4話 夢農場で見た夢
ある日、ミカちゃんはまたあの不思議な夢農場を訪れました。岩に囲まれた小さな木の扉をノックすると、やさしいおばあちゃんが顔を出して迎えてくれました。
「おかえり、ミカちゃん。今日も夢の木を見に来たのかい?」
ミカちゃんはうなずきながら、畑の方へと目をやりました。そこには彼女の夢の木が立っていて、少しずつだけど確実に育っていました。
まだまだ小さいけれど、緑の葉が太陽に向かって伸びているのを見て、ミカちゃんの胸は温かくなりました。
「ミカちゃんの夢の木、ちゃんと育っているよ」とおばあちゃんは笑顔で言いました。「ゆっくりかもしれないけど、一歩一歩夢に近づいているんだよ。」
ミカちゃんはその言葉に励まされ、さらに夢への想いが強くなりました。すると、おばあちゃんが何かを取り出しました。それは小さな真っ赤な実でした。
「これをあげよう」とおばあちゃんは言って、ミカちゃんにその実を手渡しました。「この実を食べるとね、ほんの少しの間だけ夢を実現させてくれるんだよ。」
ミカちゃんは目を大きくして、その実を見つめました。「どれくらいの間、夢が叶うの?」
「一分ぐらいかな。でも、一分の間でも君がずっと憧れている夢の中に飛び込むことができるよ。」
ミカちゃんはドキドキしながらその実を口に運びました。甘酸っぱい味が広がり、目を閉じると…。
突然、ミカちゃんは宇宙服を着て、広大な宇宙空間に浮かんでいました。銀河がキラキラと輝き、彼女の目の前には地球が青く美しく光っています。無重力の中でふわふわと浮かび、周りを見渡すと、彼女の操縦する宇宙船がすぐそこに。ミカちゃんは笑顔を浮かべ、ハンドルを握りしめました。
「これが、私の夢…!」
宇宙を駆け抜け、星々の間を自由に飛び回るその一瞬は、まさに夢の世界そのものでした。しかし、一分という時間はあっという間に過ぎ去り、気がつくと、ミカちゃんはまたおばあちゃんの畑に戻っていました。
「どうだった?」おばあちゃんが優しく尋ねました。
「すごかった!本当に宇宙飛行士になれたんだ!」ミカちゃんは興奮しながら答えました。
「その気持ちを忘れないでね」とおばあちゃんは微笑みました。「夢を実現するには時間がかかるけど、今感じたその一瞬が、ミカちゃんの力になるはずだよ。」
ミカちゃんは深くうなずき、心の中で決意を新たにしました。いつか本当に宇宙飛行士になるために、これからも夢を育てていこう、と。
そして、彼女の夢の木はまた少しだけ、大きくなったように見えました。
自分の夢を叶えた人の話に触れたり、聴いたすると
夢がグッと近づく、いつまでも、夢の事思い続けるいるとチャンスがきっとやってくる。