『3.0 / 5』 第6話

どうも、GW中は毎日が二日酔いでした、上神です。お酒やめます(口だけ)

オリジナル脚本『3.0 / 5』の第6話です。


▼前回(第5話)までのあらすじ

就職活動中の大学生・黒羽透は、同級生の美咲奈々が気になる存在。しかし、思うように自分の気持ちも伝えられず、就職活動も上手く行っていない状況。
ある日、奈々が最近、なぜか学校を休んでいることを知った透は……


▼第1話から読みたい方はコチラ

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『3.0 / 5』 第6話


※第5話の内容が一部含まれます。



◯同・図書館

レポートを書く生徒、本を探す生徒がいる。
図書館でパソコンを開く、透。
透、パソコン画面の検索窓に『20代 女子 悩み』と打つ。
透「(考え込むように)……」
透のスマホに海斗からメールが届く。
透、海斗から送られたメールを読む。
海斗のメール「オッス、量産型男子、元気か?」
透のメール「誰が量産型男子だ、誰が」
海斗のメール「(笑)」
海斗のメール「今どこ?」
透のメール「大学の図書館」
海斗のメール「じゃあ俺も後で行くわ」
海斗のメールをぼんやりと見つめる、透。
透、ゆっくりメールを打ち始める。
透のメール「そういえばさ、前の飲み会ごめんな、途中で帰って…」
海斗のメール「全然大丈夫!気にしてないから^^」
携帯画面を見ながら少し口元が緩む、透。
海斗のメール「そういえば、香から伝言があってさ」
透のメール「香?椎名さんのこと?」
海斗のメール「そう!『美咲さんの連絡先を透に教えといて』ってさ」
透「!」
透のメール「でも何で?」
海斗のメール「さぁ?とりあえず、そっちに向かうわ」
透のメール「了解」
透、しばらく携帯をぼんやりと見る。
透「(不思議そうにして)……」

◯(回想)同・教室

教室の前で会話をする、海斗と香。
香「ちょっと待って、海斗」
と、海斗を引き止める香。
海斗「ん?」
香「その黒羽くんにさ、奈々の連絡先教えといて」
海斗「奈々って美咲さん?」
香「そう」
海斗「何で?自分で教えたらいいじゃん」
香「お願い、海斗にしか頼めないの」
海斗「まぁ、いいけど……」
海斗のスマホに連絡先を送る、香。
香「はい、じゃあお願いね」
海斗「でも何で美咲さんの連絡先を?」
香「まぁ……理由はその信用できる量産型男子に聞いてみて。じゃあね」
と、海斗の元から去る。
海斗「おい!」

(回想終わり)

◯同・図書館

図書館でパソコンを開く、透。
海斗、歩いて透の元にやってくる。
海斗「よぉ、待った?」
透「いや、全然」
海斗「とりあえず美咲さんの連絡先を教えとくわ」
透「うん、ありがとう」
海斗、透に奈々の連絡先を送る。
海斗「でも、何で美咲さんの連絡先を?」
透「ん〜、話せば長くなるんだけど……」
海斗「ふ〜ん、じゃあいいや」
透「いいのかよ!てか、海斗って椎名さんと仲良かったんだな」
海斗「うん、元カノ」
透「えっ……」
透・海斗「(お互い顔を見合わせて)……」

◯道路(夕方)

信号が赤信号になり、横断歩道の前で立ち止まる、透。
透、携帯電話を開く。
携帯の画面には『美咲奈々』の連絡先が表示されている。
透「(携帯の画面を見て)……」
信号が青になり、歩行者が歩き出す。
立ち止まっている、透。
透、前方にある青信号をぼんやりと見る。
青信号が点滅し、赤に代わる。
透、携帯画面を見て、電話をかける。

奈々の声「もしもし」
透「もしもし。黒羽ですが…」
奈々の声「えっ、黒羽くん?」
透「うん」
奈々の声「あれ?何で番号……」
透「椎名さんから聞いたんだ」
奈々の声「香から?」
透「ずっと美咲さんと連絡が取れないって心配してて……。それで僕も心配になったからさ、電話番号教えてもらって」
奈々の声「あ、そうだ!香に連絡するの忘れてた。悪いことしたな」
透「あ、そういうこと……」
信号を見る、透。
信号は青に変わっている。
透、まっすぐ歩き出す。

透「……それで、美咲さん体調でも悪いの?」
奈々の声「う〜ん、私の体調は大丈夫なんだけど……」
透「ん?私はって?」
奈々の声「う〜ん、どっから説明すれば……。あ、そうだ、黒羽くん、今日暇?」
透「え?今日は暇だけど」
奈々の声「じゃあ、ウチに来る?」
透「えっ?」
思わず立ち止まる、透。


<第6話、終了>

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※第7話は5月13日(月)に公開予定です。

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