【書籍】応援されて夢を叶える力: 私らしさ全開の38の秘訣ー安紗弥香さん
安紗弥香さんの『私らしさ全開でいい: 応援されながらやりたいことを実現していく38の秘密』を拝読しました。
本書では、安さんご自身の経験をもとに、自分らしさを全面に出しつつ、他者からの応援を受けながら夢や目標を実現していく方法について書かれています。彼女のユニークなキャリアや、どのようにして「コンビニ社労士」という特異なポジションを確立し、応援を得て成長していったのかが具体的に描かれています。この本は、自己表現を大切にし、他者から応援されることでどのようにしてやりたいことを実現するかについて、実践的なヒントやエピソードが書かれています。
「応援される」というのは、どの局面でも重要であり、また、人事施策からも考えるところがたくさんありました。内容から考察してみたいと思います。
はじめに
本書の「はじめに」では、著者の安さんが「コンビニ社労士」としての道を選んだ経緯が語られています。彼女はもともとコンビニチェーン本部で長く働いており、そこで得た経験を基に、コンビニのオーナーたちが抱える労務や人事の問題を解決するために、社会保険労務士として独立することを決意しました。彼女は「コンビニ社労士」という肩書きを自ら名乗り、コンビニ業界に特化したサービスを提供していますが、その背景には、長年の経験と労務知識が深く関わっています。
安さんは、コンビニ業界で働くオーナーやスタッフたちが、特に「人事」や「労働法」に関する知識が不足していると感じ、そのサポートが必要だと考えました。そのため、彼女は社労士資格の取得を目指し、苦労を重ねながらも見事合格し、独立しました。そして、彼女が自分らしさを大切にしながら、どのようにして応援を得て夢を実現してきたかが、本書全体を通じて詳しく語られています。
本書のテーマの一つは、「応援されることの重要性」です。安さんは、自分を偽ることなく、自分の弱さや不完全さを受け入れることで、周囲から自然と応援されるようになったと述べています。彼女のキャリアの中で、特に強調されるのは、独立してから多くの応援を受けながら事業を拡大し、様々な分野で活躍するようになったという点です。彼女の「応援される力」は、他者との信頼関係を築きながら、自然な形で引き寄せられてきたものであり、それが結果として彼女の成功を後押ししてきました。
第1章 応援されることのパワー
応援されることがどれほど大きな力を持っているかについて、具体的なエピソードを交えながら説明されています。応援されることが夢の実現にどれほどの影響を与えるか、また応援されることで得られる「3つのパワー」について詳述されています。
1つ目のパワーは、「人生が楽しくなる」ことです。安さんは、独立当初、仕事が思うように進まず、精神的にも不安定な時期がありましたが、家族や友人から「応援しているよ」と言ってもらうことで、自分が一人ではないことに気づき、前向きな気持ちを持ち続けることができたと語ります。応援されることによって、自分の視野が広がり、人生の楽しみや可能性が広がることを実感したといいます。
2つ目のパワーは、「チャレンジする勇気が得られる」ということです。新しいことに挑戦する際に不安や自信がないときでも、他者から「応援しているよ」と言われると、それが大きな勇気となり、チャレンジ精神を持ち続けることができると彼女は説明しています。応援されることで自信が湧き、新しいことに挑戦するモチベーションが高まるのです。
3つ目のパワーは、「仕事に繋がる」ということです。安さんが社労士として成功できたのは、彼女の能力だけではなく、多くの人々の応援とサポートがあったからこそだと述べています。彼女は、応援されることで得られた人脈やビジネスチャンスを活かし、仕事を拡大してきました。応援されることが、単なる好意だけでなく、実際の仕事やビジネスに大きな影響を与えることが、この章で強調されています。
本章では、応援が単なる「社交辞令」や「形式的な言葉」ではなく、実際に人の人生やキャリアに大きな影響を与える力があることが強調されています。安さんは、応援の言葉を素直に受け入れることの大切さを説き、応援されることで得られる恩恵を最大限に活用する方法を具体的に解説しています。
第2章 自分を見つめ直し、応援される存在になるために
応援されるためにはまず自分自身をしっかりと見つめ直し、自分らしさを大切にすることが重要であると説かれています。安さんはかつて、他人と自分を比較し、他者から完璧に認められたいと強く思っていた時期がありました。しかし、そうした考え方が逆に自分を苦しめ、周囲との関係を悪化させてしまったことを反省しています。
