デジタルスキル標準における「データサイエンティスト」の定義を正しく理解する(その1)
はじめに
どの企業にもDX人材が必須と言われて久しいです。毎日のように、DX人材の不足を誰かが訴えています。
しかし、
そもそも、DX人材ってどういう人材なんですか?
という定義をしっかり持っているところは少ない気がしています。この記事の中でも、経産省のデジタルスキル標準について書かれていましたが、今回改めてデジタルスキル標準を読み込むと
「データサイエンティスト」とは何か?
について改めて考えさせられました。そこで、全7回にわたってデジタルスキル標準を読み込みながら、データサイエンティストについて解説をしていく連載を書いていきます。(第1回のみ全編無料)
「デジタルスキル標準」とは
デジタルスキル標準について改めて確認しておきますと
要するに、「DX人材とは何ぞや」を規定するために経産省が提示してくれたガイドラインということになります。
2022年12月に公表され以来、多くの注目を集めているものです。私も何度かnoteを書いております。
デジタル人材は15種類も必要?
このガイドラインには「どんなITスキルを身に着けたらよいか」のほかに
デジタルの知識を使ってどういう役割(ロール)を果たすべきか
が詳細に書かれているのが大きな特徴です。大きくは5種類の人材がいるとされています。
特に、昨今では「セキュリティに詳しい人」「デザイナー」もDX人材に含まれ、ガイドラインの中ではこの5種類の人材をさらに細かく分けると15種類になると書かれています。
これは役割を体系的に分解しただけですが、一方で細かすぎる表を見ると
当社にはそもそもこんなに人材(質・量)を用意できない
とも見えるようで、改めて人材の定義が難しいことを実感させられます。
やっぱり重要なのは「データサイエンティスト」
ただ、デジタルスキル標準を改めて読み込むと、作者もその辺は認識していたようで、「データサイエンティスト」の章で、その点をしっかりとフォローする記載を見つけました。具体的には
「デジタルスキル標準 ver.1.0」の第3部第3章 c. データサイエンティスト
で、この章を一枚絵図でまとめると、以下のようになると考えました。
この章はDX人材定義を考える人は改めて一度読んでみるべきと感じましたので、次回以降で詳しく解説していこうと思います。
(つづく)