あ”~~! いつになったら渡せるんだろう・・・。
また今朝も、反対方向の電車・・・・か。
あれ・・・?
目の前に村野純が立っていた。
「おはよう、飛鳥ちゃん・。」
「・・・・おはようございます。」
飛鳥は顔が火照るのを、隠しきれない。
「・・お?・・なした?」
またあの素朴な「北海道弁」・・。
・・・そうか、これも好きだったんだ・・。
いつもそばで聞いていたいんだ・・。ホントに・・。
飛鳥は意を決した。
「あの! これ読んでください!!」
「あ・・。」
半ば強引に、純に手紙を手渡した。
そして、飛鳥はそのまま反対側のホームに来た電車に飛び乗ってしまった。
「あ~~~、また遅刻だ。・・・・でも、ま、いっか・・・」
安堵した表情で、ベンチシートの真ん中に、ふっと腰掛けて宙を見た。
「村野さんみたいな留年人生、またいいかも・・。」