“初めての焼肉”事件
今日、テレビで
『ワイドなショー』を見てると、
松本人志さんが
「我が家の焼肉は
ウィンナーを焼いてた」
と話していた。
それを聞いて、昔のことを思い返した。
僕が人生で初めて
「焼肉」
を食べたのは、
忘れもしない1975年。
そう、カープ初優勝の時だ。
優勝の嬉しさに
気が大きくなった父が、
「よし、焼肉に行くぞ」
と言った。
当時小学3年生。
人生初の焼肉。
「近所の焼肉屋『勝』に
ついにデビューする時が来たか…」
とシミジミ。
夜に店の前を通るたびに
美味しそうな匂いにやられて
憧れていた焼肉屋『勝』。
僕は父の後ろを歩きながら、
『勝』から漂う匂いを
早くもロックオンしていた。
しかし!
しかし、である。
父は『勝』の前を素通りすると、
馴染みのラーメン屋に入るではないか。
「え?焼肉は??」
と戸惑いながら入店すると、
「焼肉じゃけえな。
ここに座ろう」
と、鉄板の前に腰を据えた。
広島市内では割と普通に、
ラーメン屋にも鉄板があり、
そこでお好み焼きも焼いてくれる。
僕の中の“焼肉期待値”は
急降下していった。
でも、店のおばさんが
肉を焼き始めたので、
一気に上昇した。
そして次々と投入される野菜たち。
仕上げにタップリと
『黄金の味』がかけられる。
皆さんお気づきの通り、
これは焼肉ではない。
“野菜炒め”だ。
しかし焼肉を食べたことのない僕は、
タレの匂いと味にやられてしまい、
「なんて美味しいんだ!」
と狂喜乱舞しながら食べた。
そんなことを思い出した、
今日のお昼だった(完)。