コロナ渦でイベントを主催する覚悟
先日シドニーのとある体育館でキッズ向けダンスイベントを行いました。
内容はブレイクダンスの1対1のバトル(試合みたいなもの)の大会です。まだまだ一般的には知られていませんが、ブレイクダンス界隈ではよくあるフォーマットのイベントです。
僕の会社は色んなサービスを提供していますがその中にダンスイベントの企画運営があります。2016年から大人向けのダンスバトルイベントを続けてきており、今年はそれに加え子供にももっとフォーカスを当てて行こうと考えており、その一発目が先日の3月28日に開催されました。
実は去年の年末にもキッズのイベントを企画していて、本当にたくさんの関係者の協力を得ていました。ですが、イベント数日前にシドニーのノース側の地域で起こった新型コロナウィルスのクラスターによって州のルールが一変しイベントの無事開催が危ぶまれていました。とは言ってもこの数日は大丈夫でしょう!と思っていた矢先、イベント当日の朝の政府の発表で、さらに厳しい規制をはられることになり、なんと当日キャンセルをせざるを得なくなりました。なんていうことでしょう。信じられないと思う反面、僕たちはそこからの頭のスイッチの入れ替えを強いられ、関係者、スタッフ、会場、出場者全員に連絡してイベントの中止を伝えました。あんなにヒア汗をかいたのもそうそうありません。
そんな悔しい思いをした事で次回のイベントは必ず成功させてやる!と思う反面、白紙になったスケジュールを埋める次の一手を打つことにためらいが生まれてしまい(コロナへの恐怖心から)、中々動くことができませんでした。
年が明けて時間だけが経っていくなか、たくさんのコメントや意見を聞かせていただきました。「去年のイベントのキャンセルでうちのスタジオの生徒がすごくショックを受けていたよ。」「子供達は目標がなくなった事で練習にも身が入っていません。」「次のイベントはいつなの??」「楽しみにしていたのに残念」などなど。
どれだけみんながイベントを待ちわびているのかが痛いほど伝わってきます。普段からイベントの数が少ないオーストラリア、たまにあるイベントはみんなが集まれる貴重な場所(バトルイベント)なのです。そして、その空間をみんなでサポートしあえる暖かいコミュニティーがそこにあるのです。その数少ないイベントが飛んでしまったわけなので、残念に思う声が沢山届くことは無理もありません。
この状況でイベントを率先して行う人がいないのは当たり前だということは理解しています。誰も辛い思いをしたくありませんし、できるかどうかの保証のない予定を立てたくありません。僕もコロナによってキャンセルを何回も食らったものでだいぶ精神的にもやられている時期でありました。ですが、持ち前の諦めの悪さとしぶとさを発揮し、いつでもチャンスがきたら動ける準備をしていたことが功をそうし、今回開催できることに至りました。
もちろん、また直前にクラスターなどの発生で規制がはられ中止せざる終えなくなったらどうしよう、、、とも何度も頭をよぎりましたが、すでに経験して精神的にも強くなったのか、もう前ほどの衝撃はないだろうと予想してなぜか楽観的でした。それ以前にダンスを頑張っている子供達へ思いやスタジオ関係者の頑張りなどが常に頭から離れなかったことで今回のイベントの開催が実現できたのだと思います。
無事開催できたおかげで、シドニー 内外の全8スタジオが協力してくれ50名近くのキッズが出場できる大きな大会になることができました。イベントの雰囲気もキッズや保護者の方の笑顔も最高に素敵で、こんな真剣なバトルと笑顔に溢れた友情が交差した幸せなイベントは久々でした。
自分の理想とする物をブレさせずにしっかり持ち、トライ&エラーの繰り返しで少しずつ前に進むことが、何らかの結果をもたらしてくれるのでしょう。そんなことを思わさせてくれる出来事でした。またキッズのイベントを続けていきますので、その際はnoteで感想をお伝えできたらと思います。