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『3.0 / 5』 第7話

どうも、最近なぜかあいみょんのマリーゴールドにハマっている上神です。

オリジナル脚本『3.0 / 5』の第7話です。


▼前回(第6話)までのあらすじ

就職活動中の大学生・黒羽透は、同級生の美咲奈々が気になる存在。しかし、思うように自分の気持ちも伝えられず、就職活動も上手く行っていない状況。
ある日、奈々が最近、なぜか学校を休んでいることを知った透は……

▼第1話から読みたい方はコチラ


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『3.0 / 5』 第7話


※第6話の内容が一部、含まれます。

◯道路(夕方)

信号が赤信号になり、横断歩道の前で立ち止まる、透。
透、携帯電話を開く。
携帯の画面には『美咲奈々』の連絡先が表示されている。
透「(携帯の画面を見て)……」
信号が青になり、歩行者が歩き出す。
立ち止まっている、透。
透、前方にある青信号をぼんやりと見る。
青信号が点滅し、赤に代わる。
透、携帯画面を見て、電話をかける。

奈々の声「もしもし」
透「もしもし、黒羽ですが…」
奈々の声「えっ、黒羽くん?」
透「うん」
奈々の声「あれ?何で番号……」
透「椎名さんから聞いたんだ」
奈々の声「香から?」
透「ずっと美咲さんと連絡が取れないって心配してて……。それで僕も心配になったからさ、電話番号教えてもらって」
奈々の声「あ、そうだ!香に連絡するの忘れてた。悪いことしたな……」
透「あ、そういうことね……」
信号をぼんやりと見る、透。
信号は青に変わっている。
透、まっすぐ歩き出す。

透「……それで?美咲さん、体調でも悪いの?」
奈々の声「う〜ん、私の体調は大丈夫なんだけど……」
透「ん?私はって?」
奈々の声「う〜ん、どっから説明すれば……。あ、そうだ、黒羽くん、今日暇?」
透「え?今日は暇だけど」
奈々の声「じゃあ、ウチに来る?」
透「えっ?」
思わず立ち止まる、透。

透「い、家に行っていいの?」
奈々の声「うん、実家なんだけど、料理作りすぎちゃってさ」
透「(ボソッと)あ、実家ね……」
奈々の声「ん?」
透「(焦るように)あ、いや、何でもない」
奈々の声「それで、何時から来れそう?」
透「今からでも行けるけど……、場所はどの辺り?」
奈々の声「えっと、場所は後でメールするね」
透「分かった」
透、電話を切る。
ぼんやりと前を歩く、透。

◯道路

閑静な住宅街の中に、団地が立ち並ぶ。
スマホで地図を開き、キョロキョロしながら歩く、透。
透「(美咲家のマンションを見つけて)あ、ここか」

◯美咲家・玄関〜リビング

玄関の前に着く、透。
透、一呼吸置き、そーっと呼び鈴を鳴らす。
ピンポーン、と鳴る。
奈々の声「はーい」
玄関のドアが開くと、エプロン姿の奈々。
奈々「あ、いらっしゃい」
透「(照れながら)こ、こんばんは」
奈々「どうぞ、中へ」
透「お邪魔します」
靴を脱ぎ、美咲家に入る、透。
透、散らかった洗濯物、洗い物をチラッと見る。
奈々「ごめんね、ちょっと散らかってて」
透「ううん」
奈々「あ、そうだ、黒羽くんって何か食べれない物ある?」
透「いや、特にないけど……」
リビングに入る奈々、透。
奈々「そこのソファでゆっくりしててね」
透「うん、ありがとう」
透、横の部屋のベッドで寝ている奈々の母、美咲奈緒(52)が目に入る。
奈々、冷蔵庫を開ける。
奈々「あ!やばっ!」
と、突然、大きな声を出すと、ビクッとする、透。
透「ど、どうしたの?」
奈々「いや、醤油がなくて……」
透「(ホッとして)あ、なんだ、醤油ね」
奈々「ちょっと買ってくるね」
透「えっ?いや、いいよ」
奈々「いや、醤油がないと作れないの」
透「そ、そう……」
奈々「じゃあ買ってくるから、他に必要なものある?」
透「いや、ないけど……。ってか僕も一緒に行くよ」
と、立ち上がると、
奈々「大丈夫、すぐ近くだし。ゆっくりしてて」
透「(残念そうに)……うん」
奈々、玄関のドアを開け、
奈々「じゃあ、いってきます」
透「いってらっしゃい」
と、ソファに座る、透。
透、横の部屋のベッドで寝ている奈緒を、チラッと横目に見る。
奈緒「ん……、誰?」
透「!」
ぼんやりと目を開けた奈緒と目が合い、ビクッとして思わず立ち上がる透。


<第7話、終了>

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※第8話は5月20日(月)に公開予定です。


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