小心者のための投資入門（1）プロローグ

楽して稼げるなんて「うまい話」は、この世の中には(ないとは言えないが) ほとんどないと思ってよい。仮にあったとしても、そのような話が特別な人脈も知識もない私のような男に回ってくることはない。

もしそのような「うまい話」を耳にすることがあったとしたら、残念ながらそれらは、詐欺か、何か裏のある話だろう。

私たちは皆、不公平な世界を生きている。どんな時でもすべての人に平等に機会（チャンス）が与えられるというのは、幻想だ。生まれる環境は、それぞれ皆異なるし、目を背けたくなるような現実として、残念ながら、どんなに努力しても越えられない壁にも、人生という長い旅路の途中で頻繁にぶち当たることになる。それでも前に進んでいかなければならない、それが人生だ。それぞれが、与えられた環境の中で、幸せを求め、彷徨っている。

人生はよく旅に例えられることがあるが、旅の途中には、様々なリスクや嵐が待ち受けている。それらを乗り越え、人生の旅を明るく豊かなものにするには、3つのものが重要になる。「健康」「仲間　(家族を含む)」　そして「お金」(資金)だ。「お金」は、「健康」や「仲間」より重要なものではないが、「お金」があることで、旅の助けになることも多い。

「お金」があれば、飛行機で太平洋を渡り切れるかもしれないが、「お金」がなければ、泳いで太平洋を渡り切らなければならないかもしれない。「お金」は、選べる選択肢を増やしてくれるのだ。

幸いなことに、健康な「身体」は、両親が与えてくれた。困った時に、支えてくれる仲間も（理由は分からないが）それなりに得られている。どんな苦しみや悩みも、和らげてくれる愛犬もいる。そこで、ある時、ふと思い立ち、「お金」を増やす活動に取り組んでみることにした。特に、大きな夢も目的もない。旅の選択肢を増やしてくれる「お金」を少しでも増やしておこうか、と思いついただけだ。「お金」があれば、愛犬達に美味しい肉をたくさん買ってあげることも出来るだろう。

私は、平凡なサラリーマンだ。はっきり言って何の取り柄もない。そして小心者だ。理想は、ノーリスク・ハイリターン。出来れば、給与も貯金も増やしたい。しかし大きなリスクも取りたくない。入念な事前勉強と準備をして、考えに考え抜いて、勝率が高い勝負に挑みたいと考えている。楽して稼げる、なんて「うまい話」は、この世にはないし、リスクがあるところにしか、「真のチャンス」はないのだが、、。

そして私は、投資に手を出してみることにした。ただ単に、サラリーマンの仕事を継続しながら、給与以外でお金を増やす方法をそれ以外に思いつかなかっただけだ。小さいながらも事業子会社の経営を任された経験が役に立つのでは？という淡い期待はあるが、決して突出した能力ではないだろう。当然、特別な情報も持っていないし、そんな情報が得られるような特別な人脈は、一切持っていない。何よりも、インサイダー取引のような違法に手を染め、人生を大きなリスクにさらすようなことは、小心者に出来る芸当ではない。あくまでも、一般書籍や一般情報に自分独自の分析を加え、勝負していくつもりだ。有料のセミナーや情報商材に頼るつもりは一切ない。頼りは、図書館に眠る無料の人類の叡智と自分自身の知識だけだ。

これは、「こうしたら投資に勝てる」とか「こうしたら儲かる」とかいう話ではない。また投資を勧める話でもない。何の才能も人脈もないどこにでもいる普通の男が、「投資」という大冒険の海に漕ぎ出し、恐る恐る様々なリスクに立ち向かう　体験談だ。

そんな小心者が、どのような根拠・ロジック・目論見で、どのような投資に漕ぎ出すのか？大金を稼ぎ出せるのか？、または、世の中は、やはりそんなに甘くはなく、大金を失ってしまうのか？、1つの体験談として、今後もお読み頂ける、なんてことがあれば、幸いだ。

早速、小心者の投資第1弾として、「IPO投資は、株初心者でも“勝率87％”が実現可能な投資だ」との目論見から、最近話題の大型上場である東京メトロのIPOに応募してみることにした。そして今日（10月15日）、「落選」の報（メール）を受け取った。

やはり人生は甘くはない。当選したら、儲かっていたのか？、それは、わからないが、とにかく投資計画第1弾は、スタートラインにも立たせてもらえなかったわけだ。

まあ、人生は長い。さあ、今週は、投資や経済の本を読み漁り、来週　次の勝負に挑みたい。

※IPO ＝　Initial Public Offering ＝　新規公開株式、新規上場株式、などと略される

東京メトロ　IPO 落選のお知らせ抜粋　（涙）

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