Part 3
以前にある仕事のスタンドインをさせてもらった時に、ご一緒したダンサーの方がとある歌手のバックダンサーを募集するオーディションが開かれることがあった。そのオーディションにすぐに応募した。受かることだけを考えて当日オーディションを迎え、これで通らなかったら人生終わりとまで考えてた。
当日の課題今日が最初に聞かされて一瞬でビリージーンじゃん!と思ったところで振り落としが始まった。振り落としが進むにつれて曲のイントロがビリージーンにそっくりなことで頭がいっぱいになっていました。
その後5人ずつ別室に呼ばれアーティストさんと振付師さん2人の審査が始まりました。待っている間は緊張も何もなかった。そして自分の番になり番号順で配置についた。この時「お!?」と思った。自分の配置は1番左であった。これに違和感を思った僕は曲が始まってすぐさま真ん中の人の前に立ちマイケルジャクソンのビリージーンのイントロを踊った。そもそもイントロは振り付けがなかったのでここはチャンスだと思いました。もちろんいきなり振り付けのところから曲をかけることはないのでイントロからかける意味はありましたけど、もし自分が審査員だったらここで何をするかを見ると思います。MJムーブをぶちかました僕はすぐさま自分のポジションに戻り振り付けを踊りました。振り付けが終わった後まだ音楽が流れていたのでこれはまたチャンスと思い今度はサイドウォークで先頭ラインを通過して音が止まるまで全力でフリースタイルをしました。審査員全員が笑っていたのを今でも鮮明に覚えています。
踊り終えた僕の心境はとてもスッキリしていました。やるだけのことはやった、後悔はない。その思いで待機していると振り付け師の方が出て来てもう一度見たい人がいるから番号呼ばれたらきてください。とのアナウンスでした。
呼ばれるに決まってると確信していたところ自分の番号まできた時僕以外の4人の番号が呼ばれました。一瞬、やりすぎたかな?と不安がよぎりました。
結果は【合格】
心の底から喜んだのを今でも覚えています。オーディションに受かる気持ちと同時に命が繋がった感覚でした。
すぐに父に報告して大学を退学する手続きを始めました。
振付師の2人とダンサーで打ち上げをしている時、なんであの時僕以外の番号を呼んだのかと質問したら、
「一回めはお前以外見れなかった」と。
思いもしない答えだったのであの時の一瞬時が止まったような感動は忘れません。
Part 4へ続く.......