見出し画像

DeepSeek-R1と中国スタートアップのDeepSeek社について

中国発の生成AIのDeepSeek-R1を使ってみました。OpenAIのo1と同等の性能を持つとされ、推論や戦略まで対応するモデルです。

DeepSeek-R1の技術的な概要については、こちらが参考になりました。

私はこのnoteで、DeepSeek(中国語名:深度求索)がどこまで推論ができるかを試した内容と中国のスタートアップDeepSeek社の概要について紹介します。

DeepSeek-R1の推論結果について

DeepSeek-R1の推論結果については、人並み以上だと思います、想像力が働いているかというとそうではありません。

想像力が働いているかの基準は、SF小説に出てくるような現状にない世界観や事象の提示がされるかどうかで判断しています。

結果は以下の通りです。




プロンプト
AIが普及した100年後の世界では人間の思考習慣はどうなっていると考えられますか?また、AIを使う人と使わない人との格差が生まれる場合、どのような状況が考えれれますか?

AIが普及した100年後の世界では、人間の思考習慣や社会構造が大きく変化している可能性があります。以下に、その変化と、AIを使う人と使わない人との間に生じる格差について考察します。

1. 人間の思考習慣の変化

a. 情報処理の効率化

  • 依存と効率: AIが日常的に情報を処理し、意思決定を支援するため、人間はより効率的に物事を判断できるようになります。しかし、その反面、AIに依存しすぎることで、自分で深く考える習慣が薄れる可能性もあります。

  • 創造性の重視: 単純な情報処理や計算はAIが行うため、人間はより創造性や直感を重視する思考スタイルにシフトするかもしれません。芸術、哲学、イノベーションなどの分野で人間の役割がさらに重要視されるでしょう。

b. 学習と教育の変化

  • 個別化された学習: AIが個人の学習スタイルや進捗に合わせてカスタマイズされた教育を提供するため、学習効率が向上します。これにより、個人の能力や興味に応じた深い学びが可能になります。

  • 生涯学習の普及: 技術の進化が速いため、生涯にわたって学び続けることが当たり前になるでしょう。AIが学習を支援し、必要なスキルを継続的にアップデートする環境が整います。

c. 意思決定のプロセス

  • データ駆動型の意思決定: AIが膨大なデータを分析し、最適な選択肢を提示するため、人間の意思決定はよりデータに基づいたものになります。しかし、倫理的な判断や感情的な要素は依然として人間が担うことになるでしょう。

  • 倫理的な思考の重要性: AIが倫理的な判断を支援するツールとして使われる一方で、人間はより複雑な倫理的問題に対処するための思考力を養う必要があります。

2. AIを使う人と使わない人との格差

a. 経済的格差

  • 雇用と収入: AIを使いこなせる人々は、高収入の仕事に就きやすくなり、経済的に豊かになる可能性が高いです。一方で、AIを使わない人々は、低賃金の仕事に追いやられ、経済的に不利な立場に置かれる可能性があります。

  • 起業とイノベーション: AIを活用して新しいビジネスを立ち上げる人々は、大きな成功を収める可能性がありますが、AIを使わない人々はそのような機会を逃すことになります。

b. 教育格差

  • アクセスとリテラシー: AIを使いこなすための教育を受けた人々は、高度なスキルを身につけ、より良い仕事に就くことができます。一方で、AIリテラシーの低い人々は、そのような機会を逃し、教育格差が拡大する可能性があります。

  • デジタルデバイド: テクノロジーへのアクセスが不平等である場合、AIを使える人と使えない人の間に大きな格差が生まれます。特に、貧困層や地方在住者にとっては、この格差が深刻化する可能性があります。

c. 社会的影響

  • 社会的地位: AIを使いこなす人々は、社会的に高い地位を得る可能性が高く、逆にAIを使わない人々は社会的に孤立するリスクがあります。これにより、社会の分断が進む可能性があります。

  • 健康と福祉: AIを活用した医療や健康管理が進むため、AIを使う人々はより健康で長生きする可能性があります。一方で、AIを使わない人々は、そのような恩恵を受けられず、健康格差が拡大する可能性があります。

3. 格差を緩和するための対策

a. 教育の普及

  • AIリテラシーの向上: すべての人々がAIを使いこなせるよう、基礎的なAIリテラシー教育を普及させることが重要です。これにより、誰もがAIの恩恵を受けられるようになります。

