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4.銀行はお金の産まれ故郷でもあり、働く場所でもある


銀行はお金の生まれ故郷


前章で銀行のことを少しだけお話しました。
僕たちの生活の中で、銀行という存在は良くも悪くも大きな影響を与えます。
そもそも、銀行とは何でしょうか?

ボクたちの生活にとってお金は切ってもきれない関係で、とても大切な存在であることは間違いないかと思います。
ボクたち人間を守ってくれる場所は、元来自分のお家のはずです。
お家は本来とても安全な場所です。

そしてボクたちが産まれた場所は、というと大半の場合、産婦人科のある病院やクリニックですよね。(ご自宅や別の場所で産まれた、という人もいるかと思いますが、ここではあくまでも一般的なお話としてご了承ください)
あなたの持つお金にとってみても、帰るべき場所はあなたのお家です。
では、お金が産まれた場所は、というと、それが銀行です。

前章でもお話したことでもありますが、「信用創造(マネークリエーション)」によってお金はこの世に産み落とされました。
そして、直接、または巡り巡ってあなたのお家に、現金という目に見える形か、預金という目に見えない形でやってきました。
そして一旦はあなたのお金という「仮の形」をとり、あなたの「家族の仲間入り」をします。
仮の形、といったのは、それが借り入れで得たお金であった場合、厳密にいうとあなたのものではないからです。

それはともかくとして、あなたのもとにやってきたお金は、自宅で貯金箱やタンス預金でもしない限り、あなたのお家から、別の場所へと移っていきます。
その一部は産まれた場所である銀行に、「銀行預金」という乗り物に乗って帰っていきます。

銀行はお金が働く場所


こうしてお金はあなたの元から様々な場所へと旅立つのですが、ここでは行き先を「銀行」に的を絞ってお話をします。

あなたのお金となった後は、産みの場所である銀行は、仕事場へと様変わりします。

あなたも、あなたのご家族も、多くはお家から仕事場へと出かける方が多いと思います。
お金もあなたのお家から仕事場へと出かけます。
しかもお金の場合は、言うなれば単身赴任です。
銀行へと単身赴任したお金たちは、そのまま銀行にずっと居続けるだけではなく、そこから色々なところに働きに出ます。

例えば証券会社や保険会社といった、銀行の仲間のような場所に行ったり、ありとあらゆる会社にも行きますし、いろいろな人の元にも出向きます。
ボクたち社会人も元居た会社から様々なところに出向したり、出張したり、転勤したり、つまりは稼ぎに行きます。

お金も同じです。
お金も色々なところに出向いて、稼いでくれます。
人間もお金も、ただお家にいただだけでは1円も稼ぎにならないのです。
(人間の場合は、在宅ワークする人もいるではないか、という声が聞こえてきますが、在宅ワークする人であっても、必ずどこかに所属していたり、結びついていたりしていますよね)

お金は銀行でどんな仕事をするのか


さてお金は銀行で、または銀行を通してどんな働きをしているのでしょうか。

まずは居残り組です。
居残り組は「銀行預金」の中で、利子を稼いでくれます。
今では、本当に微々たる利子(とあるメガバンクでも0.001%)しかつきませんが、それでもお家にいるよりはマシです。
お家にいたらその微々たる利子すらつかないのですから。
あなたのお家でも、健康なお父さんやお母さんがお家で何もせずにただいるだけでは、何の稼ぎにもなりませんよね。

続いて出張組です。
出張組は「銀行預金」という乗り物で別の場所に行きます。
会社や個人の他の銀行口座です。
人間でいうと出向とか転勤になります。
その際もただで移動するわけではありません。
移動するには振込手数料という名の乗り物料金が必要です。
この乗り物料金を集めることも、銀行の中でのお金の仕事の1つです。
また、銀行はお金を必要としている企業や人にお金を貸し出します。
それが何度か文中にも出てくる「信用創造(マネークリエーション)」という動きです。
お金は銀行のマネークリエーションで産み出され、「行くべきところ」に行きます。
行くべきところとは、お金を必要としているところ=借主のところです。
しかも集団で、まとまって、「銀行預金」という大型バスで何台も連なって、その場所へと向かっていきます。

このように銀行は、お金にとっての会社であり仕事場なのです。

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