見出し画像

ヤマザキマリ自叙伝的三部作(読書)

小学館新書から出ているヤマザキマリさんの本を3冊読みました。勝手に自叙伝的三部作だと思っています。

私はヤマザキマリさんが好きです。美人だからというのも少しありますが、人柄が好きです。もちろん作品もいいです。

このnoteは、ヤマザキマリさんを知っているという前提で書くので、作品やプロフィールのことは触れません。

ヤマザキさんにはまったくウソっけがなく、正直さが伝わってきます。いい意味で飾ってない。「隠し事」をしません。さすが「書く仕事」の人。🤣

実際、ウソつきなのか、正直者なのか?隠し事をしているのか?

そんなことはどうでもいいのです。読者としては、正直でオープンな人が、すがすがしい思いにさせてくれるというだけで十分です。

もしかしたら読む人によっては、あまりにも破天荒すぎて「この人、バカなの」と感じることもあるかもしれませんが、実際本を読んでみると、相当勉強していることがわかります。漫画家ということもあって、知識のふところが大きい。

同じ知識でも、語る人によって、知識の解像度や深度は、高くもなれば浅くもなります。ヤマザキマリさんは、知識として得たことをちゃんと考証することを仕事としているからなのか、知識に深みが出てくるのだと思います。

ファクトチェックと考証は違います。

ファクトチェックは、「正確」「ほぼ正確」「根拠不明」「不正確」「誤り」のように、正誤を確認することですが、考証は正誤を確認したうえで、さらに実証的に考えて説明する必要があります。

ヤマザキマリさんは、おそらく漫画家の域を超えて、考証好きなのではないかと思います。だから、マンガとは関係のない世界でも、ヤマザキさんの語る一つひとつのことが、ただの受け売りでなく、知識に羽がついて胸をついてくる。それが文章として書かれたものであっても、映像付きかのようにリアルさがあります。文章に「立体感」があるのです。

絵描きでも漫画家でもある方なので、物事を映像として捉えることが上手なのだと思います。私も絵描きやアニメーターの方々とご一緒した時に、物事の捉え方が三次元の映像的捉え方ができる人もいるのだなと気づいたことがあります。私のように二次元の平面的見方しかできない人間からすると、うらやましい限りです。

ヤマザキマリさんの面白さは、画力や物語の構想力はもちろんのことですが、うまく言えませんが、表現の「立体化」のうまさにもある気がします。そして、何十冊も本を出し続けられるのは、頭でなく経験的に学習することと、ストイックに考証して学んだ知識を自分のなかに懐柔することを続けているからなのだと思います。

🌹

いいなと思ったら応援しよう!

日出丸
サポートありがとうございます!