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「日本の財政は既に詰んでいる」

毎朝、日経新聞をタブレットで読んでいます。何気なく画面をスライドする際、小さな記事に衝撃的なことが書かれていることがあります。短い文章ながら何度も読み手を止めて考えこんでしまう。記者の方の取材力と筆力の賜物で朝から脳に強烈なパンチを受けました。

 「日本の財政は既に詰んでいる」

#日経COMEMO #NIKKEI

筆者は日本の財政は将棋に例えると既に詰んでいる、とみている。換言すれば、民主主義のシステムに基づいて、増税や歳出削減で財政バランスを取り戻すのは、もはや無理なところまで来ているのではないか。



日経新聞が



     日本の財政は将棋に例えると既に詰んでいる




と報じています。


コラムとはいえ強烈なメッセージ。

将棋では既にどうしようもなく打つ手がなくなってしまった状態を「詰み」ですから、日本財政は既に終了しているということ。日経新聞の見立てでは日本の財政はもう死んでいるという。


もう少し調べたく日経の直近のバックナンバーを検索してみると

10年後の財政「破綻確率」50% 将来世代の負担を考える

という記事が、
財政破綻確率もG7諸国の中で最も高い水準とのこと。


10年後に日本の財政が破綻する確率50% 

とはただごとではありません。

他の先進7カ国(G7)諸国でも、過去に例のない大規模な財政支援が実施され財政規律に悪影響を及ぼしている。10年後の財政破綻確率を試算したところ、日本に次いで財政状況の悪いイタリアでは29.3%となった。だがコロナ対策の規模が世界最大の米国は4.9%、ドイツに至っては1.2%にとどまる。
日本の財政破綻確率は、他のG7諸国平均(7.9%)の6倍強(イタリアを除くと3.7%、14倍弱)と、その高さが際立った。
政府も国民も多くがコロナ禍に乗じて、税財源の裏付けもなく、ひたすら歳出拡大を求め続ける現状をみると、いちかばちかのギャンブルに興じているに等しい。

2021年5月3日に島澤諭・中部圏社会経済研究所研究部長氏が寄稿されています。



日本の借金は1212兆4680億円、諸外国と比較しても圧倒的に高く債務残高はGDPの2倍で主要先進国の中で最も高い水準。(財務省ホームページ)


家計の金融資産が1900兆円という裏付けもありますので国民が日本財政を支えている形ですが、記事にあるとおり国民が日銀への信用を失って違う資産にシフトしたらと考えると「崩壊」という言葉も頭によぎります

日銀はどこかの時点で信用をなくし、現預金から不動産、外貨、金などへのシフトが発生するだろう。どの時点で信用をなくすかについては、誰にも分からない。それを決めるのはわれわれ国民だ。国民が日銀券や民間銀行の預金を安心して持つ限り問題は表面化しない。しかし国民が愛想を尽かす時には日銀の信用は崩壊する。



日銀の信用が崩壊すると、NEO日本銀行なるものができて新たなデジタル通貨を発行するのか、電子通貨に全て変えてしまうのか想像の世界でしかありませんが、国家の裏付けの無い仮想通貨(暗号資産)という新たな流れが起こっていることは事実です。

既に影響力のあるユーチューバーやSNSのインフルエンサーがシンガポールやドバイやバンコクに移住。仮想通貨への投資を行っている動画や投稿が増えています。こうした流れに追随するフォロワー層が増えはじめていますから感度の高いイノベーターには日本円に対する信用は既にないかもしれません。難しい理屈は抜きで感覚的にイノベーターに引っ張られたフォロワー達が増え、しきい値を超えた瞬間に崩壊となり日本経済のリセットボタンが押されることになるのではないでしょうか。

または、新札発行の2024年がターニングポイントになるかも知れません。日本の歴史では1946年に預金封鎖が行われ新札に変更されました。旧円の財産は移行期間後の使用が認められず価値を失い、結果として国の借金を一掃させるために合法的に国が国民の財産を収奪したことになります。2024年の新札への切り替えのタイミングがその様な可能性も否めません。



半藤一利氏の『昭和史』
にはその冒頭、国家興亡の四十年という章に1853年のペリーの来航から今に至る日本の繁栄と衰退のサイクルが書かれています。半藤氏によればそれは四十年周期だそうです。

簡単にまとめると、
      1865年 慶応元年に開国(海外からの開国への圧力)
   
          繁栄へ向かう40年
      1905年 日露戦争勝利
   
          衰退へ向かう40年
      1945年 第二次世界大戦敗戦
(1946年に 預金封鎖)
          繁栄へ向かう40年 
      1985年 バブル景気の繁栄 世界二位の経済大国
   
         衰退へ向かう

こうやって国づくりを見てくると、つくったのも四十年、滅ぼしたのも四十年、再び一生懸命作り直して四十年、そしてまたそれを滅ぼす報告へ向かってすでに十何年過ぎたのかな、という感じがしないわけではありません。
昭和史 1926-1945 半藤 一利著 平凡社


そして、衰退から繁栄へ向うサイクルでつぎの転換点が2025年になります。2024年の新札発行の翌年、2025年は大阪万博の年になります。

2025年前後になにか大きなターニングポイントとなる事件がおこるかも知れません。

個人がリテラシーを高め自己防衛をするとともに、昭和史にあるような戦争での国家繁栄につながらないように注視する必要があります。


参考にした書籍です。


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