した。
トルコの映画らしい。

主人公が魅力的な映画でした。どかっと便器に座ってタバコをふかす主人公の絵面で心掴まれた。
主人公の傍若無人っぷりがとても楽しくて、基本的に楽しく見ていられた。

1番好きなシーンは序盤の、シャムネコに迫ったらその子が死んじゃって、怒った飼い主

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「劇場版 ムーミン谷の彗星 パペットアニメーション」の感想。穏やかな終末。OOO的不気味さ。

「劇場版 ムーミン谷の彗星 パペットアニメーション」の感想。穏やかな終末。OOO的不気味さ。

ムーミンのことはほぼ知らない。ムーミン谷は人類滅亡後の世界で、スナフキンが人類最後の生き残りなんだっけ?と思っていたけど、今調べたらそれはただの都市伝説だった。

映画の感想をまとめると、とても不気味で面白い映画だった。

不気味な画面。今作のアニメーションはセルに人形を貼り付けるタイプのパペットアニメだった。
ストップモーションアニメとセルアニメの合いの子みたいな感じ。
しかし平面上で動かさない

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「モンスターズ・リーグ」の感想。ポストカンフーパンダ(になり得たかもしれない怪獣レスリング映画)

「モンスターズ・リーグ」の感想。ポストカンフーパンダ(になり得たかもしれない怪獣レスリング映画)

巨大怪獣達が、人間をコーチにつけてレスリングをする!って予告がめっちゃ面白そうだったので見てみた。

カンフーパンダっぽいな。何よりもまずカンフーパンダっぽいな〜と思った。コーチと選手が共に成長していったりとか、才能のない男が、長所とも思っていなかった自分の好きなことをうまく使って修行していくところとか。

これならカンフーパンダの方が面白いよな、と思っていたけど、見ているうちに意外と面白いことに

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「四畳半タイムマシンブルース」の感想!

「四畳半タイムマシンブルース」の感想!

四畳半神話大系は人生で5本の指に入るくらい大好きなアニメ。なのでこれも発表されたときからずっと待ちわびていた。
(サマータイムマシンブルースも見たことはあると思うんだけど、記憶はほぼ残ってない。)

最高の映画だった。懐かしすぎた。しかし無視できない汚点もあった。

最高の余談。四畳半神話大系(ここからは本編と呼ぶ)で語るべきことは全て語り終えてしまっているので、今作は続編ではなく、余談や番外編の

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