彼女は、ある時期、自分を偽り、無理に他人に認められようと頑張りすぎた結果、孤立感を抱え込んでしまいました。しかし、ある人からの「もっと素直に、自分らしくいればいい」というアドバイスを受け、彼女の考え方が大きく変わりました。それまでの「完璧でなければならない」という思い込みを捨て、素直に自分の弱さや失敗を受け入れることで、周囲から自然に応援されるようになったといいます。
また、彼女は「あなたには華がない」と言われたことをきっかけに、自分のコミュニケーションスタイルを見直し、他者との関わり方を変えていったと語ります。これまでは仕事に追われ、周囲とのコミュニケーションを軽視していた彼女ですが、この経験を機に、他者との関係を大切にし、よりオープンなコミュニケーションを心がけるようになりました。その結果、次第に周囲から応援される存在へと変わっていったのです。
彼女はまた、自分の良いところを100個書き出すというワークにも挑戦しました。このワークを通じて、自分自身の強みや個性を再認識し、それが自信へと繋がりました。自己承認の大切さを学び、自分の良い部分を積極的に受け入れることで、応援されるための土台が築かれていったのです。
第3章 私らしさ全開の38の秘密
安さんが「私らしさ」を全開にするために実践している38の秘訣が紹介されています。これらの秘訣は、彼女が自身の経験を通じて学んだものであり、それぞれが具体的かつ実践的な内容になっています。
例えば、彼女が大切にしている考え方の一つに、「ないものねだりをしない(足りないとは思わない)」というものがあります。彼女は他人と比較するのではなく、今自分が持っているものに目を向け、それを最大限に活かすことが重要だと考えています。また、「口癖は『ありがとう』」や「よく笑う」といった、日常生活での小さな行動も、他者からの応援を引き寄せるための重要な要素であると彼女は強調しています。
さらに、「未来思考」や「人を信じて任せる」といった行動原則も紹介されており、これらが彼女の成功にどのように繋がったのかが詳しく語られています。これらの行動や考え方を実践することで、誰でも応援される存在になれると彼女は力説しています。
この38の秘訣は、彼女が日常生活や仕事の中で実際に行ってきたことばかりであり、それが応援されるための土台を築く手助けとなったことがわかります。彼女は「自分らしさ」を大切にしながら、それを他者との関係に活かすことで、周囲からの応援を得て、成功を手にしてきました。
第4章 応援されるためのワーク
応援されるために必要な実践的なワークが紹介されています。特に「自分の良いところを100個書き出す」というワークは、自己承認を深め、他者から応援されるための第一歩として非常に効果的であるとされています。安さんは、このワークを通じて自分自身の強みや個性を再確認し、それを他者との関係に活かしていくことが大切だと述べています。
また、彼女は「私らしさ全開」であることが、応援を引き寄せるための最大の要因であるとしています。自分を偽らず、ありのままの自分を受け入れることで、自然と周囲から応援されるようになるという彼女のメッセージは、多くの読者にとって励みとなるでしょう。
本書全体を通じて、安さんは「応援されること」の持つ力と、そのために必要な自己表現の重要性を強調しています。応援されることで得られる恩恵は非常に大きく、それが夢の実現に直結することが理解できる内容になっています。また、彼女自身の体験をもとにした具体的なアドバイスやワークは、読者が自分自身の生活や仕事にすぐに取り入れられる実践的な内容ばかりで、私も実践してみてパワーをいただいたところです。
本書は、自己表現を大切にしながら他者から応援されることで、どのようにして自分の目標を達成していけるかを示したガイドブックです。安さんの体験を通じて、多くの人が自分自身の強みを見つけ、それを活かして応援される存在へと成長するためのヒントが詰まっています。読者はこの本を通じて、自分自身を見つめ直し、応援されながら成長していくための具体的な方法を学ぶことができるでしょう。
人事の視点から考えること
今度は、本書を人事の視点から考えてみます。特に注目すべきポイントは、「自己認識の促進」、「職場におけるコミュニケーションとサポートの文化」、「個々の才能を最大限に引き出すためのサポート」の3つに分類されます。
