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生成AI時代にnoteを書き続けたいわけ
生成AIに書かせるのではなく、自分の頭を使って自分の手で書くことを特に手書きという。鉛筆やペンでの手書きから生成AI利用の変化を受けて、手書きの意味と使われ方が変わった。生成AIをあくまでもツールとして使って書いた場合も「手書き」と言うべきかどうかで意見が分かれている。
Wikipediaの内容がこうならないとも限りません。言葉の意味や使われ方は「投げ銭」のように、時代とともに変わるものです。
私はnoteを毎日投稿していますが、生成AIに書いてもらった方が、自分よりいい文章を書くし、内容も充実させられるし、よほどいいと思っています。それでもなぜ自分は「手書き」にこだわって書き続けたいのでしょうか?それが今日のnoteのテーマです。
生成AI時代に価値が上がる情報、価値が下がる情報
まず、生成AI時代に価値が上がる情報、下がる情報について整理しておきましょう。一般的な整理と私なりの整理とに分けてお話を進めたいと思います。
まず、一般的な論調では、量産可能な情報は価値が下がるとされています。それに対して、価値が上がる情報としては、以下の5点があげられます。
独自性のある情報
信頼性や専門性が保証された情報
編集者やキュレーターにより練られた情報
即時対応情報などリアルタイム性のある情報
ブランド価値のある発信者による情報
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次に、私なりの整理です。価値が下がる情報について書いても仕方ないと思ったので、価値が上がる情報についてだけ書いていこうと思います。
価値が上がる情報:以下の3つの情報
デジタル化されにくい情報
想定外の情報
未来につながる情報
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価値が上がる情報1:デジタル化されにくい情報
AI研究者によると、生成AIの発展における本質的な問題は、生成AIはあらゆる情報を食べつくしていて、すでに食べるものがほとんどないということだそうですが、Chat GPTを提供しているOpen AIも、日本語の情報欲しさに国会図書館にアプローチをしましたが、門前払いされました。
生成AIは、そもそも学習するデジタル情報がなければ、何の役にも立たないわけですが、逆に今こそデジタル化されていない情報があれば、高値で売買される可能性があり、デジタル化されていない情報の奪いあいが過熱するかもしれません。
そういう市場競争に私はまったく興味はありませんが、以下のような歴史的に連続性があって言語化や可視化が難しい情報には興味があります。
伝家の宝刀的ないざという時の情報
文献には残ってはいないが、昔から聞き伝わっている情報
一子相伝的なノウハウやトレードシークレット情報
生成AIにとって、デジタル化されていない情報は手も足も出ない未知の領域です。逆にこれからは、生成AIに新たな学習用データを用意するために、未デジタル情報の発掘と、デジタル化が難しい領域の「手書き」による言語化や可視化が必要になり、その作業価値は高くなると思います。
価値が上がる情報2:想定外の情報
監督が私財を投げ打って通帳残高6275円、制作費2600万円で自主制作された「侍タイムスリッパー」という映画が、数々の映画賞を受賞し、全国上映、海外上映されるという想定外の展開ぶりのようです。
こういう想定外の展開に触れるとワクワクするものです。
予想不能な展開にうまく対処して、「想定の範囲内でした」と、私も軽くかっこつけたいものですが、想定済みというのは実はあまり面白くないと自分では思っています。
今の世の中の仕組みは想定の範囲をちゃんと設定して、想定の範囲内で動くことを基本にしているので、想定外のことは例外として社会では扱われます。想定された範囲内の世界にどっぷり浸かることがすなわちまともで常識的な生き方ということになり、世の中まともな常識人ばかりになることも結構なことです。
生成AIも、ご多分に漏れず、すべて想定された通りに想定の範囲内で稼働しています。社会であれアルゴリズムであれ、常識人も生成AIも想定の範囲内の世界を行ったり来たりしているのは一緒です。だから常識人と生成AIはとても相性が良いとも考えられます。生成AIを活用すれば、想定した通りのレスポンスを返してくれるし、時には期待以上のレスポンスだってありますから、こんなに快適なことはありません。
