【書籍】『致知』2023年8月号(特集「悲愁を越えて」)読後感
致知2023年8月号(特集「悲愁を越えて」)における自身の読後感を紹介します。なお、すべてを網羅するものでなく、今後の読み返し状況によって、追記・変更する可能性があります。
今回は「悲愁を越えて」がテーマ。「悲愁」とは「悲しみに深く心が沈むこと。 悲しみとうれい。」という意味。誰にでも経験があることと思います。できるだけ忘れるようにするということも一つではありますが、一方で、悲愁に真摯に向き合うということもまた大切であります。改めて、このようなテーマを与えられることにより、多くの学びを得られたところです。多くの事例は、自身も経験する可能性は少ないであろう、尋常ではない、非常に厳しい状態に置かれ、悲愁に見舞われているわけです。その状態をいかに乗り越えていくか、多くのヒントがありました。いくつか、私自身が気づいた点をピックアップしてみたいと思います。
巻頭:數土文夫さん「士は以て弘毅ならざるべからず」 p2
「士」とは、道に志し、学問・修養につとめる人です。また、「弘毅」とは、度量が広くて意思が堅固であること。このような人材が不足しており、内村鑑三氏の『代表的日本人』にを読み直すべきとのこと。早速私も読み直してみたいと思います。
リード:藤尾秀昭さん 特集「悲愁を越えて」p8
「人の世は悲しみの海」確かに人の数だけ悲しみがあります。そして、同じ人でも、また違った類いの多くの悲しみがあるでしょう。私もさまざまな悲しみに会ってきたという覚えはあります。しかし、人の世そのものが悲しみ海だとすれば、それを避けることはできません。その中でどのように生きていくかということが非常に大切になってきます。
例に挙げられたお二人(石川不二子さん、玄侑宗久さん)の言葉はまさに学びが多い言葉であり、心に。止めておく必要があろうと思います。石川さんの言葉は、悲しみの「餌食」になってはいけないということであります。悲しみが自分が中心となってしまってはいけないということを指し示しています。
そして、玄侑宗久さんのお言葉。「すべてのことは自分が何かを学び、深まるために起こる」とのこと。悲しみも起こるべくして起きたもの。従って、それをどのように扱っていくかというのを、自分自身でしっかりと受け止め、考えていかなければならないということにもなります。
奇跡を起こす心の法則 井上裕之さん p26
井上さんが、ドライブをしている最中に奥様とお子さんが乗せていて、事故に遭ってしまった結果、奥様は長らく病院の生活になってしまったというものになります。まさに「死」という可能性もあるという中で、「悲愁」というのを感じたところでしょう。
しかし、井上さんは諦めることなく。実行していた。そんな状況というのはなかなかないと思いますが、実際に悲愁にあった際に、中村天風先生も、「心に使われてはいけない、心は人生をよくしていくために自分自身で使っていくもの」ということ。心は「使う」ものとのことです。ともすると心に潰されてしまうということがあるでしょう。自分が何をすべきかということをしっかり考えるということが重要であるということを改めて認識させられます。
どんな逆境にもポジティブスイッチは見つけ出せる 澤邊芳明さん p36
澤邊さんは、高校を卒業した18歳の春休みにバイクで交通事故に遭われます。そして頸椎が動かないということで、障害者になってしまいます。その望感というのは計り知れないものがあるでしょう。しかし、その中で。学校に入り、そして学生で起業をし、会社を大きくして行くわけです。これだけでも素晴らしいことです。会社もかなり成長しました。
しかし、コロナ禍で、仕事が減っていく状況がありました。その中でまた会社が倒産をするという可能性もあったわけです。その中で。澤邊さんのことを聞いて非常に感心したのは、「ネガティブに浸りきる」ということです。これはかなり衝撃的でした。通常はネガティブであるということをできるだけ避けようとするわけですが逆に「浸りきって」しまう。なかなかその状態を受け入れるということは難しいものですが。この状態になっていけば、光が見え、今回のテーマでもある「悲哀を越える」ということにも繋がるのかも知れません。
病気にとらわれず、今やれることをやりましょう 米澤佐枝子さん p43
米澤さんは40代でがんが発見されるという、ショッキング境遇があったわけです。しかし、それを乗り越えるにはどうしたらよいかというヒントが、たくさん詰め込まれています。
その中ででも、「ひとまずそこに置く」というのは、非常に大事なところだと思います。まずはニュートラルな視点に立つということでしょう。放っておくと解決したという経験は誰にでもあるはずです。だから置くというのも大切だと思います。
また、よく言われるように、相手を変えることは困難であるから、自分が変わること、それが重要だと思います。そして自分ができるということをやるということも、意外に忘れがちでありますが重要なことと思います。「昨日よりも今日一歩進んでいる」という感覚が非常に大切です。
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