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『3.0 / 5』 第9話


どうも、6月から週末バーテンダーの仕事を休業ということで、今から酒を欲している、上神です。

オリジナル脚本『3.0 / 5』の第9話です。


▼前回(第8話)までのあらすじ

就職活動中の大学生・黒羽透は、同級生の美咲奈々が気になる存在。しかし、思うように自分の気持ちも伝えられず、就職活動も上手く行っていない状況。
ある日、ひょんなことから奈々の家に訪れることになった透だったが……。


▼第1話から読みたい方はコチラ


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『3.0 / 5』 第9話


◯美咲家・奈々の部屋(夜)

机に座ってボーッとしている奈々。
奈々、あっ、と何かを思い出したかのように電話をかける。

◯道路

香、下を向きながら、道路を歩いてる。
携帯電話が鳴り、画面を見る、香。
『美咲奈々』の名前が表示される。
思わずその場に立ち止まり、電話に出る、香。
奈々の声「もしもし」
香「はい」
奈々「香、ごめんね、ずっと電話してくれてたのに」
香「全然いいけど、大丈夫?学校来てないけど、何かあった?」
奈々「ちょっと色々あってね……。でももう大丈夫!学校にはあまり行けないかもしれないけど」
香「(苦笑して)いや、大丈夫じゃないじゃん!体調でも悪いの?」
奈々「体調は大丈夫なんだけど……。まぁ、とりあえず明日は学校に行くから、その時に話すよ」
香「そう、それなら良かった……」
奈々「あ、それと、黒羽くんに連絡先教えてくれてありがとね。まさか黒羽くんから連絡来ると思わなくてびっくりしたけど」
香「へぇ〜、あの人わざわざ連絡したんだ……」
奈々「うん、ウチにも遊びに来たよ」
香「(動揺し)えっ?マジ?」
奈々「ホント、ホント」
香「大丈夫?何かされなかった?」
奈々「(笑いながら)全然、何も。まぁ何もなさすぎて、逆に寂しかったりもして……」
香「え?まさか奈々、あんた……」
奈々「うそうそ。じゃあ私、明日1限で朝早いからまたね」
香「うん、じゃあまた明日」
香、電話を切る。
前を向いて、道路を歩き始める、香。

◯三田大学の教室・廊下(日替わり、朝)

透、香とばったり会う。
香「おはよう」
透「あ、おはよう」
香「ちょっと、あんたさぁ……」
透「な、何?」
香「(ニコッとして)やるじゃん!」
ドン、と透の肩を押す香。
透「う、うん……?」
香「今回の件は褒めてあげるよ」
透「(首を傾げて)どうも……」

◯三田大学の教室・中

大勢の生徒がいる教室。
教室には会話をする生徒、レポートを書く生徒、スマホをイジる生徒がいる。
奈々、教室に入ると、透と香が会話している所を目撃する。
奈々、二人に近付きながら。
奈々「おはよう〜!」
透・香「おはよう」
奈々「何その珍しいツーショット」
透「まぁ、確かに……」
奈々「私が学校いない間に、二人デキたの?」
香「そんなバカなことあるわけないじゃない。こんな根暗で量産型みたいなヤツと」
透「いや、ストレートすぎるわ」
奈々「確かに、それはないか……」
透「え、まさかの美咲さんまで」
奈々「ハハハ、うそうそ」

海斗、教室に入る。
透、海斗を見つけて、海斗を呼ぶように。
透「お、チャラ男が来た!」
海斗「(戸惑いながら)お、おう」
透「……?」
奈々「泉くん、久しぶり!」
海斗「うん、久しぶり」
香「どうしたの、海斗?何かゲッソリしてるけど」
海斗「いや、別に」
透「(海斗をジッと見て)……」
奈々「そういえば、最近忙しいの?ユーチューブ、動画アップしてないけど」
海斗「ん、まぁちょっとね……。あ、俺、トイレ行ってくるわ」
海斗、トイレに向かう。
不思議そうな表情の奈々と香。
透「ちょっと俺もトイレ」
透、海斗の後をついていくように、トイレに向かう。


<第9話、終了>

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※第10話は6月3日(月)に公開予定です。


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