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続・「経済」というものについて、「ガチ」で考えてみたのです

費用対効果の論理を公共交通にはめると?

さて、前回は公共事業における「需給調整規制」について、
このことが言ってみれば硬直的な経営体質を生んで、
利用者の利便を損ねていたり、補助金制度に頼るあまり、
ものすごく高コストな経営状況になって、
言ってみれば「赤字垂れ流し」になっているという
ところまでお話ししました。

このままではいかんということで、
じゃあ、いっそのこと、この規制をはずしちゃって
公共事業も「自由競争」させたら、
みんな経営努力するんじゃないか?


っていうことになったのが「規制緩和」という動きです。
そして、優れた事業者にどんどん新規参入してもらい、
経営を活性化させたら、市場原理が働いて、
自然と利用者の利便もあがるだろう
というもくろみがありました。

 さて、平成14年2月に道路運送法などが改正され、
公共交通がいっせいに規制緩和されました。
今年で20年経過したわけですが、実際はどうでしょうか? 

さてふたを開けてみると

よいか悪いかは評価は分かれるところですが、
案の定「二極化」がはっきりしてきたのではないか
というところでしょうか。
 これは経営が好調な業者とそうでない業者というだけでなく、
大都市と地方都市にその二極化が現れてきていると言うことです。

 規制緩和後、その自治体の人口規模によって、
それぞれの公共交通に対する取り組み方が違っており、
その成否がさまざまな要素で別れているということです。

つまり、「勝ち組」と「負け組」が顕著になったということです。
これは人口規模の大小に限らず、公的な取り組みも含めた
公共交通事業者の「経営力」がそれを左右しました。

 で、あたし自身が大きく感じた事は、
上手く行った地域となかなか苦戦している地域とでは、
その経営スタンスに大きな違いがあるのではないのか。
という事です。

それは規制緩和された「自由競争」ですから、
どうしてもそういうものは出てきます。
したがって、経営努力がうまく行かなかった場合、
事業縮小か路線廃止、さらには合理化という事になりまして、
結果「交通難民」が生まれた例もあります。
合理化で経路が複雑化、また便数の減少によって
ますます不便になり、公共交通離れに
拍車がかかるという状況も生み出している例もあります。
その一方で、さまざまな経営努力で
収益を上げている事業者もございます。

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公共交通は「弱者の移動手段を守る」という大きな命題があります。
そこで問題になるのは、たとえば第3セクターや
代替参入した事業者が、「ただそれだけ」でいいのか
という事なのでございます。
赤字経営で補助金もらい、ただ凌ぐだけで、
そのうち費用対効果がないから
廃止の憂き目に遭う運命を呪うだけでは、
どうしようもないという事です。

経済は「人のために生き残る」サバイバルである

 つまり、規制緩和されたからには
「なりふり構わず、知恵を絞って利潤を上げる経営をしなさいよ。」
という事です、それが企業なんですよ。

「利潤をあげるなんて、そんな儲け主義じゃ・・。」
というのは経済をわかっていない物言いでございます。

 経済の本質は「最大多数の幸福」にあるわけで、
経済活動は実は皆が「自分が儲ける」ために活動することで、
実は結果として他の人の幸福につながる
というメカニズムなんですな。

 「規制緩和」はある意味このためのカンフル剤です。
むろん、副作用はありますが、あたし自身としては、
儲けることによって結果として「交通弱者の足が守られる」のなら、

それはそれでいいと思っておるのです。
「凌ぐ」だけではじり貧になります。
むしろ「稼ぐ」気概でいなければ、
規制緩和後の「弱者の足」は守りきれないでしょう。
この「守る!」という共通理念だけは絶対ぶれちゃいけません。

ましてやいま、このコロナ禍で、
「いままで通り」を考えるより、「皆のために生き残る」道
考えることが肝要です。
その理念も、同じ気概で乗り切ることだと考えます。

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