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DXの意味を正しく捉えれば「DX人材に何をさせるか」や「リスキリング」についての考えが整理できるのでは?という話
はじめに
以下のような記事がありました。
DX白書は「人材像が明確になっていないことが人材の獲得・確保において『必要なスキルやそのレベルが定義できていない』『採用したい人材のスペックが明確でない』などの課題につながっている」と指摘する。まさにその通りなのだろうが、私にはもっと大元の問題があるように思える。一言で表せば、DX人材に何をさせるのかが明確になっていないということだ。
例えば今、社内でDX人材を育成しようと、従業員に対してノーコード/ローコード開発やデータ分析手法などの教育研修を実施する企業が増えている。「DXを推進するために従業員のリスキリング(学び直し)を促し人的資本を厚くする」などと、投資家らの関心を集めるキーワードが並ぶこともあり、DX人材の育成はちょっとしたブームといってよい状況である。
しかし、DXに必要なツールや手法などを学んでもらうといっても、学んだ内容を現実の業務で生かせるのだろうか。もちろんローコード開発などのスキルを磨いて、DXプロジェクトに参画する人もいるだろう。だが、多くの人はこれまでと同じ部署で、同じ業務を続ける。「全従業員をDX人材に」といった威勢の良い目標を掲げる企業もあるが、全従業員が学んだことを業務に生かせるとは思えない。
DX人材の議論になると、たいてい「AIを使ったことはあるか?」「Pythonが書けるのか?」「統計学は知っているか?」といった個別の項目の話になる気がします。そんなことより先に
彼らに何をさせるかを決めないと、スキルやレベルが決まらないのでは?
という点で今日は深掘りを行います。
「DX推進スキル標準」の人材類型
そもそも、DX推進人材のスキル標準というのは、わかりやすいものが経済産業省から公開されています。
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https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/skill_standard/main.html より
この図は非常にわかりやすいです。特に
デザイナーとサイバーセキュリティが追加されている
のがこの図のポイントで、いわゆるプログラマ・システムエンジニアに相当する「ソフトウェアエンジニア」や、統計学などを理解しているとされる「データサイエンティスト」以外にも、多くの職種がDXには必要であることを示しています。
詳しくは、以下の記事もご覧ください。
転職市場でもすでに気付かれ始めている
このような傾向は、転職市場で顕在化しています。
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