Claude3をいろいろ使ってたら、最終的に「人間らしさ」について考えてしまった
はじめに
ここ数日、生成AIに関して盛り上がっているネタといえば、Claude 3でしょう。
ネット上の記事を見ると、これまでの生成AIが出力するドキュメントより「解像度」が高いそうです。特に気になったのが、以下のようなものです。
ところで、このサイトではたびたび、将棋について生成AIに語らせるという企画をやっているのですが、ここまで日本文化に解像度があるのであれば
「今回こそ」という思い
を持ち、再度いろいろトライしてみます。
人物編
まずは、この二人について。
やはり(わかってはいたが)辞書的な使い方はできない。
インタビュー編
そもそも、生成AIの得意なことは「正解を辞書的に検索して出力すること」ではなく、
「あぁ、これ言いそう」という振る舞いを生成すること
ですので、次にインタビュー編をやってみます。
まず、藤井聡太さんに「振り飛車の未来」について聞いてみます。
これは生成AIの宿命ですが、「ありがちな文章をありがちに組み合わせる」文章になってしまい、これでは藤井さんらしさがあまり出ていません。
こういうのは逆に、クセの強い人を模するのはよいのではないでしょうか。そこで、以下の方をシミュレートしてもらうことにしました。
キャラクターを少しプロンプトで補足して、インタビューを生成してもらいます。
なんか、
天彦さんが言いそうな文体が出力
されてきました。文章から天彦さんの声が聞こえてきそうです。YouTubeのインタビューに出てきそう。
この自然な雰囲気はChatGPTやMicrosoft Copilotでは出てこないです。まったく同じプロンプトでも、「なんか雰囲気が違う」と感じるのは、何故なのでしょうか。
こうしてみると、ChatGPTって文章がカタいですね。昨年の今頃は、その登場に衝撃を受けていたものでしたが、一年も経つとあっという間に技術が発展しまう様子がよくわかります。
おわりに ~ 生成AI時代における「人間らしさ」とは何だろう
最後に、天彦さんシミュレータにもう一度いろいろ聞いてみました。
文章も長くなると、途中と最後で言っていることに矛盾が出てきてしまうようですが、それを差し引いてもこの文章は「それっぽさ」と感じさせます。
ただ、初めに紹介した「ひろゆきさんに桃太郎を語らせた」もそうですが、そう思えるのは、
そもそも、元となった人に注目すべき「特徴」があるから
です。その意味で、このような「特徴」がゆくゆくは「人間らしさ」というものになっていくような気がしました。とはいえ、こういった特徴=キャラクターは本来その人の中に固有で持っているものだと思っていたのですが、今回の実験を見るに
現在のAIは特徴を持った人の真似が上手くなってきた
という状況になりつつあるようです。さながらイタコのようですね。「人間らしさ」というものが、わかるようで、少しわからなくなってきました。今後も、このサイトでは生成AI技術だけでは、それを扱う人間についても考えていきます。
(おわり)
おまけ
今回の生成扉絵はなかなかディストピアっぽいものになりました。文意とは合いますが、
今、モニタの先にいる人間は、本当に「人間」ですか?
を考えないといけない時代を、我々は乗り越えられるのでしょうか?(案外簡単に乗り越えられるのかもしれないが…)