エフェクターボードを自作する
メインとなるエフェクターボードがもう一台あっても良いなぁと思い(ツアーに預けちゃうとメインがなくなっちゃうし)、久しぶりにエフェクターボードを自分で作るところからやってみる制作記録です。ちなみに昔はお風呂のすのこでボードを作ったり、エフェクターケースを改造してハンドルとキャスターを付けたりしたこともあります笑
今のメインボードもコンパクトにまとまった良いボードなんですが、今後気軽にペダルを増やしたり変えたりってできるボードがあっても良いかなぁと。というわけで早速制作スタート!
1.材料購入編
ボード作りは、まずボードが入るケースを決めるところからスタートするのがオススメ。ボード自体はいうてただの板なんで、持ち運びするケースを決めておくのが大事。今回はBagncaseのこちらを選択。
取手付き、キャスター付きというのに惹かれました。早速届いたものを確認するが、まぁでかいよね笑 走行性能はひとまず良さげ。思ったよりずっと軽いです。
ではでは早速ホームセンターへGO!
2.ボード制作編
ではでは早速作っていきたいと思います。まず利用するのはホームセンターの無料工作コーナー。工具も揃っているし、何より掃除が楽。最高です。
はい!というわけでここまではボード本体を作るところまででした。
さてさて気になるお値段ですが、
・板&カット:3,568円
・面ファスナー 3m:3,240円
・黒ラッカー:547円
・取っ手×2:1,070円
・ゴム足8つ:322円
・木片×4:132円
というわけでボード代 9,011円でした。
ケース(クッションオプション、送料込み)は31,860円です。ツアーに預けたりするにはハードケースである必要があるので、高いのはまぁしゃーなし。サウンドハウスのこういうバッグとかに入るように作ると安くてオススメです。
3.ペダルを並べて動作チェック
今回GT-1000COREとOD-Five CFPは操作の都合かさ上げしたいので、木片に面ファスターを面裏貼って台とします。結果この隙間をケーブルが通過できるので配線も少し楽になります。
今回給電したい具材は全部で9つ。パワーサプライはDC-8を使用(値段おかしいことになってますね汗)。1000mA出力が2口ついていて、GT-1000COREとスイッチャー はコレから給電します。あとは300mA出力が6つで、1口足りないのでBOSS TU-3sからタコ足でひとつ給電しました。
4.全体結線〜完成へ
Ovaltoneからブツがいろいろ届いたので、いよいよ本格的に結線していきます。
どどーん!完成しましたー!
思ったよりプラグ長があって当初想定していた場所にGT-1000COREが入らなかったので、OD-Five CFPと場所を入れ替え。無事まとまりました!
一番右側のペダルのところは自由入れ替えエリアとして、その都度好きなペダルを置けるようにケーブル類余裕持たせてます。信号の流れは次の通りです。
ギター →バッファー兼ジャンクションボックス(ギター2本セレクター)→ES-8 In
Loop1:自由(写真ではGamechanger AudioのBigsby Pedal)
Loop2:BOSS CP-1X(コンプ)
Loop3:Ovaltone Mercava(ブースター)
Loop4:未使用
Loop5:Ovaltone Fountain-HS(オーバードライブ)
Loop6:Ovaltone OD-Five CFP(2ch ディストーション)
Loop7:未使用
Loop8:GT-1000CORE(マルチエフェクター)
ES-8 Out → ジャンクションボックス → ギターアンプ
ES-8は内部で接続順入れ替え可能なので、Loopの順番はそこまで気にしなくて良いのですが、一応こんな感じで。Loop4&7を空けたのは特に意味はないんですが、まぁ今後なにか増やしたくなったら。
前述しましたが、GT-1000COREのパッチ切り替えはES-8からMIDIで切り替えます。GT-1000はディレイ・リバーブに加えて、コーラスやトレモロその他のFX系、ボリューム管理など一手に担います。フットスイッチFS-7は、GT-1000のディレイタップ、ワウのOn/Offにしてます。
まずは仕事で無事使えそうなので一安心。Ovaltoneの電源&ケーブルが効いているようでめちゃ音がクリア。かつ情報量がしっかり多いサウンドに。ノイズも問題なさそうです。
実際使ってみるとFS-7(フットスイッチ)はもっと高さがあった方が踏みやすいなとか、もっと言えばスイッチャーのすぐ上に欲しいなとか、より使いやすくしたくなる欲求が生まれてきますね…。まずはここをベーシックに今後必要に応じてカスタマイズしていきたいと思います。というわけで一旦Ver.1.0完成です♪
5.改良編〜2階建へ増築
先日リハで使ってみた感想として、GT-1000CORE、FS-7までが遠い…!普段GT-1000を使っていてすっかりカレントナンバー機能(もう一回踏むと何か、が設定できる。僕の場合はもう一回踏んだらDeley On/Offできるようにしている)に慣れきった体に。演奏中に「ああなんかめんどいから踏まなくていいや」ってことが数回あったので、これは良くないなと…。
というわけでやはり理想はES-8の右上直近にGT-1000COREとFS-7がある状態なので、ES-8のプラグ類をカバーで覆って2階建に増築することにします!
