念願の妻とのくじゅう登山の記録
くじゅう連山の登山は、とにかく楽しい。一つの山をピストンで登り降りするのと違って、いくつもの山を次々と稜線伝いに続けて歩く(縦走する)ため、いろんな景色を楽しめる。登山道の勾配の角度もいろいろなので、気持ちよく歩いたり、息を切らせて登ったり、休んで景色を楽しんだり、単調ではないので飽きずに歩き続けることができる。
そもそも、くじゅうに初めて登ったのは今年の元旦だった。熊本県の山都町で年越しキャンプを楽しんだ後、雪が降っているくじゅうへ車を走らせ、牧ノ戸登山口に家族を待たせて、沓掛山まで登ってみたのが最初である。その時、山々の美しさに魅了され、その後に何度もくじゅうに足を運んで登ることになった。
くじゅうの美しさや楽しさを妻にも共有したかったが、映像で見せるだけで、いつも登るのは単独だった。
今回、やっと一緒に登ることができた。
前日の夜に出発
朝から登山をするためには、前日の夜に自宅を出る必要がある。子供達の夕食やお風呂を済ませ、21時頃に妻の実家に子供達を預ける。その後、キャンプのための食料品の買い出しをするためにスーパーへ。登山の後に、白川温泉にあるキャンプ場でキャンプをする予定だが、その辺りには食料品を買えるスーパーがないため、事前に買っておく必要があった。
22時から4時間程かけて、瀬の本レストハウスに着いた。真っ暗で、動物が飛び出てきそうな山道を運転してきたので、かなり疲れた。瀬の本レストハウスの大きな駐車場で3時間弱の仮眠をとり、牧ノ戸登山口へ向かった。
まだ日の出前の5時台だったが、既に牧ノ戸の駐車場は満車に近く、やっと停めることができた。外の気温はかなり低く、車が揺れるほどの強風が吹いていた。そんな中でも、準備を済ませて登り始める登山者がたくさんいたが、私たちはヘッドライトを持ってきていなかったため、日の出を待つことにした。
強風と寒さ
6時過ぎ、日の出と共に辺りは明るくなってきた。外に出て準備をしようとするが、かなり寒い。登山靴を履いたり、ザックに荷物を詰め込んだりしているうちに、凍えるような寒さに耐えきれず、車内に戻って暖をとるほどだった。木々も大きく揺れるほどの強風が吹いている。
「やっぱりやめようか」という気持ちにもなりかけたが、どんどん登り始めていく登山者の皆さんを見ているうちに、とりあえず行くか!という気持ちにさせられた。
7時48分、牧ノ戸登山口から出発した。
沓掛山
牧ノ戸登山口から、しばらくコンクリートの急勾配の遊歩道が続く。まだ体が慣れていないので、ここは少し辛い。妻は途中で気分が悪くなり、しゃがみこんでしまった。出発して数分でこの調子だと、先が思いやられるが…
妻の体調を気にしながら、何とか沓掛山まで登った。コンクリートの歩道や階段が終わり、登山道に入ると、登山者による渋滞が起きていた。沓掛山辺りの登山道は狭いし、ちょっとした梯子やロープ場があるので、そこで渋滞気味になるのだ。
ここで、ドローンにSDカードを入れ忘れていることに気づいた。今回は人が多く、しかも強風だったため、いずれにせよ飛行させることは難しかったかもしれないが、せっかく機材を持ってきているのにがっくりだ。
こんなに寒いとは思っていなかったため、手袋は用意していなかった。なので、車に積んであった汚れた軍手を使って寒さに耐えたが、見た目はあまり良くない。
西千里ヶ浜・久住分れ
西千里ヶ浜まで来ると、見晴らしも良くなり星生山や久住山も目の前に見えるので、いよいよくじゅう連山の中心部に近づいたことを実感できる。この辺りまで来ると、気温は上がって寒さは気にならなくなってきた。
2時間ちょっとで久住分れ避難小屋に着いた。多くの人が休憩していた。ちょっとここで一休みし、久住山のピークを目指す。
久住山
久住分れから久住山までは、息ができなくなるくらいの強風が吹いていた。気温は少し上がっていたため、寒さは何とか大丈夫だったが、風が強く、砂が舞っているため目が開けられない。コンタクトレンズをしているため、防塵用のゴーグルをザックに入れていたのが幸いした。
登山開始から約3時間、10時55分に久住山の山頂に到着。大迫力の三俣山、久住高原と阿蘇五岳、素晴らしい絶景が広がっている。
妻と共に、この景色を楽しめたいのは、本当に幸せだった。
20年ぶりに久住山に登ったというご夫婦の会話が聞こえてきた。苦楽を共にして、20年経ってまた二人でこの景色を見に来るなんて、なんて素敵なんだろう。お二人の幸せを祈りたい。
登山道のある久住山の北側斜面はとんでもない強風が吹き荒れていたが、不思議なことに南側の斜面(久住高原が見える方)に少し降りると、風はピタッとおさまったので、ここで湯を沸かしてカップヌードルを食べることにした。周囲もカップヌードルの比率が高い。
紅葉を楽しみながら下山
くじゅう連山最高峰の中岳にも登りたかったが、時間がなかったので御池まで行って、折り返すことにした。
朝の強風と寒さで心が折れかけたが、無事に山頂まで行けて、本当に最高の気分だった。登山は、満足感、達成感、幸福感に包まれ、精神衛生上もかなり良い効果がある。
最高の気分で足取りも軽く、と言いたいところだが、久しぶりの登山で足が痛く、膝もガクガクで、何とか下山した。
沓掛山辺りまで戻ってくると、美しい紅葉が楽しめた。朝、ここを通った時よりも空が青く、紅葉もはっきりと色が出ていた。
14時半に無事に牧ノ戸峠登山口に到着。活動時間は6時間45分。移動距離は 10.3km、累積標高差は670m。最高に楽しい登山だった。
美しい山を守ってくれている人たちに感謝したい。そして、この日、一緒に登っていた人たちのご無事と幸せを祈りたい。
YAMAPの記録
Youtube
過去のくじゅう登山の映像
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