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社会とAI開発の最前線をつなぐ総合的な人材を増やそう

今日は、「社会とAI開発の最前線をつなぐ総合的な人材を増やそう」なんて、私には分不相応に大きく出てみようと思います。

私はAIを楽しんで使っています。Chat GPTと話ができるのも楽しいです。Chat GPTに限らず、興味のあるAIツールもたくさんあり、いろいろと試しています。

noteでお馴染みのCanvaやBingも使っていますし、まだいいAIツールが見つかってはいませんが、手書きのイメージボードからアニマティック(ビデオコンテ)を作ることにAIを使ってチャレンジしてみたり、SunoとUdioを使って映画音楽のようなデモ曲が作れないか遊んだりもしています。

AIの最新動向は追い切れませんが、54歳のオッサンにしては、AI積極派だと自分では思っています。

実は、大昔の1990年頃、エキスパートシステムの流れをくむAIのシステムの開発をかじったことがあり、AIについての多少の土地勘はあるので、かなりブランクはありますが、AIシステム開発の最前線がどうなっているのかについて、興味をもって調べています。

AI技術の最前線をおさえるために、「特徴表現学習」については無視できないと思いますが、松尾豊先生の「人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの」という本は、「特徴表現学習」の仕組みを、私のようなエンジニアでない人間にも理解できるように説明してくれています。最新の本ではありませんが、AIの技術的なブレークスルーの本質を知るためには、おすすめだと思います。

また、私は20年ほどITシステムの開発に関わってきた経験はあるので、広く浅くですが、ユーザと、開発者の両方の視点でAIについて、見ることができるのではないかと思っています。

私がネットで調べた限りにおいては、AI開発についてのわかりやすい一般的な情報はそれなりにありますが、専門的に少し突っ込んだことになると、研究論文ばかりが出てきます。AIを専門的に開発している方は、昨今のAIブームで研究や開発に大忙しで現場に追われているでしょうし、専門家として一般向けに情報提供をするのは仕事でないので、仕方ありません。

でも、この状況は正直もったいないと思います。今はAIコーディネータのように、AIシステムの開発を依頼する顧客側(企業)とAIの開発側(専門家)の間に立って調整する役割の人もいるように、社会とAIの開発の現場をつなぐ情報がもっとあってもいいのではないでしょうか。

私が関わっていたIT産業はかつての花形産業でしたが、ITゼネコンと揶揄されるように、既得権益が強く、システムがブラックボックス化しやすい構造も作ってしまいました。IT業界の社会への貢献度はそれなりに高いでしょうが、業界が長い間抱えてきた課題が社会に及ぼす現実的な影響も看過できないと思います。

IT業界の本質的な課題は大きく2つあると私は考えています。あくまでも私的な見解なので、そんなことはないとお叱りをいただくかもしれませんが、あえて挙げさせてもらうと、以下のようになります。

  1. SIerなどの大会社→中堅の開発会社→中小の開発会社→フリーランスのエンジニア(派遣又はSES)のようなピラミッド型の受注構造による人材の非流動化による人手不足と業界のこう着状態。

  2. ブラックボックス化。例えば、ウォーターフォール型で開発された大規模システムが、上記の1の要因などによりシステムがブラックボックス化してしまい、システムの改修や改善が難しくなってしまうことなど。

ともかく、今はAI産業が花形産業です。IT業界とは違い、AI業界ではシステムをなるべくブラックボックス化しないように、社会に開かれたフラットな業界として「健康的に」成長してほしいと考えています。そのためには、企業とAI開発現場をつなぐAIコーディネータのような職業の認知と社会的価値の向上はもちろん、社会とAI開発現場の最前線を広くつなぐ総合的な人材の輩出にも期待したいところです。

こうした社会とAI開発現場をつなぐ総合的人材の育成には、営利目的な投資だけでなく、社会投資も必要だと思うので、国やアカデミアの役割も大きいのではないでしょうか。何よりも業界に既得権益構造を作らないようにして、流動性のある業界になってほしいです。その方が業界だけにとどまらない社会の大きな力になってくれる人材が輩出され活躍しやすくなると思います。

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林海平
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