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続・若者にも聞かせたいお金のお話

現在流通している「お金」のしくみ

さて、前回のつづきです

現在世界中で流通しているお金(紙幣)は、
以前のように金や貴金属と交換が保証されていません。

これを「不換紙幣」と呼びます。
でも、どうして「通貨としての価値」が生まれるのかというと、
各国の中央銀行がその価値を保証しているからです。
つまり、金とは交換しないけれども
「銀行券」としての価値は保証しますよ
という仕組みです。

以前は「銀行券」は何らかの形で貴金属と交換をしてくれました。
50年くらい前までは、アメリカのドル紙幣を「兌換紙幣」とし、
ドルを通じて金に交換できる「金本位制」が普通な形でした。
これは1944年に取り決められた
「ブレトン・ウッズ協定」に基づいたものです。

ブレトン・ウッズ協定って何ですか?

第一次世界大戦までは、日本も含めて世界の主な国々は、
自国通貨と金や銀との交換をしていました。
このことで通貨の価値を保証していたのです。

ところが、第一次世界大戦後にヨーロッパ各国や日本は、
金の保有量を大幅に減らしてしまったので、
金との交換が出来なくなったのです。
このことによって、
各国の通貨の価値は非常に不安定なものになりました。

しかし、豊富な資源や工業力があり、
第一次大戦、二次大戦の戦場にならなかったアメリカだけは、
金の保有量を増やし、世界経済において一人勝ちの状態でした。
そのため、第2次世界大戦が終わった段階で、
アメリカは世界中の金の約70%を保有していました。

日本の敗戦がほぼ決定的となった1944年、
アメリカのブレトン・ウッズという町で、
戦後の世界経済のあり方、
特に金融のシステムをどうするかの話し合いがもたれました。

この中で、各国の金保有不足を克服しながら
「金本位制」を維持していくため、
兌換通貨をアメリカドルのみとし、
各国の通貨の交換比率(為替レート)を固定しよう。
ということになりました。

 このことで、アメリカのドルに対する自国通貨の価値を固定し、
間接的に金と交換できるという仕組みになったのです。
いわば、「米ドル」本位制ともいえる体制です。
この体制のことを「ブレトン・ウッズ協定」体制というわけです。

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世界の通貨が「金本位制」でなくなった原因

第二次世界大戦後、日本を含め各国は経済成長を続けていくと、
さすがに「アメリカ経済の一人勝ち」という状況にはならなくなりました。アメリカとの「貿易摩擦」という言葉がどんどん頻発し、
アメリカの貿易赤字が進んでいきます。

アメリカドルの流出は、同時に金の流出を意味します。
各国は貿易黒字で得たアメリカドルを、
どんどん金に換えていきますので、
アメリカの保有する金の量はあっという間に減っていき、
「枯渇する」危機に見舞われました。

 そこで1971年、アメリカのニクソン大統領が
ドルと金の交換を停止する。と発表しました。

これを「ニクソン・ショック」とよんでいます。
したがって、今流通している各国の通貨は、「金」という価値から、
「各国の中央銀行が保証する価値」への
「信頼」
のもとに成り立っているといえるのです。

ですから、現在の経済や金融システムは
こういった「信用」に基づいているといえるでしょう。
社会や国家、そしてシステムに対する相互の信用が崩壊すれば、
それこそ貨幣経済そのものが崩壊してしまうという、
ある意味恐ろしい関係性を持っているといえるでしょう。

突っ込んだお話しは、いずれの機会で・・。


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