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先週のつづき


次の日、名古屋はあんバターサンド発祥の地ということで、モーニングに行くことにした。ネットで調べて、向かうところはオシャレなあんバターサンドを売りにしていた。
お腹はぺこぺこで15分歩いて着いたその店は、まさかの行列ができていてすぐに入れそうになかった。
行列が嫌いな僕は並ばずに、もう一つ調べてあった店に向かった、しかしそこも80分待ち。既に30分くらい歩き、空腹で少し萎えていた。次行く店が入れなかったら、適当にカフェでも入ろうと思った。なんならもう牛丼とかでもいいくらいお腹が空いてた。

もう10分歩いた先に、カフェリヨンという昔ながらのシンプルな喫茶店があった。
着くと、運良くその店は空いていた。
やっと入れる。
その店は実に雰囲気がよく、何というか全く格好をつけてない、居心地がいいそんな店だった。
あんバターも映えないけどシンプルなトーストに挟まれて、焦げ目が美味しくて、コーヒーと最高にマッチした。そして30分以上歩いていたので空腹もその美味しさを加速させた。
しかも値段は450円であんバタとコーヒー。
今まで行こうとしていたお店の半額以下で、
最高の幸せを獲得した。

今回の旅はそんな事の連続だった。

ホテルのチェックインから始まり
モーニング、そして昼ごはんのお店も一筋縄ではいかず、何軒も渡り歩き、ランチタイムギリギリで吸い込まれるように、いいお店に入れた。

人や作品と巡り合う時に似てるな。と思った。

諦めかけたその時にであったり、助けられたり、それまでうまくいかなかった過程があるから、幸せで、美味しく感じる。

日々うまくいかない事の連続だけど、きっと最後には良きタイミングで、美味しいご飯が食べられる。

昼食を食べ、日本一大きいプラネタリウムに行き、宇宙の神秘を感じながら爆睡した。
わかったことは
「宇宙でけぇーなー、人間ちーせぇーなー」

地球を神が作った完璧なゲームソフトだとしたら、宇宙はまだ制作途中で、バグの世界。

夕食は100年続く居酒屋に行き、へべれけで新幹線に乗った。名古屋駅はすっかりクリスマス一色だった。

新幹線から乗り継いだ帰りの電車の広告が、
「さよならのつづき」にジャックされていた。

そういえば、この作品から僕の旅は始まった。
そんな作品が帰りの電車で見送ってくれた。
「ありがとう」と心で唱え電車を後にした。

今回の旅で色んなセンチメンタルに出会えた。
人生何が起こるかわからないこと。
巡り合うこと。
人間ちーせぇーこと。

そんな旅も、一つの作品に動かされたと考えたら、やっぱりエンタメの世界は素晴らしいな。

僕も誰かのきっかけであれたら幸せだ。

ではまた!


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