夏がキャンプシーズンというのは半世紀前の名残
三連休で、人によってはお盆休みに入っている8月11日から、矢岳高原ベルトンオートキャンプ場でキャンプをしてきました。その時の様子を綴りたいと思うのですが、それだと単なるブログのような内容になるので、表題の通り「夏がキャンプシーズンというのは半世紀前の名残」をテーマに、キャンプについて思うところを書いてみます。
久々にキャンプをしてきました
Instagram & Youtube
まずは、Instagramに投稿した60秒のリール動画をご紹介します。当然ですが、いいとこ取りの映像です。
キャンプの様子を動画にまとめて、Youtubeにアップしています。個人の思い出の記録のような位置付けであり、同時に機材の取り扱いや動画撮影及び編集の練習になれば、くらいの意味合いで動画を作っています。誰かの何かに役立つようなチャンネル、動画ではありません。とは言いつつ、高評価が多いと、嬉しいですよね…
キャンプをしたくでウズウズ…
キャンプを趣味にしている人ならわかると思いますが、暫くキャンプに行けてないと、行きたくてウズウズしちゃいます。最後にキャンプをしたのが5月末なので、二ヶ月以上行けてません。
たまたま仕事が忙しかったということもありますが、そもそも今は猛暑日が続いていて、キャンプどころではありませんでした。昼間は40度近くの危険な気温で、夜も30度近くの熱帯夜では、楽しむどころではありません。
この日は子供たちを妻の実家に預けることになっていたので、妻と二人でキャンプをしようと計画していました。標高が高い久住高原辺りであれば、夜は涼しくなりそうだし、何とか寝れそうです。
しかし、予期できない事態が起きました。
南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」発表
この日の三日前の8月8日に、日向灘を震源とするマグニチュード 7.1 の地震が発生しました。発生時は会社にいたのですが、なかなか過去に経験したことがない揺れでした。
その地震での被害はさほど大きくなかったのですが、南海トラフ地震の想定震源域で大規模地震が発生する可能性が高まっているとして、気象庁は「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表しました。
実際に、余震も暫く続いていました。
こんな状況で、子供たちと遠く離れたキャンプ場に行くのは心配なだけで、とても楽しめそうもないので、急遽県内のキャンプ場に変更しました。
宮崎県内の標高が高いキャンプ場 4選
日中は35度超え、夜でも30度超えの猛暑日が続いているので、標高が低い位置にあるキャンプ場は拷問のような状態になります。県内で標高が高いキャンプ場は、高千穂町の四季見原すこやかの森キャンプ場(標高1200m)、諸塚村の池の窪グリーンパーク(標高800m)、えびの市のえびの高原キャンプ村(標高1200m)、そして同じくえびの市の矢岳高原ベルトンオートキャンプ場(標高700m)の四箇所です(他にもあるかもしれませんが、現時点では把握していません)。
ちなみに、これらのキャンプ場のいずれも、「行ってよかったキャンプ場」としてYoutubeで詳しい解説動画を公開しているので、興味がある方はぜひご覧ください。
高千穂や諸塚はちょっと遠い(片道3時間)、えびの高原キャンプ村はオートキャンプ場ではないのでちょっと設営が大変。ということは、何度も行っていますが、矢岳高原ベルトンオートキャンプ場が最適かなと思いました。
