【縮約】“感情を動かすデザイン”はどのように生まれるのか? アイビー・ロスと佐藤オオキのスペシャル対談
こんにちは。Akaponです。今日はこちらの記事を縮約しました。
縮約
ロス:私たちにとって大切なものが感情。テクノロジーが生活に溶け込むなかで重要な考えがエモーショナルデザイン。
佐藤:情緒的価値と機能的価値のバランスを常に意識しながらデザインをしたいから、とても共感する。
ロス:神経美学とは、美や芸術が人間の身体や脳にどのような影響を与えるかを研究する学問。五感を刺激するすべては美。人間は感じる生き物でありながら、頭で考えてばかりでそのことを忘れがち。神経美学をデザインに取り込むことで、感触や色がどの感覚を刺激するのかを考えている。
佐藤:心地よさというのは、はじめての体験というよりも馴染み深い時に感じることが多い。
佐藤:東京 2020 年オリンピックの聖火台では、球体に花の咲く動きを取り込んだ可動式の台をデザインした。自然とテクノロジーは対極でありながら、実はリングのように端で触れ合っている。
ロス:自然からヒントを得て、それをデザインに落とし込むことで人と物の関係性を近づけている。
佐藤:同時にデザインにおいて不完全であること、懐かしさを意識している。
佐藤:大阪万博の日本館を担当し、全体のテーマからすべてをデザインしている。特に体験のデザインを試みている。自然からヒントを得ているが、光や温度の変化だけで自然を感じることができるのではないかと考えている。
ロス:豊かな環境や多様な体験がクリエイティブに重要である。
佐藤:僕は逆で、特別な場所で特別な経験をすると圧倒されアイデアが浮かばなくなる。毎日、同じことを繰り返すうちに日常の些細な変化に気づく。その気づき、違和感を紐解くことがアイデアの種となり、わかりやすい形に育てて日常生活に返す。誰かが同じような感情を持ち、共感すると期待している。
ロス:プロセスはそれぞれに違っていい。心を動かすものに出会えば、そこにアイデアの種が見つかるから。デザインの一貫性を保つために “Human, optimistic, and bold”(「人間」「楽観性」「大胆さ」)という理念を指標としてきた。
佐藤:デザインを接着剤と捉えていて、人と物、人と空間、人同士をつなぎとめ、近づけていく力だと思う。デザインを正しく活用することで、テクノロジーが人の身体の一部、環境の一部になったり、空気のような存在に進化させられるという期待がある。
以上