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デジタルスキル標準における「データサイエンティスト」の定義を正しく理解する(その5) ~ 「デザイン」の重要性
はじめに
どの企業にもDX人材が必須と言われて久しいです。企業はDX人材、特に「データサイエンティスト」を社内に確保しましょうと言われています。ただ、
「データサイエンティスト」とは何か
としっかり定義されているでしょうか? そこで、全7回にわたってIPAのデジタルスキル標準を読み込みながら、データサイエンティストについて解説をしていく連載を書いていきます。前回までの記事は以下をご覧ください。
デジタルスキル標準における「デザイン」の意味
前回の記事で、「データビジネスストラテジスト」ではデザイン系スキルが求められると示しました。今回はこの点について解説します。
まず、各ロールに求められるスキルのうち、「ビジネス変革」カテゴリーのスキルは、「戦略・マネジメント・システム」「ビジネスモデル・プロセス」「デザイン」の3つのサブカテゴリーから成りますが、「デザイン」は以下のように定義されています。
(デザイン)個別の製品・サービスに関するDX推進のプロセスを進めることに軸足を置いたスキル
顧客視点で個別の取組み(特に新規事業開発)を進めるうえでのプロセスごとにスキルを定義している
https://www.ipa.go.jp/jinzai/skill-standard/dss/about.html
このように、定義の部分に「意匠・見栄え」については特に明記されていません。それもそのはずで、実はそもそも
「デザイン」という言葉は「意匠・見栄え」だけを指すわけではない
からです。
市場や技術、社会が大きく変化し、企業を取り巻く問題が複雑化していることを背景に、「デザイン」に期待される役割も変化しています。すなわち、デザインには、個々の製品などの造形を美しいもの、使いやすいものにする役割のみならず、製品やサービスを利用する人々の体験全体を心地よいもの、魅力的なものにする役割、さらには、ビジネスモデルや組織・コミュニティなどのエコシステムを望ましいもの、生き生きとしたものにする役割も求められるようになりつつあります。今やデザインは、人を起点とする価値創造・問題解決の手段として捉えるべきものだと言えるでしょう。
https://www.ipa.go.jp/jinzai/skill-standard/dss/about.html
こちらは、デザインスキル標準の「デザイナー」の章からの引用ですが、もとも経済産業省の「デザイン政策ハンドブック2020」にも同様の記載があるようです。
Wikipediaによると、
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