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前略、村野 純 様
先日はあたしのこと、助けていただいて、どうもありがとうございました。本当に怖かったんです。
もうダメかと思った時、本当に「正義の味方」がやってきた
そんな印象でした。
そのあとも、あなたの言葉で、あたしは「震えが止まった」
本当に・・。安心できた。
こんな怖いことは、これからあたしの身に降りかかるかも知れないんだ。
だけど、あたしには「ヒーロー」が絶対いる。
そんな気持ちになったんです。
あなたは優しい言葉であたしの「味方」になってくれたばかりか、相手と戦ってくれたんだ。
「義兄」からもそう聞いた。
もっとうれしかった。本当にありがとう。
あのことで、一瞬にして「男なんて獣」って思ったあたしの傷を
本当にいやしてもらった。まるであたしにとって、正義のヒーローです。
あなたはあたしにとって特別な存在になってしまいました。
子どもだなんて思わないでください。
好きになることに、理由なんか必要ないと思います。
ただあなたが、あたしの心の中に一杯になってしまった。
心を止められません。ただそれだけです。
だから、告白します。
あなたに、あたしを一人の女性として向き合ってほしい。
本気でそう思ったんです。あたしは、あなたが好きです。
あなたの味方になりたい、あたしもあなたのヒロインになりたい。
そう心から思いました。
あたしの「裸の心」です。
どうか、受けとめてください。
PS
I'm foreign love to you・・・
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あ”~~! いつになったら渡せるんだろう・・・。
また今朝も、反対方向の電車・・・・か。
あれ・・・?
目の前に村野純が立っていた。
「おはよう、飛鳥ちゃん・。」
「・・・・おはようございます。」
飛鳥は顔が火照るのを、隠しきれない。
「・・お?・・なした?」
またあの素朴な「北海道弁」・・。
・・・そうか、これも好きだったんだ・・。
いつもそばで聞いていたいんだ・・。ホントに・・。
飛鳥は意を決した。
「あの! これ読んでください!!」
「あ・・。」
半ば強引に、純に手紙を手渡した。
そして、飛鳥はそのまま反対側のホームに来た電車に飛び乗ってしまった。
「あ~~~、また遅刻だ。・・・・でも、ま、いっか・・・」
安堵した表情で、ベンチシートの真ん中に、ふっと腰掛けて宙を見た。
「村野さんみたいな留年人生、またいいかも・・。」