【25,000文字で徹底解説】3Dプリンターでヨーヨーを作る方法。
まえがき
このnoteは、「ぼくがかんがえたさいきょうのヨーヨープロジェクト〜2021年版〜」です。
2014年4月から3ヶ月ほどかけて更新した14のブログ記事を再編集し、note上で一気読みできるようにしました。
いま読み返すと、3Dプリンターを強調するノウハウというより、設計基礎というか「ゼロからはじめる、3DCADを用いたプロダクト制作の基礎」と言える内容です。
DIY知識をもっと深めたい、3Dプリンターでなくてもものづくりに興味がある、というあなたにもオススメできる知見となりました。
3Dプリンターでヨーヨーを作るハウツー連載を、はてなブログで公開していました。現在、こちらのブログは更新を停止し、該当の記事も今は非公開にしていますのであしからず。
noteにまとめるにあたって、文章は若干の修正程度にとどめました。
もっとちゃんと直そうかなとも思ったんですが、当時の僕の「3DCADで作ったものがすぐ手に取れる!!ヨーヨーとして遊べる!!」っていう興奮が文字になっているところが多いので、ほぼそのままにしました。
また、この記事で使っている3DCADは「デザインスパークメカニカル」という3DCADです。最近の3DCADといえばFusion360一択と思いますが、2014年当時は完全無料3DCADだったんですが、年月を経て高機能になるとともに有料化してます。
ウィンドウズを使っているならこちら無料の「デザインスパークメカニカル」も検討して損はないはず。
2014年4月8日に書き始めてます。
素材の比較をしてるのが最後の記事で、これが7月23日です。
振り返ると、3ヶ月位かけてノウハウをアウトプットしていたんですね。
主にDMMなど、プリントを外注に出すこと前提のヨーヨー制作ノウハウですが、データの行き先が変わるだけです。
内容をしっかり実践してもらえれば工場にも依頼を出せるし、もちろん自宅の3Dプリンターでも出せるしで、7年前のノウハウですが色あせてないどころか、我ながらけっこうものづくりの本質を突いている内容に感じます。
2014年当時は、家庭用の3Dプリンターと言っても安いもので15〜20万、30万くらい出すと良いものが買えるという感じでとてもお高く、このブログ記事の開始当時の僕は3Dプリンターを持っていませんでした。
このあと2014年の8月に、Genkei社のatomを購入し、3Dプリントヨーヨーの世界により、のめり込んでいくことになります。
今回の編集にあたって、今は3Dプリンター本体が(こだわりを持って選ばなければ)1万円台で買えますので、その対応も必要と考えました。
今回の2021年版の編集にあたっては、家庭用3Dプリンターで実践するときのポイント解説についての動画を掲載しました。
【追記等の記録】
2021年8月2日 全文公開
2021年8月7日 パーソナル3Dプリンタで気をつけるべきこと動画公開
3Dプリントでヨーヨー作るのは、大変です
いきなり、ちょっと残念なお知らせですが、3Dプリントヨーヨー制作/プロダクト制作の学習には時間がかかります。
1.ヨーヨー(作りたいもの)そのものや、設計について理解を深めること
2.データの作り方を身につけること
3.3Dプリンターの扱いに慣れること
3Dプリンターで行うものづくりには、これら複合的なスキル向上が必要不可欠だからです。
僕はこの連載記事を書く以前に、3ヶ月以上3DCADを努力して独学して、DMMに外注し、それでやっと「1個完成」までに持ち込みました。
その後はもちろん、今に至るまでいろんなヨーヨー(に限りませんが)を作っているのですが、言うまでもなく、継続学習しています。
成長には、自走力が大切です。
・故障した3Dプリンターを自分で直すためにググる
・3DCADの操作コマンドの使い方をググる
・3Dプリンターのスライスについてググる
などなど、たくさん自分で走って見つける必要があるんです。
何をしなければいけないか?
このnoteを読み込んでもらえれば、方向性がクリアになるはずです。
今すでに3Dプリンターでヨーヨーを作っていてイマイチ伸び悩んでいる方と、3Dプリンターに限らずこれからヨーヨーを作っていこうというチャレンジをしたい方、これらの方におすすめします。
3Dプリンターでヨーヨーを作ろう① 準備編
今日の失敗は、明日の成功。
どうもeastです。
さて本日より「ぼくがかんがえたさいきょうのヨーヨープロジェクト」略して、「ぼくヨープロジェクト」を開始したいと思います。
ワーヽ(*´∀`)ノワーヽ(*´∀`)ノワーヽ(*´∀`)ノワー
正直言って、こういう需要があるのかどうかもわかりませんが、ある程度の競技プレイヤーであれば、自分でオリジナルのヨーヨーを作ってみたいっていう気持ちを持ってる人、いるのでは?
