傭船契約の種類と書式

傭船契約といってもその目的によって以下の3種類がある。

一航海に船を用いる傭船航海契約(Voyage Carter)

一定期間を定めて長期的に船を用いる定期傭船契約(Time Charter)

船舶だけを借り受ける裸傭船契約(Bareboat Charter)

前二つは、船主が運用する船舶を用いて傭船者が貨物を運送することを目的としており運送契約であるのに対し、裸傭船契約は船舶そのものの賃貸借契約である。

商社が行う原油、鉱石、化学品、穀物等のバルクトレードには通常航海傭船契約がセットで手配される。

傭船契約雛形

傭船契約には、前述の契約の種類、船舶の種類、対象商品の種類等により多様な雛形が用いられている。

よく使用するのは以下の業界団体のもの。

Baltic and International Maritime Council(BIMCO)作成:GENCON1994、BALTIME etc.

Association of Ship Brokers and Agents (ASBA) : NYPE, ASBATANKVOY, ASBACHEMVOY, ASBATIME etc.

特にASBAはCharter Party EditorなるCP作成ソフトも提供している。


それぞれの団体の雛形は船主、傭船者のバランスを考えて設計されており、雛形をそのまま用いている限りは、ある程度の公平性を期待できる。しかし、大手海運会社等はこれら雛形をRiderにて修正していることが多いため注意を要する。また、ShellやExxon等のエネルギー大手の雛形も一般的に用いられているが、こちらもそれぞれ内容が異なるため注意を要する。尚、ファイナンスを組成する場合等には、そうした標準雛形を使うことはファイナンサーには歓迎される。


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