  • 生涯学習の支援: 生涯にわたって学び続ける環境を整備し、技術の進化に遅れを取らないようにすることが必要です。

b. アクセスの平等化

  • テクノロジーへのアクセス: すべての人々が平等にテクノロジーにアクセスできるよう、インフラ整備や補助金制度を充実させることが重要です。

  • 公共サービスの充実: AIを活用した公共サービスを充実させ、誰もが基本的なサービスを受けられるようにします。

c. 倫理的な規制

  • 公平性の確保: AIの利用において、公平性や透明性を確保するための規制を整備し、特定のグループが不利にならないようにします。

  • プライバシー保護: AIが個人データを扱う際に、プライバシーを保護するための厳格な規制を設けることが重要です。

結論

AIが普及した100年後の世界では、人間の思考習慣が効率化され、創造性や倫理的思考が重視されるようになるでしょう。しかし、AIを使う人と使わない人との間に大きな格差が生じる可能性があります。この格差を緩和するためには、教育の普及、アクセスの平等化、倫理的な規制が不可欠です。未来の社会が誰にとっても公平で持続可能なものとなるよう、今から対策を講じることが重要です。




DeepSeek社の概要について

DeepSeek(杭州深度求索人工智能基礎技術研究有限公司)は、2023年5月に設立され、本社を中国浙江省杭州市に構える人工知能(AI)技術開発を専門とする企業です。学術的なバックグラウンド、強力な研究能力、そしてオープンソースエコシステム戦略を活用し、AI業界で急速に頭角を現しています。

1. 会社概要

  • 会社名: 杭州深度求索人工智能基礎技術研究有限公司(DeepSeek)

  • 設立: 2023年5月

  • 本社所在地: 中国浙江省杭州市

2. 創業者紹介

  • 創業者兼CEO: 梁文峰(Liang Wenfeng)広東省湛江生まれ

    • 学歴: 浙江大学AI専門

    • 起業歴: 幻方(High-Flyer)クオンツヘッジファンドの創業者

    • 金融分野の実績:

      • 幻方を中国四大クオンツヘッジファンドの一つに成長させる

      • ファンド評価額は80億ドル

梁文峰は、AIと金融の両分野で長年の経験を持ち、クオンツ金融における深い洞察とAI技術革新における独自の視点を持っています。

3. 主な強み

技術的な優位性

  • 迅速なイテレーション能力: 短期間で複数のオープンソース大規模モデルをリリースし、性能を向上。

  • 革新的なアーキテクチャ設計: 混合エキスパートモデル(MoE)やマルチヘッドアテンションメカニズム(MLA)で重要な技術的ブレークスルーを達成。

  • 効率的なトレーニング手法: FP8混合精度や複数トークン予測などを採用し、トレーニングと推論効率を大幅に向上。

資源面での強み

  • 十分な資金サポート: 創業者の金融業界での背景や投資機関からの資金提供により、資金調達が安定。

  • 幅広い業界リソース: 金融、インターネット、スーパーコンピューター分野での深い協力関係が、モデル研究と実用化を後押し。

  • クオンツ金融分野での経験: 金融イベントの分析やリスク管理に活用するモデルをアップグレードすることで、他分野への応用も促進。

4. 成長戦略

  • 基盤AIモデルの研究開発に集中: 大規模モデルを中心に、マルチモーダル、深層推論、効率的なトレーニングの方向性を模索。

  • オープンソースエコシステムへの取り組み: 技術の共有を促進するため、継続的にコードを公開。

  • 技術革新とイテレーションの継続: 経験とデータを蓄積しながら、モデルのアップグレードに活用。

5. 技術チームの背景

DeepSeekのメンバーは、清華大学、北京大学、中山大学、北京郵電大学などのトップ大学出身者が多く、若く高学歴で、オープンソースと革新を重視するという特徴があります。以下は主要メンバーの一部です。

代達劢:北京大学コンピュータ学部2024年博士卒業、穗志方教授の指導を受ける20以上のトップカンファレンス論文を発表、EMNLP 2023長文ベストペーパー賞を受賞
朱琪豪:北京大学コンピュータ学部2024年博士卒業ACM SIGSOFT傑出論文賞を2度受賞、DeepSeek-Coder-V1を主導開発
邵智宏:清華大学インタラクティブAI研究グループ博士生DeepSeek-Prover、DeepSeek-Coder-V2など主要プロジェクトに参加
趙成鋼:北京大学スーパーコンピュータチームメンバー世界大学生スーパーコンピュータ大会で3度優勝、DeepSeekで基盤構造の設計を担当
高華佐:北京大学物理学部卒業DeepSeek-V2のMLAアーキテクチャ革新に貢献
曾旺丁:北京郵電大学修士課程、張洪剛教授の指導を受けるDeepSeek-V2のMLAアーキテクチャ革新に貢献
辛華劍:中山大学ロジック学科卒業DeepSeek-Proverプロジェクトに参加、現在はエディンバラ大学で博士研究中

メンバーの学術的な背景の深さと、国際的な学会や競技会での輝かしい成果から、DeepSeekチームの卓越した研究力と革新性が示されています。



いいなと思ったら応援しよう!

日出丸
サポートありがとうございます!