標高700mの矢岳高原ベルトンオートキャンプ場
というわけで、自宅から一時間半の位置にある矢岳高原ベルトンオートキャンプ場に向かうことにしました。
このキャンプ場は、その名の通り、矢岳高原の上にあります。矢岳高原は、カルデラ外輪山になるため、麓の加久藤盆地(えびの盆地、加久藤カルデラ等とも言います)を一望できる見晴らしの良い高原です。
名称のベルトンは、1994年にベルトン市長夫妻及び商工会議所会頭がえびの市を訪問し、姉妹市共同宣言書に両市が調印して姉妹都市関係が始まったことに由来して、この名が付けられました。
キャンプ場に到着すると、顔馴染みの方が待っていてくれました。偶然ですが、このキャンプ場の運営会社の社長や社員の方とは、10年以上前からの顔見知りです。地域密着型の事業を手広く展開しているエネルギッシュで面白い社長で、この矢岳高原ベルトンオートキャンプ場もこの会社が運営してくれているからこそ、充実したサービスが提供できているのではないかと思います。
いつも私のYoutube動画も見てくれているようで、キャンプの時はいつもドローン撮影をしているので、今回も周囲に予約が入っていない場所をあえて選んでくれました。
標高700mとはいえ、日中は35度を超えているので、ちょっと体を動かすだけで滝のように汗が出ます。Tシャツがびちょびちょになるほど汗をかきながら、必死に設営をしました。
この日は少し曇っていたので、日差しがジリジリってわけでもなく、タープの下なら何とか快適に過ごせました。そよ風も吹いていて、座ってるだけなら気持ちよく過ごせます。
夜は25度前後で快適に
平野部は夜でもムシムシしている熱帯夜ですが、さすが標高700mの位置なので、夜は25度くらいに気温が下がり、快適に過ごすことができました。私たち夫婦のキャンプの過ごし方の定番は、チェスです。
ウイスキーの瓶を置いていますが、雰囲気を出すためであったり、動画の絵面のために置いてあるだけで、中身はほうじ茶です。余震がまだ続いている状況だったため、いつでも動けるようにノンアルコールで過ごしました。
ノンアルだとつまらないんじゃないかって気もしますが、キャンプでは実はノンアルコールビールやノンアルカクテルで十分に雰囲気が出ますし、満足度もあります。逆にウイスキーを飲んで、体が重くなるよりは、快適に過ごせるのでオススメです。
管理人さんの話によると、夜は寒くて毛布が必要な時もあるそうです。私たちが行った時は、毛布は必要なく、むしろ気温はギリギリでした。暑くて寝苦しくはないけど、これ以上気温が上がると不快だろうなあっていうラインです。
気持ちのいい朝
小鳥のさえずり、鈴虫の声が聴こえる気持ちのいい朝を迎えました。というよりも、日の出前の空がうっすら明るくなった頃に、あえて活動を開始しました。なぜなら、太陽が出ると一気に気温が上がるからです。
日の出前にコーヒーを淹れて、朝食を作り、軽く休んだら撤収を開始しました。本来であれば、朝もゆっくりと過ごしたいところですが、また朝っぱらから汗だくになるのは嫌だったので。
全く本題に入る気配がなく、ただひたすら先日のキャンプの様子を書いてるだけなので、ここらで「夏がキャンプシーズンというのは半世紀前の名残」ということについて、持論を展開していこうと思います。
今の夏はキャンプシーズンなのか?
