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今回のチャイニーズニューイヤーで子供達から学んだ事

前回のnoteの続きです。


2021年のチャイニーズニューイヤーのイベントに僕のキッズダンスチームが出演しました。

週に一回、毎週土曜日に受け持っているキッズのブレイクダンスチームがあります。彼らのチーム名は「DKJS」といい、全員で8人、平均年齢は9歳でだいぶ若いチームです。生徒の中には5年くらい続けている14歳の男子生徒もいれば、まだ初めて3ヶ月という8歳の女の子もいてレベルの差は結構離れています。がクラス中はみんな仲良く雰囲気がとても良いチームです。

今回はそのまだ初めて3ヶ月の子についての話です。


その子はYoutubeで見た女子ブレイクダンサーがきっかけでブレイクダンスを始めたいと思ったらしく、僕たちのクラスを見学しにきました。ブロンドヘアーの8歳の女の子。名前は「Jamie / ジャイミー」

長いこと子供達を教えているので、だいぶ慣れましたが新しい場所や知らない人が多いとこにいくとシャイになって動かなくなってしまう子が一定数います。ジェイミーも最初はそんな子でした。そういう場合は無理やり参加させるやり方はしないで、やりたくなったらいつでも入っておいでー、スタンスで待っています。たまに他の子供達に「仲間に入りなよ!」って言ってもらう様にする時もありますが、時と場合によります。


そのジェイミーは3週間くらい端っこで見学していました。だいぶ自分の中で葛藤があったのですね。ついにクラスに参加する決心をつけて一歩前に進んでくれました。とても嬉しかったのを覚えています。

ですが、ブレイクダンスはそうそう簡単なものではありません。その子はちょっとトライしてはすぐ諦めてしまい、出来ないと部屋の端っこに行ってスネてしまうということの繰り返し。スポーツもあまりしてこなかった様なちょっとか弱い子供みたいで、個人的にゆっくり丁寧に教えて、諦めさせない様に心がけて、続けることを最優先していました。でも、その子だけに特別に多くの時間をとるわけには行かないので、時には厳しく個人練習させたりします。ジェイミーはわがままをよく言い、その度に真剣に注意したりとチーム内ではとびきり世話のかかる子供で、イライラを感じる様になっていたのです。今後この子にどう対応していこうかと、このチームに必要なのか、と正直悩んでいました。



今年のチャイニーズニューイヤーのパフォーマンスのため、DKJSはショーの練習に集中していました。その間もジェイミーは、出来ないことを理由に練習もせずに座り込んだり、喋らなくなったりと、イライラがマックスになる時もありましたが、なんとか人前で見せれるレベルにまでなりました。


パフォーマンス当日、その日はジェイミーの9歳の誕生日でした。みんなでバースデーの歌を歌い、ちょっとしたプレゼントもあげて喜んでいました。

スタジオで軽くリハーサルして、会場に向かいました。
控室では生徒達と僕だけ。1時間以上も待たなければ行けなかったので練習する様に伝えるのですが、子供達は興奮しているあまりか僕のいうことを聞きません。ジェイミーは特に練習した方が良いと感じてそう伝えるのですが、テンションがマックスなのでもうそこら辺を走り回っています。「もうなる様になるか。。。」

実際、チームの中には経験豊富な子供もいるのでパフォーマンス自体にはあまり心配していませんでした。案の定本番もステージ上でしっかり踊ってくれていたので、全体的には安心して見ていましたが、同時にもうちょっとジェイミーに真剣に取り組んで欲しいという思いは感じていました。



ショーが終わってステージを降りてきたジェイミーが言った一言に僕は考えさせられました。

「Today is the best birthday ever!!!」


1番世話のかかる子ですが、そんな言葉を満面の笑みで言われて衝撃をもらいました。そうです、着実にダンスを通して今までにないものを経験し、それに感動している姿を見て、本当に僕が子供達に伝えたいことは、こういう経験なんだなと確認することが出来たのです。

ダンスのムーブやスキルももちろん大事ですが、そういった事ばかりではなく、その先にある経験、体験をもっと子供達に味ってもらうことが1番大事なんだなと、そのジェイミーの一言ですごく思いました。感じたことを素直に大きな声で言える彼女の行動を見た時、ジェイミーを教えこれて良かったなと思える瞬間となりました。


子供にダンスを教える身として、まだまだ成長していかないと行けない事ばかりなんだと、さらなる自身のレベルアップに火がついた2021年のチャイニーズニューイヤーでした。



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