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しかし、想定の範囲内の世界から一歩抜け出して、引いて見てみると、社会はバランスを取ろうとするばかりで、何かをぶち壊すような大きな変化がなく面白くない風景に私には見えてしまうのです。雷にドキドキしながらも、ワクワクする感覚を覚えてしまった私は、生成AIを使っていて、大変重宝していますが、お笑いを見るように腹を抱えて笑うこともなければ、ドキドキ、ワクワクするようなこともありません。
私のように、世の中まとも過ぎてちっとも面白くないと予定調和を好まない人もいると思います。想定外のことを言ったりやったりして楽しませてくれるお笑いやエンタメがあり、奇想天外なアートがあってワクワクしたり、それが憩いの場になったりして、世の中、バランスが取れていくのだと思います。
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生成AIには、想定の範囲内で想定外を作ることはできますが、想定外の生き方や考え方をして、「侍タイムスリッパー」のように想定外を生むようなことはできません。
今は指数関数的にどんどん賢くなっていく生成AIを、私などは面白がって使っていますが、そのうち飽きると思います。生成AIの面白さも想定の範囲内に収まっていきます。そうなったら、私だったら、生成AIに想定外な情報の生成を望むようになるような気がします。
それは誰も気づかなかった!
目の付け所がいい!
そんなところに盲点があったのか!
考えもしないことをよく考えついた!
思いもしないことをよく思いついた!
こういう発見は面白いし、ワクワクするものだと思いますが、そんなことを生成AIに期待するようになると思います。まさにシンギュラリティと紙一重かもしれませんが、そうなった時に、ひたすら創作していたら想定外が生まれたというような人間の創造的価値は今よりも高まるという希望的観測をありなのではないでしょうか。なので、文章を書くことも創作だと自分に言い聞かせて、私も書き続けたいな、書き続けられたらいいなと思います。
価値が上がる情報3:未来につながる情報
未来は生成AIが作るのではありません。未来を作るのは人間です。
丸茂伊一さんという95歳のスケート選出は、確か3つ以上のギネス記録と20以上の金メダルを持っている方です。
丸茂伊一さんが、ユニークで面白いのは、「85歳以上は誰もいないから必ず金メダルになるよ」と言われ、「こんなにうまい話はない、年齢だけは追い越されないから」と本当に金メダルを取ってしまうところだったり、「滑り続けてさえいれば、ライバルはどんどん死んでいくから自ずと勝てるのだ」と言ってのけてしまう潔いところだったりします。
そして、死ぬまでスケートを滑るとおっしゃっています。丸茂伊一さんに勇気をもらって、励まされた現役アスリートや子供たちがたくさんあるそうですが、丸茂伊一さんは100歳を目前にして、未来につながる生き方をしているところも素晴らしいです。
生成AIの進歩が人間の脅威になるというネガティブな未来予想もあるようですが、生成AIにドラえもんになってくれとまでは思いませんが、生成AIがこれからの未来にあってよかったというものになっている可能性だってあります。また、そうなってほしいと思う人もたくさんあると思います。
生成AIが未来においてかけがえのないものになるためには、生成AIを「人格者」としてチューニングしなければなりません。生成AIには未来につながる情報を学習してもらう必要があります。現状、目先の情報ばかりで、未来につながる情報は残念ながら多くはないと思います。
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生成AIをかけがえのないものにしていくのだという機運が高まっていけば、未来につながる情報のあり方を考える人が増え、未来につながる情報の価値も高まっていくのではないでしょうか。
私は丸茂伊一さんのような存在にはなれませんが、未来につながるような情報を少しずつ発信し続けることならできると思います。
ここまで、生成AI時代に価値が上がる情報について書きながら、「手書き」でnoteを書き続けたい理由を吐露してきましたが、結局のところ、「書くことが好きだから」と10文字で済むところを、3400文字以上にわたり書き散らかしてしまいました。最後までお読みいただき、すみません、ありがとうございました。m(__)m
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