岩波文庫版『紫禁城の黄昏』を読んでの感想らしき作文
ブックオフの100円均一で手に入れた岩波文庫版の『紫禁城の黄昏』を読了する。訳者あとがきを読んでいたら、どうやら本書は、原書の第11章から第15章にあたる部分で、原書全体ではないのだ。あとがきを読みながら、私は少し、がっくりきた。
本書を読み愛新覚羅溥儀の自伝『わが半生』を読もうかと考えたが、現在、所有していないし、正直言って、興味を抱けなかった。私は、本書あとがきで、思わぬ知識を得た。本書の原書はヴィクター・ゴランツ社から出版されたのだが、その出版社でエドガー・スノーの『中国の赤い星』が出版され、その後ニュー・レフト・ブックスシリーズというものを刊行した、ということを知った。私は愛新覚羅溥儀の『わが半生』よりも、ヴィクター・ゴランツ社のニュー・レフト・」ブックスに興味深々である。
そこで、21世紀の便利グッズ「検索」でニュー・レフト・ブックスを検索してみた。
それらしきものは見当たりません。探し方が悪いのだろうか。悪いのでしょうね。
実は、私は、恥ずかしながら『中国の赤い星』を読んでいないのです。
アマゾンで見てみると文庫版、筑摩叢書版がある。
私が20代のころは筑摩叢書は、本屋で気軽に見かけたが、今や見る影もない。アマゾンによると、増補決定版が3955円の値段がついている。ブックオフでなく、昔ながらの古本屋へ行ったほうがよいのかもしれない。
『紫禁城の黄昏』から脱線してしまった。
『紫禁城の黄昏』を読み、私としては、皇帝も少年時代があり、それは私たちと同じような人間だという素朴な感想を抱くだけだった。その感想を得た私は、噂される悠仁の暴言は皇居内の不満、溥儀についたジョンストンのような教師がいないからではないか、と思われる。本書では、ジョンストンは溥儀を健全な人間に育てたいというようなことを書いている。ジョンストンは、どうやら本書の記述を「盛って」いたようだ。とはいえ、宮廷内だけにしかいなかった溥儀を外に出してスポーツをさせてからだを鍛えたほうがよいとも書いているところからして、教師としては普通な感覚の持ち主ではないでしょうか。
ちなみに、す、す、すいません。私は、本書が原作の『ラスト・エンペラー』を観ていません。
ところで、なぜ『紫禁城の黄昏』を読もうとしたか、特に理由もなくブックオフの100円均一で見かけた、ただそれだけです。