とはいえ、この連載で考案、設計し、3Dプリントして完成するヨーヨーは近年競技シーンでは当たり前となったフルメタルヨーヨー、そして特に最近主流となっているバイメタルヨーヨーには敵わないと、正直思います。
しかし、自分で考えたヨーヨーを現実のものとする、実際に使える!
私が味わったそのエキサイティングな体験を、ぜひぜひ、あなたにも味わってみて欲しいと思っています。
最後までお付き合いください。
ちなみに設計したボディ部分とリム部分は生きた教材として、連載を進める過程でDMM3Dのクリエイターマーケットで入手できるようにしますね。
※本連載で作成するヨーヨーはバインド仕様の競技向けヨーヨーです。ヨーヨーの初心者 、バインド習得がまだの方は、販売店、ネットショップ等で基本的なものを購入することをお勧めします。
さてさて。
その第1回目、今日は準備です。
この連載では、私のオリジナルヨーヨー「Three Dimension Type2(仮名)」の作成を通じ、3DCADや3Dプリントサービスの使い方を知り、最終的には、自分の考えたヨーヨーを手にしていただくのが目的です。
記事の通りにやらなくてもそこそこのものが作れるとは思いますが、私が通った道をそのとおりに辿っていただくことで、山の中の獣道を通ることは避けられるでしょう。せめて山の中の作業道路くらいにはなっているはず。
それから、いきなり3DCADに取り組むことや、3Dプリントサービスのホームページを探したり、3Dプリンターを選び始めたりするのはおすすめしません。
まして、3Dプリンターを買うことなんて考えなくていいです。データがないとなんにもできないので。
手順を踏んで一歩ずつ進めていきましょう。
①方眼紙
はい、ということでね。これは必須だと思っています。
いきなりパソコンの画面で平面図、まして立体図が書ける人なんてそんなにいないでしょう。
まずは手で書いてみよう。方眼紙は便利です。
②文房具
左から、シャープペン、消しゴム、コンパス、定規、です。
方眼紙に図面を書き起こすのに必要な道具ですね。
まぁ家にあるものでいいと思います。画像がぶれてる…(笑)。
③ノギス
ボールベアリングやネジ、ナットなど現代のヨーヨーに必須な部品だけは3Dプリンターで出すことはできません。
いや、突き詰めたらできるんでしょうけど、そこは既製品を使ったほうが楽なんじゃないかなと。
その場合、穴や経の実寸を測ることが必要になります。
寸法を測るには専用の道具、数値を読むのが楽なデジタル表示のノギスが便利です。
ほかに、デジタル重量計があっても良いかもしれません。
必須ではないですがあったら便利です。
次は作図、データ入稿の環境です。
④パソコン
ブログを書くのも、音楽を作るのも、今やパソコンは必須です。
あんまりスペックが高いものでなくてもいいと思いますが、大きな3Dファイルを出力するときにそれなりにパワーが要求されるので、CPUはデュアルコアもしくはクアッドコア、メモリ容量にも余裕があったほうがいいかもしれません。
CADソフト立ち上げるたびにフリーズなんてしてたら製作どころではないです。
あと、私はマウスで作業してます。トラックパッドはオススメできません。
⑤3DCAD
http://www.rs-online.com/designspark/electronics/jpn/
CADとは、Computer Aided Design(コンピュータ支援設計)のことです。
3DのCADは調べればいろんなものが出てきますが、私はDESIGN SPARK社の「Design Spark Mechanical」をおすすめします。
※現在はRSコンポーネンツ社に移行、ver5.0のウィンドウズ版が無料です。
利点は、フリーソフトであること、操作が直感的であること、日本語表示、です。
初心者が使っていくには十分です。
あとこのCADは使ってて「えっ!?」ってなることが一番少なかった(笑)。
けれども、3Dプリンターでは基本となる形式、STLファイル出力ができるCADならなんでもいいです。
アクティベーション方法と基本操作の説明は、トップページ下部にあります。
⑥根気
やってみようと思ったところからスタートですが、最初のパッションを最後まで維持することはとても大変です。
なんでもそうだと思いますけど。
最近、ある人とご飯食ったときに、「ヨーヨーが好きだ、っていうことはどういうことなんだろうね」って話があって、それ以来、ずっと自問自答してます。
これ、何にでも置き換えて考察できるすごく深いクエスチョンだと思います。
行き詰まったとき、誰かと話をすることは最良の解決策かもしれません。
結果迷うことになっても、急にブレークスルーするかもしれませんし。
本日はここまで!
次回はヨーヨーのコンセプト作りです。
☆下記から有料の項目になります。「3DCGでフィギュアを作ろう」的な書籍はだいたい3,000円とか4,000円とかするので、一般的な本屋さんで買えるような書籍の価格設定にしました。
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