それぞれを深掘りしていくと、この本の教えがいかに現代の人事戦略に役立つかが見えてきます。これらの考え方を組織全体に取り入れることで、個人の成長と組織の成功が密接に結びついていくことが期待できます。
1. 自己認識の促進と自己成長の支援
自己認識を深めることは、個々の社員が自分の強みや弱点を理解し、それを活かして成長するための第一歩です。本書では、安さんが「自分の良いところを100個書き出す」というワークを提案していますが、これは社員一人ひとりが自己を深く理解するための非常に有効な方法です。このようなワークを通じて、自分が持っているスキルや特性を客観的に見つめ直し、さらにそれをどのように仕事に活かせるかを考えるきっかけとなります。
人事の役割としては、こうした自己認識の促進をサポートするための仕組みやツールを提供することが求められます。たとえば、360度評価や自己評価シートを用いたフィードバックセッションを実施することで、社員が定期的に自分のパフォーマンスを振り返り、自分の強みや成長すべき分野を明確にできる場を作ることが有効です。これにより、社員が自身のキャリアを積極的に管理し、自分の能力を最大限に発揮できるようになります。
また、キャリアカウンセリングやコーチングの機会を提供することも重要です。社員が自分の強みを見つけ、それを成長に繋げるプロセスにおいて、メンターやコーチのサポートは非常に有効です。例えば、定期的な1on1ミーティングを通じて、社員と上司が目標を共有し、成長の進捗を確認しながら、適切なフィードバックを与える機会を設けることができます。このように、自己認識を促進するための環境を整えることで、社員が自信を持ち、自分の持つ力を最大限に発揮することが可能となります。
特に、企業の人事戦略においては、社員一人ひとりが自分の強みを理解し、それを組織の目標達成にどのように活かせるかを考える機会を提供することが重要です。自己認識を深めることで、社員は自分のキャリアパスを明確に描き、将来的な目標に向けての計画を立てやすくなります。このような取り組みを組織的に推進することは、社員のエンゲージメントを高め、結果として企業のパフォーマンス向上にも繋がります。
2. 職場におけるコミュニケーションとサポートの文化づくり
本書で繰り返し強調されている「応援される力」は、人事の視点から見ても非常に重要なテーマです。社員が孤立せず、職場内で良好な人間関係を築き、互いに支え合うことは、組織全体の生産性や士気を向上させるために不可欠です。安さんの経験でも、周囲からの応援やサポートを受けたことで、彼女の事業は成長し、チャレンジすることが可能になったとされています。このような応援の文化は、組織全体に波及し、ポジティブな職場環境を作り出す要因となります。
人事部門の役割としては、社員同士が積極的にコミュニケーションを取れる場をつくることが重要です。例えば、チームビルディングのためのワークショップや社内イベントを定期的に開催することで、社員が互いに信頼関係を築きやすい環境を提供します。また、フィードバックや意見交換の仕組みを取り入れることも有効です。社員が気軽にフィードバックを受けたり、同僚と情報を共有できる場を設けることで、自然とサポートし合う文化が育まれます。
また、リーダーシップ研修を通じて、管理職が「応援するリーダー」として部下を成長させるスキルを磨くことも重要です。リーダーが部下の成果を的確に評価し、日々の努力を認め、応援することで、部下は安心してチャレンジできる環境が整います。これにより、部下は自分の力を存分に発揮し、職場内での信頼関係が強化されます。特に、リーダーシップ研修においては、「部下を応援し、その成長を促す方法」を中心に据えたプログラムを導入することが効果的です。
さらに、メンター制度や社内コーチングプログラムも、職場におけるサポートの文化を醸成するための有力な手段です。経験豊富な社員が新人や若手社員をサポートし、彼らが直面する課題に対して助言やアドバイスを提供することで、若手社員も安心して自分の力を伸ばすことができます。また、こうしたプログラムを通じて、社内での縦横の繋がりが強まり、職場全体の一体感が生まれるのです。
このように、人事部門は職場のコミュニケーションを活性化し、社員同士が互いにサポートし合える文化を作り出す役割を担っています。これにより、社員が安心して自分の強みを発揮できる環境が整い、結果として企業全体のパフォーマンス向上にも寄与することが期待されます。