どどどーん!Ver.2.0完成!!
というわけで人生初の2階建ペダルボードに足を踏み入れてしまいました!早速明日から実戦で使ってみたいと思います♪
追記:有形ランペイジのリハーサルでStrymon MobiusのDestroy(ビットクラッシャー系の音色)を要求されたため、2階を増築して追加しました。
●完成お披露目YouTube配信
というわけでこちらのボードを使ってYouTube配信しました。よかったら音聴いてってくださいな。BOSS SY-200開封の儀コーナーもあります笑
6.電源バージョンアップ編
OvaltoneのToneVoltの効果がすごくて、GT1000とES-8もToneVoltから給電したら音が俄然良くなりました!ということで特注の大電流版ToneVoltをOvaltoneさんから送って頂きまして、電源バージョンアップ編です。
どどーん!Ver.3.0完成!!
こうなりゃチューナーの下にデジタル時計置いたり、ピックケースも仕込んだりしておきたくなりますね。気づけばコンプもシンセもかさ上げされてて、地べたに乗ってるペダルはジャンクションボックスとMercavaだけという…。
●配線とパッチ解説編
あらためまして、このボードの結線と音色パッチについて解説しておきます。信号の流れは以下の通り。(記事先頭から読みたい方はこちら)
ギター →バッファー兼ジャンクションボックス(ギター2本セレクター)→ES-8 In
Loop1:自由(写真ではSY-200)
Loop2:BOSS CP-1X(コンプ)
Loop3:Ovaltone Mercava(ブースター)
Loop4:未使用
Loop5:Ovaltone Fountain-HS(オーバードライブ)
Loop6:Ovaltone OD-Five CFP(2ch ディストーション)
Loop7:未使用
Loop8:GT-1000CORE(マルチエフェクター)
ES-8 Out → ジャンクションボックス → ギターアンプ
Loop8のGT1000は基本ONです(ES-8のOutの後に接続してもよかったのですが、一応外したくなる時にそなえて)。Volume管理とFX系を一手に担います。
GT1000のフットスイッチは適宜変更できますが(写真ではトレモロ、ブースターのOn/Off)、Delay、Delay Tap、WahのOn/Offは基本全パッチ共通にしています。
●音色パッチ例1:コーラスクリーン
Loop2(CP-1X)
Loop8(GT1000:Chorus、Delay)
●音色パッチ例2:歪みリード
Loop3(Mercava)
Loop6(OD-Five CFP:Middle gain)
Loop8(GT1000:Delay)
●音色パッチ例3:歪みリフ
Loop6(OD-Five CFP:High gain)
Loop8(GT1000:Delayなし、パッチレベル:80)
GT1000のパッチは
1〜5:DelayなしのPatch Level 80〜120
6〜10:DelayありのPatch Level 80〜120
11以降:FX系
にしています。歪みの音量レベル等は各ペダルのつまみで調整できますが、パッチ間の相対的な音量レベル差(バッキングとリードなど)はGT1000のパッチでプリセットしておくことができます。
ちなみにこのボードにStrymon Mobiusなどを加えるときは、GT1000のセンドリターンにつないで、GT1000のパッチの一部として使ったりします。
●音色パッチ例4:シンセリード
Loop2(CP-1x)
Loop1(SY-200:SQR Lead)
Loop5(Fountain)
Loop8(GT1000:Delay、パッチレベル:90)
※Effect ChainはLoop2→1→6→8
GT1000とSY-200のパッチはそれぞれMIDIで呼び出します。GT1000はMIDI ch1、SY-200はMIDI ch2に設定すれば、それぞれ別個に制御可能です。
●まとめ
というわけで約1ヶ月に渡って制作してきたペダルボードですが、無事本番も経てめでたくメインボード2号機として完成に至りました!今後もきっと新しいペダルが出たりするたびにちょこちょこマイナーチェンジを繰り返すと思いますが(←ギタリスト沼)、長く使っていけそうなボードができたんじゃないかなと思います。これからボードを作られる方の参考になれば幸いです。
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佐々木秀尚 オンライン・ギター・スタジオ
プロギタリスト佐々木秀尚が、音楽理論、テクニック、機材についてなど、現場に出ているからこそお伝えできる生きた情報をお届けします。