映画を観た記録137 2023年10月30日  大島渚『御法度』

Amazon Prime Videoで大島渚『御法度』を観る。

大島渚の遺作が"ボーイズ・ラブ"のような駄作だったのか。

ストーリーを次へと展開する字幕が必要だとしても、字体がこれでいいのか。しかも字幕にそのけがある、と書くのはよくないのではないか。俳優のセリフで、衆道をそのけがある、というのは、もしかすると幕末の新選組はそう言っていたかもしれないということで受け入れるとしても、一種の同性愛への偏見ではないか。というか、これは同性愛への偏見と見てよい。同性愛者が新選組の秩序を乱すという考えに基づいているからである。実際、幕末の武士はそうだったのかもしれない。その同性愛者にされた若者は一種の狂人なのである。町人なのに、人が斬れるからという理由で新選組に入隊した。狂人なのである。同性愛者を狂人と見たいのか、謎の映画である。原作が司馬遼太郎だからかもしれない。大島渚は『青春残酷物語』はゴダールにこれこそヌーヴェルヴァーグと絶賛されたにも関わらず、遺作は全編セットの映画として保守的な作風になってしまった。新選組に同性愛が蔓延しようが、そんなことは映画の「御法度」破りではない。

大島渚、遺作は駄作だったという悲しい映画人だった。

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