キャンプシーズンは夏だというイメージ
キャンプをしない人は、キャンプシーズンは夏だ!というイメージが定着しているのではないかと思います(たぶん)。この理由は明白で、夏休みとリンクしているからです。
子供が夏休みだから一緒に遊ぶ、川遊びをする、お盆には帰省して田舎の自然で遊ぶ… 等々の一定の需要があることは当然ですし、アウトドア用品売り場やホームセンターの品揃え、販促活動もそれらの需要に合わせていくので、夏休みとキャンプはイメージが一致しやすくなります。
ただ、これだけではないような気がします。それが、表題にも書いた「半世紀前の名残」ではないかと思うのです。
オートキャンプの普及の歴史
第一次キャンプブームは、バブル崩壊直後の1990年代前半です。バブル時代のリゾートブームの終焉、レジャー形態の変容、人々が求める価値の変化がその背景にありますが、オフロード走行が可能なクロスカントリーSUV車が登場し、若い世代を中心にアウトドアブームが起きたことが大きな理由とされています。
オートキャンプの浸透は、それからさらに遡り、高度成長から安定成長へと日本経済が転換する1970年代。モータリゼーションが進み、車は一家に一台の時代に。労働時間の短縮により、人々の価値観も仕事から余暇、会社から家族へと移っていきました。
この頃にファミリーレジャーとしてのオートキャンプが自然と国民の間に浸透していき、1980年代にかけて、車は「一家に一台」から「一人一台の足」となり、車社会はほぼ完成。ますますオートキャンプは拡大、定着していったようです。
私は1971年生まれなので、なんとなく幼い頃の社会や生活の雰囲気は覚えています。若い夫婦はマイホームを持ち、車やカラーテレビもあり、充実した生活環境でしたが、ティッシュペーパーの無駄遣いや電気を消し忘れをかなり厳しく躾けられた記憶があります。今のように、エアコンをキンキンに効かせた部屋に、あまりいなかったような気がします。
窓を開けた畳の部屋で、扇風機の風に当たりながらスイカを食べたり、麦茶を飲んだりしている、まさに昭和のイメージですね。
こういう時代ですから、夏は海や川、避暑地を求めて外によく出ていくのが自然なことでした。エアコンをつけっぱなしの部屋にいるのはもったいない、みたいな意識もあったと思いますが、実際に今ほど暑くなかったようです。ネットで調べると、2024年7月の平均気温は27.9度、50年前の1974年が23.9度、4度も違うのです。
今のように、スマホに「熱中症の危険があるので外出を控えるように」というアラートが日に何度も届き、エアコンをガンガン効かせた部屋の中で、一日中ゲームや動画を見て過ごすなんて時代ではなかったのです。
キャンプ好きの人は真夏にキャンプをしない?
というのは、ちょっと言い過ぎかもしれませんが…
少なくとも私たちは、7〜9月頃のキャンプはできるだけ避けています。暑くて眠れないし、ハエや蚊をはじめ虫がたくさんいるし、森だと蛇なんかもいるし、焚き火なんてしようものなら夜でも汗だくで死にます。
なのに世間では「夏だからキャンプコーナー」みたいな売り場が出来上がり、夏季限定でキャンプ場がオープンしたり、なんだかそれって半世紀前のイメージを引きずってないか?と思えてしまうのです。
みたいなことを夏になると毎年考えていたのですが、近頃はキャンプブームの終焉と言われています。
キャンプはブームからホビーへ
第二次キャンプブームは、2013年頃からコロナ禍にかけて起こったアウトドアブームですが、コロナ終息を受けて一気にブームも沈静化してきました。キャンプ場に行っても、そんなに混雑していないような気がします。明らかに「最近流行っている」というブームが終わり、他のスポーツや趣味のように、定着へと進んだわけで、これからも続ける人にとっては、落ち着いてキャンプが楽しめる良い環境になっていくのだと思います。
キャンプを始める良いタイミングが来た!
まあ、何が言いたいのかというと、キャンプは秋こそ食べ物が美味しくて、景色は綺麗で最高です。冬も、防寒をしっかりしないと大変ですが、薪ストーブや焚き火が非日常を演出してくれます。ブームが去って、テントやギアの価格も下がり、今は始めやすいタイミングなので、ぜひ秋に向けてご検討ください!という話でした。
さて、話を先日のキャンプに戻します。
朝早めにチェックアウトしたら、キャンプ場のすぐ近くにある矢岳高原のパラグライダー発着場へ登ってみました。車で行けますが、道が狭いので、前方に注意しながら登ります。
矢岳高原のパラグライダー発着場は、某大手ビールメーカーのCMロケ地になりました。この場所にテントを張って、俳優さんが旨そうにビールを飲みます。最高ですね。
というわけで、今回のお話は終わりにしたいと思います。
note はとても書きやすいので、ダラダラと書きがちです。特に、ちょっと時間が空いた時に書き足していくと、今回のように何だかよくわからない内容になっていくので、次回はもう少し要点をまとめようと思います。