Return to Cave
今日、彼女を土に戻した。
さらさらとした、灰白色の遺灰になったかつての肉体は
石造りの無機質な穴の奥へ
さらさらと流れて入っていった。
立ち上る線香の煙と匂い
そして、低くうなるような読経の中
その、何かは、土への入り口に戻っていった。
しかし、その中で、ふと考えた。
そうか、人はこういった狭い穴から出でて
最期には、こういった穴を通り抜け
大いなる胎内に戻るのか・・・・と。
考えれば、「洞窟」の奥には
命をはぐくむ「胎」がある。
そうやって、生命は無限につながっていくのか。
そんなことを考えながら、
たちのぼる線香の煙を見ていた。
命のゆくえとは、何なのだろう。
そう、自分も含め、自分はどこから来て、どこに行くのか
贈る言葉・・そうだなぁ・・・。
ナウマク・サマンダボダナン・アビラウンケン・・・ソワカ。