江古田 居酒屋 八丈
午前三時。三人の酔っ払い。久島はすでに目が据わっていた。今野は勝手に焼きそばを注文してひとりで喰っていた。おいっこらっ俺にもよこせよ!
あのさーここの娘って不憫に思えないか?無理矢理私立のお嬢様学校に行かせてさ...
まぁいいじゃないか。その家の事情というものもあるのさ。
そりゃそうだけどさ。
ニラ玉を作っているオヤジの背中姿。袖から見える入れ墨。
娘さんさ、絶対学校でイジメに合うってば。
いやいや逆にグレるかも。
だから、人の家庭の話をしないように。この酔っ払い。
お前も酔っ払いだよ。
35年前の話しだ。娘さんも既に40歳代後半になっているはずだ。
社会人になることに不安を焦りを感じていた俺たちは、この店でぐだぐだ酔っ払うだけだった。
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