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映画の感想

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2022年11月の記事一覧

「グッバイ、レーニン!」の感想。嘘についての最高の映画。

「グッバイ、レーニン!」の感想。嘘についての最高の映画。

親戚のおじさんは、壁の崩壊直後にベルリンに行ったことがあるらしい。まだ僕が生まれていない頃の話だ。僕にとっては教科書の中の出来事が、ある人にとっては個人史として記憶されているというのは不思議な感じがする。
ベルリンには僕も行ったことがある。おじさんが訪れてから30年近くが経ってのことだ。残った壁は平和を(風刺的に)訴えるグラフィティのキャンバスとして使われていた。

さて、「グッバイ、レーニン!」

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「永遠の門〜ゴッホの見た未来〜」の感想。

「永遠の門〜ゴッホの見た未来〜」の感想。

ゴッホが大好きなので見た。

晩年の4,5年の期間にフォーカスしてあるのと、ドラマなので想像の入り込む余地も多く、ゴッホの人生を"知りたい"って人向けではない。
自分には好都合だった。

画材を持って自然の中を歩き回るゴッホの画がめちゃめちゃ良かった。個人的には、この映画の価値はほぼここに集約されてる。
一貫して静的な雰囲気が漂ってるのも、彼の求道者的な気質に合わせてのものなのだろう。狂気の画家と

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「素晴らしき哉、人生!」の感想

「素晴らしき哉、人生!」の感想

タイトルが良すぎる。映画のタイトルで1番好き。

見る前は、苦しい生活を強いられる市井の人々が、「それでも人生は素晴らしい!」と叫ぶ。
みたいな話だと思ってたけど、実際見てみたら、素晴らしい人生の持ち主が、「俺の人生って素晴らしい!」って叫ぶ話だった。

アメコミヒーロー映画。大学に行きたかったのに、社長にされちゃった主人公。可哀想に。(可哀想か?)
学問を志したかったのに、有能すぎて社長、ひいて

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「アラジン」実写版とオリジナル版の感想。

「アラジン」実写版とオリジナル版の感想。

アラジンを、実写版→オリジナル版の順で見たので、その感想を書きます。
どちらも見るのは初めてだったのでワクワクしながら見ていました。

実写版アラジンの感想オリジナルは、昔歯医者の待合室で部分的に見たことがあったかな?くらい。

面白かった。

何よりもまず
「『願い事を増やす』という願い事はNG」と、ちゃんと明言されていることに驚いた。
これまでの人生で、3つの願い事をどう使うかという議論には何

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「聖なる鹿殺し」は視線にまつわるコメディだ。

「聖なる鹿殺し」は視線にまつわるコメディだ。

嫌いな映画だ。しかし面白い部分もあった。
この感想は
①どこが嫌いなのか
②コメディとして面白かった部分
③どうしてコメディとして見ることができるのか
という順で書いていく。③だけ読んでもタイトルの意味は伝わると思う。

クソみたいな映画。コリンファレルが「は?知らねーよ、俺のせいじゃねーよ」って思えなかったのを、もしくは速攻で1番どうでもいい家族を殺せなかったのを弱さとしてずーっと描いてるだけで

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