3. 個々の才能を最大限に引き出すためのサポート
「私らしさ全開でいい」というメッセージの核心にあるのは、個々の才能や能力を最大限に活かすことの重要性です。本書の著者である安さんも、自分の「私らしさ」を全面に出し、それを基にしてさまざまなチャレンジをしてきた結果、現在の成功に繋がっています。この考え方は、現代の企業における人事戦略においても非常に重要な要素であり、社員一人ひとりの個性や能力を活かすための環境を整えることが、人事部門にとって大きな課題となります。
まず、個々の社員が自分の才能や能力を活かして働けるようにするためには、ジョブローテーションやキャリアパスの柔軟な設計が重要です。社員が新しいスキルや経験を積むことができる環境を提供し、異なる部門やプロジェクトでの仕事を経験させることで、社員が自分の持つ潜在的な能力を発見し、それを発揮できるようになります。例えば、定期的なキャリアディスカッションを行い、社員が今後のキャリアの中でどのようなチャレンジを望んでいるのかを確認し、その希望に応じて新しい役割やプロジェクトを提供することが効果的です。
また、社員が自分の才能を伸ばせるように、研修プログラムやスキル開発プログラムを充実させることも重要です。安さんが本書で語っているように、チャレンジし続ける姿勢を持つことが、成長の鍵となります。人事部門としては、社員が意欲的に新しいスキルを学び、仕事に活かせるような研修や学習の機会を提供することが求められます。オンラインコースや外部セミナーへの参加を奨励し、社員が自ら学び続けられる環境を整えることが重要です。
さらに、社員が自分の力を発揮するためのモチベーションを維持できるように、柔軟な働き方の導入も検討する必要があります。例えば、フレックスタイム制度やリモートワーク制度を導入することで、社員が自分のペースで仕事に取り組み、自分のライフスタイルに合わせた働き方を選択できる環境を提供することができます。このような柔軟な働き方の提供は、社員のワークライフバランスを保ちつつ、才能を最大限に発揮できる環境を作り出すために非常に有効です。
最終的に、社員が自分の強みを最大限に発揮し、組織に貢献できるようにするためには、エンゲージメントの向上が不可欠です。エンゲージメントの高い社員は、自分の仕事に誇りを持ち、モチベーション高く働くことができます。人事部門としては、社員の声を定期的にフィードバックし、その意見を反映させた環境改善を行うことで、エンゲージメントを向上させる取り組みが求められます。また、社員の成果を適切に評価し、報酬に反映させることも重要です。社員が自分の成果が正当に評価されていると感じることで、さらなるチャレンジ精神が生まれ、結果として個々の才能がさらに発揮されることに繋がります。
4. 応援される文化の醸成
最後に、本書で繰り返し強調されている「応援されること」の力を、企業文化として根付かせるための取り組みが人事において重要な役割を果たします。組織内で社員同士が互いに応援し合い、サポートし合う文化を醸成することは、社員の成長と企業の成功に直結します。
人事部門は、社員が互いにサポートし合う風土を醸成するための仕組みづくりを行う必要があります。例えば、社内SNSや評価システムを活用し、日常的に社員同士が「ありがとう」や「助けてくれてありがとう」といった感謝の言葉を気軽に送り合える環境を作り出すことが効果的です。また、社内表彰制度を設けて、特に周囲をサポートし、貢献した社員を積極的に表彰することで、社員同士の連帯感を高めることができます。
さらに、リーダーシップのトレーニングや部下とのコミュニケーション強化も、応援される文化を醸成するためには不可欠です。リーダーが部下を応援し、サポートする姿勢を示すことで、部下もまた、チームメンバーを応援し合う風土が育まれることでしょう。
他者からの応援を受けながら、自分の目標に向かって自信を持って進む様子です。曲がりくねった道は人生の旅路を象徴し、その道の途中で応援している人々が、周りからのサポートの力強さを表しています。柔らかな色合いと明るい空が穏やかさとインスピレーションを感じさせ、「My Authentic Self」と書かれた本を持つ姿は、自分らしさを大切にすることの重要性を表現しています。全体的に希望と前向きなエネルギーに満ちた、励まされるようなイメージです。
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